太陽電池の耐久性向上技術と高効率化
★ 屋外での発電特性と劣化機構の解析、長期安定性の評価技術を徹底解説!
★ 薄膜化、フレキシブル化の対応と界面安定化、電荷輸送効率の向上技術を詳解!
セミナープログラム
<10:00〜11:30>
1.ペロブスカイト太陽電池の高効率化・高耐久性化技術と今後の展望
(国研)産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター ペロブスカイト太陽電池研究チーム 主任研究員 古郷 敦史 氏
【講演概要】
次世代太陽電池として注目されているペロブスカイト太陽電池は、溶液塗布による簡便なプロセスで作製でき、27%の高いエネルギー変換効率を示すことから次世代太陽電池として注目を集めています。本講演では、ペロブスカイト太陽電池に関して、基礎的な知識と、材料開発の観点から近年の研究動向について解説し、実用化までの課題と、現時点でどのような技術が開発されているのか理解していただくことを目的とします。
【受講対象】
ペロブスカイト太陽電池について知識を習得されたい方であれば、どなたでも可能です。
【受講後、習得できること】
・ペロブスカイト太陽電池の仕組みと特徴
・ペロブスカイト太陽電池の高効率化における課題と最近の研究動向
・ペロブスカイト太陽電池の耐久性に関する課題と最近の研究動向など
1.ペロブスカイト太陽電池の特徴と課題
1.1 発電の仕組み
1.2 ペロブスカイト太陽電池の作製方法
1.3 ペロブスカイト太陽電池の長所と課題
2.ペロブスカイト太陽電池の高効率化技術
2.1 ペロブスカイト太陽電池の歴史
2.2 ペロブスカイト結晶の生成方法
2.3 界面における再結合と界面修飾技術
3.ペロブスカイト太陽電池の高耐久化技術
3.1 ペロブスカイト結晶の組成と耐久性
3.2 界面修飾による高耐久化
3.3 正孔輸送層の耐久性
4.ペロブスカイト太陽電池の将来展望
【質疑応答】
<12:10〜13:40>
2.高い耐久性を持つ超柔軟・伸縮性有機太陽電池の開発
大阪大学 大学院工学研究科 電気電子情報通信工学専攻 教授 博士(工学) 福田 憲二郎 氏
1.太陽電池の動向
2.有機太陽電池のメリットとデメリット
3.発電効率の向上
4.超薄型有機太陽電池の構造と製造工程
5.水蒸気プラズマによる接合技術
【質疑応答】
<13:50〜15:20>
3.ペロブスカイト太陽電池の高性能化・屋外発電特性・劣化機構
(国研)物質・材料研究機構 太陽光発電材料グループ 主幹研究員 Ph.D. 白井 康裕 氏
【講演概要】
本講座では、ペロブスカイト太陽電池について、特に逆型構造 (ガラス/電極/P型層/Perovskite/N型層/電極) に着目して解説します。また、出来上がったセルの評価方法について、ペロブスカイト太陽電池がイオン導電性も示す半導体である点に着目しつつ、測定の注意点などの基礎的な事から始めて、屋外発電特性と劣化機構の解析など、発展的な内容までご説明します。
最後に、実用化へ向けた課題や他の太陽電池では真似できない特徴、ペロブスカイト太陽電池の多接合化や鉛フリー化についてご紹介します。
【受講後、習得できること】
逆型構造ペロブスカイト太陽電池の作製プロセス詳細
実用化に向けたペロブスカイト太陽電池の課題
1.ペロブスカイト太陽電池の基礎
1.1 これまでの展開と現状、他の有機系太陽電池との比較
1.2 ペロブスカイト太陽電池の基本構造・動作原理
2.逆型構造ペロブスカイト太陽電池の作製プロセス
2.1 ペロブスカイト太陽電池の作製プロセス概要
2.2 各工程に用いる部材や装置・環境について
3.ペロブスカイト太陽電池の評価方法
3.1 光電変換特性の評価方法・注意点
3.2 長期安定性の評価について
3.3 屋外発電特性の評価と劣化機構の解析
4.ペロブスカイト太陽電池の性能向上施策
4.1 変換効率の向上施策
4.2 耐久性の向上施策
5.ペロブスカイト太陽電池に関する直近の話題や今後の課題について
5.1 多接合化による効率30%超素子への応用
5.2 鉛フリーペロブスカイト太陽電池
【質疑応答】
<15:30〜17:00>
