
注射剤の異物検査の方法と基準設定及び異物低減方法~限度見本の設定,判定基準と検査員の指導および異物低減のポイント~【WEB受講(Zoomセミナー)】ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)
異物検査の正確な評価方法から限度見本の設定、判定基準、検査員訓練の要点、さらに異物発生を未然に防ぐ改善手法までを体系的に解説します。国内・外の実例を交え、QCと製造の両視点から「再発させない検査・低減・指導の仕組み」を事例を交えて習得できます!!
【WEB受講(Zoomセミナー)】ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)
セミナー趣旨
注射剤の製品回収が多くなる原因の一つは異物混入です。特に海外において製造された製品は回収のリスクが高くなります。日本においてもいまだにガラス異物等による製品回収が時々報告されています。これらの製品回収は防げます。モデルナ製品の異物問題は海外製造所、日本の販売会社、厚労省の対応が、海外からの注射剤についての問題の大きさと苦悩を表していました。最近の注射剤の異物は生物学的製剤の製造時&経年での蛋白由来の不溶性異物の問題です。これについても実際の具体的な対策を紹介します。
本セミナーでは、異物低減の対策事例を紹介します。また、異物低減を行うためには、異物検査の評価方法を確実にすることが必須であり、QCの検査方法と製造での全数目視選別の方法を紹介します。さらに、目視検査では観察機を使った方法についても紹介します。人による検査は官能検査であり、訓練と認定が重要になります。その方法についても説明します。また、異物の非破壊での形状測定と取り出して同定する方法についても紹介します。
一方、海外製造所においては、日本で問題とされる異物が問題視されません。また、「異物を削減してください」と伝えるだけでは改善されないばかりか、そもそも問題だとの認識もなく、かつ異物低減のノウハウも持っていません。そういう状況でどのように実際に異物低減を行って改善したかの多数の事例とノウハウを紹介します。注射剤の異物対策はどうすれば良いかが分かっています。先ずはそれを正しく理解することが必要です。
受講者の声
- 事例も多く参考になりました。様々な視点からの不溶性異物試験に関する情報を頂くことができたので,社内に持ち帰り情報共有させてもらえればと思いました。
- 実際のご経験をもとに、課題やその解決策をお話しいただき大変勉強になりました。海外製造所の技術指導について非常に参考になった。
- 本日講義いただきありがとうございます。脇坂先生の経験から異物検査の方法や、低減対策について講義ただき参考になりました。いくつか質問をさせていただきましたが、ご丁寧に回答いただき、理解が深まりました。
- バイオ医薬品(注射剤)の開発や試験方法について勉強中で、今回の内容はためになった。脇坂講師の講義は非常に分かりやすく感じましたので今後機会がありましたら再受講して頂きたい次第です。本日は有難う御座いました。
- アンプルやバイアルの異物検査についてのセミナーがあまりないので、また各会社に委ねられている部分もあるため現在の方法で本当に良いのか?と思うことがある。今回セミナーを受けて、過剰に行っている部分は改善していけたらと考えている。
受講対象・レベル
特に制限はありません。
必要な予備知識
必要ありません。
習得できる知識
1)注射剤の不溶性異物/不溶性微粒子試験方法
2)全数目視選別の方法
3)異物混入の主な原因
4)異物低減の改善事例
5)海外製造所の改善事例紹介 など
セミナープログラム
1.注射剤の異物対策の難しさ
1) 欧米の異物検査と日本薬局方の異物検査の違い
・目に見える粒子:規制とコンペンディアルの要件
・可視異物とは?(PDA)
・ナップテストと手動検査
2) たやすく/明らかに検出できる異物の大きさとは(17局の改訂)
3) 官能検査の観点から検査員のバラツキと評価
4) なぜ、海外の製造所では注射剤の異物が問題にならないか
5) 異物による製品(海外製造所/国内販売品)回収
