MALDI-TOFMSを用いた真菌同定の実践〜現場でできる培養と分析〜

遺伝子配列解析や質量分析(MALDI-TOF MS)による真菌同定の原理と実践的手法を体系的に解説。糸状菌の培養・前処理・測定結果の読み取り方、波形データ解析による識別精度の向上、ペプチドパターンを活用したスクリーニングの応用例なども紹介。
現場で使える真菌同定技術を習得し、真菌汚染や真菌感染症を正しく理解し、汚染防止と品質確保に活かせる内容です! 

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    セミナー趣旨

      食品や製品の品質管理において、しばしば問題を引き起こすカビ(真菌)。細菌と同じ設備や器具で培養できるとはいえ、根本的に異なる構造や生理をもつため、現場では同定が難しく、対応の遅れにつながりがちです。本講座では、遺伝子配列解析や質量分析(MALDI-TOF MS)による真菌同定の原理と実践的手法を体系的に解説します。特に、糸状菌の培養・前処理・測定結果の読み取り方、波形データ解析による識別精度の向上、さらにペプチドパターンを活用したスクリーニングの応用例も紹介します。現場で使える真菌同定技術を習得し、真菌汚染や真菌感染症を正しく理解し、汚染防止と品質確保に活かせる内容です。

    受講対象・レベル

    ・食品衛生、製品検査、環境検査の担当者
    ・臨床検査技師(微生物)
    ・MALDIを導入している公設試、同定サービス業
    ・抗菌・抗真菌や殺菌、消毒関連の製造企業、等

    必要な予備知識

    ■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
    ・食品衛生検査指針・微生物編(真菌)
    ・各種抗真菌(JIS Z2911)、薬剤感受性(真菌)試験に関連した精度管理
    ・抗微生物薬適正使用の手引き(カンジダ属)
    ・日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン

    習得できる知識

    ・遺伝子配列による真菌の同定法
    ・MALDI-TOF MS(Biotyper、AXIMA、VITEK MS)を用いた酵母、糸状菌の迅速同定
    ・波形データを用いたPLS-DA~機械学習によるインハウス識別データベースの構築
    ・糸状菌と酵母の分離、純粋培養の基礎

    セミナープログラム

    第1部 イントロダクションと基礎整理
    1.なぜ真菌を“同定”するのか:安全性・品質管理の視点から
    2.細菌と真菌の違いを現場で見極める
     2-1.コロニーの形態差(バクテリア vs 真菌)
     2-2.培養株を得る際の注意点
    3.MALDI-TOF MSとDNAバーコーディングによる微生物同定の現状
     3-1.二つの技術の位置づけと相補関係
     3-2.現場実装の課題と解決アプローチ
    第2部 実践編:真菌同定のプロセス
    4.DNAバーコーディングによる真菌同定
     4-1.ITS・β-tubulin・calmodulin領域の利用と限界
     4-2.BLAST検索によるアオカビ(Penicillium/Talaromyces)同定例
     4-3.“種”概念の再考 — 遺伝的距離と学名変遷の背景
     4-4.現場でのDNA解析導入のコツ(外注・コスト・精度)
    5.MALDI-TOF MSによる迅速同定の実践
     5-1.MALDI-TOF MSの測定原理と装置構成(Biotyper/AXIMA/VITEK MS)
     5-2.培養・前処理条件(培地、温度、培養期間、抽出手順)
     5-3.測定結果の信頼度スコアの読み方と判定基準
     5-4.コンタミネーション・混合系におけるトラブル例
    第3部 応用編:高度なデータ解析と実装
    6.データベースと拡張技術の活用
     6-1.公的機関が提供するMSスペクトラライブラリ
     6-2.Biotyper MSPsとSARAMIS SuperSpectraの仕組み
     6-3.データ品質管理と信頼性向上のポイント
    7.波形データ解析と機械学習による応用的識別
     7-1.PLS-DA~機械学習によるクラスタリング(使用ソフト:eMSTAT)
     7-2.Aspergillus fumigatusのアゾール耐性株識別
     7-3.デンドログラムを活用した菌株スクリーニング
    第4部 まとめと質疑応答
    8.現場で活かす真菌同定 ~形態(肉眼)とDNAとMALDIをどう使い分けるか~
    9.質疑応答・トラブルシューティング共有


    *途中、小休憩を挟みます。


    ■講演中のキーワード
    MALDI-TOF MS微生物同定、糸状菌、酵母、培養、品質管理、確定診断(カンジダ属) 

    セミナー講師

     千葉大学真菌医学研究センター 微生物資源分野 バイオリソース管理室 助教 農学博士    伴 さやか 氏

    ■ご経歴
    2003年3月 千葉大学大学院 自然科学研究科 博士課程前期 卒
    2003年~2018年5月 製品評価技術基盤機構(NBRC糸状菌担当 他)
    2015年10月 千葉大学大学院 園芸学研究科 博士課程後期 農学博士
    2018年6月~現職 助教
    ■ご専門および得意な分野・ご研究
    真菌(特に子嚢菌、冬虫夏草類)の分類研究、MALDI-TOF MSによる微生物迅速同定、
    医真菌学、アスペルギルス属と白癬菌の薬剤耐性機構、輸入真菌症
    ■本テーマ関連学協会でのご活動
    2016年 日本微生物資源学会奨励賞、~現在 庶務理事
    2022年 JIS Z2911かび抵抗性試験方法 原案作成委員会及び分科会、委員
    ~現在 日本防菌防黴学会 和文誌編集委員

    セミナー受講料

    【オンライン受講(見逃し視聴なし)】:1名 46,200円(税込(消費税10%)、資料付)
    *1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円

    【オンライン受講(見逃し視聴あり)】:1名 51,700円(税込(消費税10%)、資料付)
    *1社2名以上同時申込の場合、1名につき40,700円

    *学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。

    主催者

    開催場所

    全国

    受講について

    • 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
      (開催1週前~前日までには送付致します)
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      (土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
    • 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
    • Zoomを使用したオンラインセミナーです
      →環境の確認についてこちらからご確認ください
    • 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
      →こちらをご確認ください

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    開催日時


    13:00

    受講料

    46,200円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込、コンビニ払い

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