4.フラーレン誘導体とカーボンナノチューブを
活用した高効率・高耐久ペロブスカイト太陽電池
名古屋大学 大学院工学研究科 教授 博士(理学) 松尾 豊 氏
【講演概要】
本講座では、フラーレン誘導体やカーボンナノチューブ(CNT)などの低次元ナノカーボン材料を活用し、ペロブスカイト太陽電池の高効率化と高耐久化を実現する研究を紹介します。フラーレン誘導体による電子輸送層・界面修飾による性能向上、さらに単層CNT薄膜を用いた透明電極の高導電化やフレキシブルデバイス化の取り組みを取り上げます。材料設計からデバイス応用までを一貫して扱い、持続可能なエネルギー技術の発展に向けたナノカーボン材料の新たな可能性を示します。
フラーレン誘導体およびカーボンナノチューブ(CNT)は、高い電子輸送性、優れた導電性、そして化学的安定性を兼ね備えた低次元ナノカーボン材料として、次世代太陽電池材料への応用が注目されています。本講演では、これらの特性を活かしたペロブスカイト太陽電池の高効率化および耐久性向上に関する研究を紹介します。
まず、フラーレン誘導体を電子輸送層や界面修飾材として応用し、ペロブスカイト層との界面安定化および電荷輸送効率の向上を実現した事例について述べます。特に、水溶性フラーレン誘導体の設計による低温プロセス適合性の改善や、湿潤環境下でも安定なデバイス作製手法について議論します。
次に、透明電極材料としての単層カーボンナノチューブ(SWCNT)薄膜の高導電化およびn型化技術を紹介し、ITOや金属電極を用いないフレキシブルペロブスカイト太陽電池の構築例を示します。これにより、軽量で曲げ可能な高性能デバイスの実現可能性を明らかにします。
最後に、これらの低次元ナノカーボン材料を活用したアプローチが、持続可能かつ高耐久な光電変換デバイスの開発にどのように貢献し得るかを展望します。
【受講対象】
本講座は、次世代太陽電池やエネルギー変換デバイスの研究・開発に関心を持つ大学院生、研究者、企業の技術者を対象としています。特に、ナノカーボン材料、ペロブスカイト太陽電池、界面制御、電子輸送材料などに興味を持つ方に適しています。基礎から応用まで幅広い視点で、材料化学とデバイス工学の融合的アプローチを学びたい方におすすめします。
【受講後、習得できること】
本講座の受講を通じて、フラーレン誘導体やカーボンナノチューブ(CNT)などのナノカーボン材料の基礎特性と、それらを活用したペロブスカイト太陽電池の設計・評価手法を理解できます。さらに、電子輸送層や透明電極などの機能材料開発に関する最新の知見を習得し、持続可能なエネルギーデバイス開発に向けた材料選定や構造設計の考え方を身につけることができます。
1.フラーレン誘導体およびカーボンナノチューブ(CNT)の電子輸送性・導電性・化学的安定性に基づく特徴紹介
2.フラーレン誘導体を電子輸送層や界面修飾材として用いたペロブスカイト太陽電池の高効率化・界面安定化事例
3.水溶性フラーレン誘導体の設計と、低温プロセスによるペロブスカイト層との適合性向上
4.単層カーボンナノチューブ(SWCNT)薄膜を用いた透明電極の高導電化およびn型化技術
5.ITOや金属電極を使用しないフレキシブルペロブスカイト太陽電池の構築
6.ナノカーボン材料を基盤とした持続可能・高耐久な光電変換デバイスへの展開
【質疑応答】
セミナー講師
1. (国研)産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター ペロブスカイト太陽電池研究チーム 主任研究員 古郷 敦史 氏
2. 大阪大学 大学院工学研究科 電気電子情報通信工学専攻 教授 博士(工学) 福田 憲二郎 氏
3. (国研)物質・材料研究機構 太陽光発電材料グループ 主幹研究員 Ph.D. 白井 康裕 氏
4.名古屋大学 大学院工学研究科 教授 博士(理学) 松尾 豊 氏
セミナー受講料
1名につき66,000円(消費税込み・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込み)〕
受講について
セミナーの接続確認・受講手順はこちらをご確認下さい。
受講料
66,000円(税込)/人





