■本講座の注目ポイント
★半導体と磁性体の特徴を融合できる強磁性半導体は、磁性体の不揮発性を持ち併せたようなエネルギー使用効率が極めて高い半導体デバイスが実現できると期待される。本講演では、強磁性半導体の第一人者である東京科学大学のファムナムハイ先生に、これまでとこれからの強磁性半導体について講演いただきます。
セミナー趣旨
■本セミナーの主題および状況
★半導体と磁性体の特徴を融合することができれば、磁性体の不揮発性を持ち併せたようなエネルギー使用効率が極めて高い半導体デバイスが実現できると期待される。本講演では、スピンと半導体の機能を融合できる新物質として最も有望な強磁性半導体 (FMS)として、狭ギャップIII-V族化合物半導体に数%以上のFeを添加した強磁性半導体について講演する。
■注目ポイント
★強磁性半導体の基礎的な知識について学習、習得できる!
★強磁性半導体研究の歴史・特長について学習、習得できる!
★強磁性半導体に関する技術と課題について学習、習得できる!
【講演主旨】
半導体と強磁性体は情報化社会を支える材料としてそれぞれ大きな役割を果たしている。半導体は集積回路や光通信素子などの様々なデバイスに応用されている。これらの半導体デバイスにおいては機能が高速な電子の電荷によって支えられているため、動作が大変高速である。一方、強磁性体はハードディスクなどの情報記録媒体に広く利用されており、これらの磁性体デバイスには電子のスピンが持つ「不揮発性」という特徴が生かされている。磁性体デバイスは電力をまったく使わずにデータを保存できる「超低消費電力」という性質を有する。もし半導体と磁性体の特徴を融合することができれば、磁性体の不揮発性を持ち併せたようなエネルギー使用効率が極めて高い半導体デバイスが実現できると期待される。本講演では、スピンと半導体の機能を融合できる新物質として最も有望な強磁性半導体 (FMS)として、狭ギャップIII-V族化合物半導体に数%以上のFeを添加した強磁性半導体について講演する。
習得できる知識
・強磁性半導体の基礎的な知識
・強磁性半導体研究の歴史・特長
・強磁性半導体に関する技術と課題
セミナープログラム
【プログラム】
1 はじめに
1-1 強磁性半導体材料とは何か
1-2 強磁性半導体研究の歴史
1-3 強磁性半導体材料の製造技術 (低温MBE法による結晶成長)
2 強磁性半導体の特徴と機能性
2-1 電界効果、光照射による磁性の制御
2-2 単結晶磁気トンネル接合におけるトンネル磁気抵抗効果(TMR)
2-3 共鳴トンネルによるTMRの増大
2-4 強磁性半導体の特徴を生かした機能性デバイス
2-5 強磁性半導体の課題
3 Fe系強磁性半導体
3-1 InAs系:(In,Fe)As強磁性半導体
3-1-1 結晶成長
3-1-2 構造解析、半導体スピンバンド分裂の観測
3-1-3 電子誘起強磁性
3-1-4 波動関数制御による磁性制御技術
3-2 GaSb系:(Ga,Fe)Sb強磁性半導体
3-2-1 結晶成長
3-2-2 構造解析、半導体スピンバンド分裂の観測
3-2-3 室温強磁性の実現
3-3 InSb系:(In,Fe)Sb強磁性半導体
3-3-1 結晶成長
3-3-2 構造解析、半導体スピンバンド分裂の観測
3-3-3 室温強磁性の実現
4 強磁性半導体ヘテロ接合
4-1 p+InAs/(In,Fe)As 江崎ダイオード、バンドスピン分裂
4-2 (In,Fe)As/(Ga,Fe)Sbスピン江崎ダイオード、巨大な磁気抵抗効果
4-3 InAs/(Ga,Fe)Sb接合、近接磁気抵抗効果、一方向性磁気抵抗効果
5 強磁性半導体/トポロジカル絶縁体接合
5-1 (Ga,Fe)Sb/BiSb接合
5-2 スピンポンピングによる室温スピン注入
【キーワード】
スピン半導体、室温強磁性半導体、スピン江崎ダイオード、スピントランジスタ、巨大磁気抵抗効果
【講演の最大のPRポイント】
半導体と磁性体の特徴を融合できる強磁性半導体は、磁性体の不揮発性を持ち併せたようなエネルギー使用効率が極めて高い半導体デバイスが実現できると期待される。本講演では、強磁性半導体の第一人者である東京科学大学のファムナムハイ先生に、これまでとこれからの強磁性半導体について講演いただきます。
セミナー講師
東京科学大学 工学院電気電子系 /教授 ファム ナムハイ 氏
セミナー受講料
【1名の場合】45,100円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
※受講料の振り込みは、開催翌月の月末までで問題ありません。
受講料
45,100円(税込)/人
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