6) 異物検出の確率と母不良率との関係
7) 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係
8) 不溶性異物/微粒子への健康への影響
9)海外製造所の注射剤の保存サンプル(不溶性異物)を取る場合の注意点
10)コロナワクチン モデルナ製品の異物問題
11)不溶性異物での回収に伴う訴訟
12)バックからの異物(FDAの重要な要求事項
13)東和薬品の15製品の不溶性異物についての考察
2.注射剤の異物検査
1) 不溶性異物
・非破壊による異物のサイズ/形状測定
・限度見本の設定
・標準見本/限度内見本/限度外見本の違い
・標準粒子と実際の異物を用いる場合の違い
・官能検査の手法による標準見本の設定
・QC試験方法
・目視による方法(観察方法と観察時間)
・目視で見える異物の大きさ(時間と明るさ)
・観察機を用いる方法
・判定基準(n数と欠点数Cの設定)
・凍結乾燥製品(ゴム栓)の溶解
・凍結乾燥製品(アンプル)の溶解(ホールバーニング)
・検査者の評価/訓練/認定
・αとβの誤りの両面から
・製造の目視による全数選別
・凍結乾燥製剤
・溶液
・バック製剤の不溶性異物検査(製造とQC)
・最新の全数検査機の特徴
・SOPに違反した不溶性異物試験の実施
2) 不溶性微粒子
・ろ過試験方法
・光遮蔽(HIAC)測定方法
・観察機を用いる方法
3) 異物の同定方法
・異物の取り出す時の注意事項
・顕微鏡FTIRの特徴と測定結果の解釈
・電子顕微鏡X線マイクロアナライザーの特徴と測定方法/解釈
・ラマン分光
4)目視可能な粒子に対する注射剤の検査 産業界向けガイダンス(FDA)
3.改善/指導事例
1) 繊維低減(輸液剤など)
2) アンプル成形時の異物対策
3) グラスファイバー混入改善
4) フレークス発生原因とその改善
5) 処方成分によるフレークスの発生(リン酸塩)
6) 不溶性微粒子の改善Ⅰ(シリコン塗布ゴム栓、シリンジ)
7) 不溶性微粒子の改善Ⅱ(輸液の経年での増加)
8) 導入品の異物低減(プラスチックアンプル)
9) 不溶性異物の経年での増加(原薬の出発物質の変更)
10) 資材からの影響(ポリ袋)
11) 高額な製品の異物対策(ガラス溶着している異物の除去)
12) 開発段階の取組みⅠ(海外製造品 イタリア編)
13) 開発段階の取組みⅡ(海外製造品 米国編)
14) 開発段階の取組みⅢ(海外製造品 ベルギー編)
15) 間違った改善事例の取組み(委託先との協同)
16)粉末充填品(海外製造)の不溶性異物試験不適合時の対策方法
17)ガラス異物対策
18)生物学的製剤のたんぱく由来異物の対応
4.海外製造所の異物低減の指導方法
1) 開発段階品の評価(製造品と安定性試験品)
2) 海外製造所への訪問
3) 現状の理解
4) 協力の取付け
5.注射剤の異物の変更管理時の注意事項
1) 原薬の製造方法変更
2) 直接容器の変更
3) 製造方法の変更
6.注射剤の異物苦情を受けた時の対応
1) どの段階で異物を認めたか
2) コアリング
3) 異物の同定
4) 広がりの調査
5) 製品回収の有無の判断
7.まとめ
1) 異物のモニターとして異物検査
2) 注射剤の異物に対する正しい知識の重要性
3) 正しく評価すれば、必ず異物は低減可能(QCによる客観的なデータ提供)
4)注射剤を海外から導入する場合の注意事項(不溶性異物)
8.人が創る品質
質疑・応答
セミナー講師
株式会社ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 先生
エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務を経て現在に至る。
他2社の顧問を兼務。
1979年4月 エーザイ (株)入社
検査部、人材企画室、生産物流本部、信頼性保証本部 品質保証部 統轄部長 品質保証責任者 (品責) を歴任
エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務
2013年9月 退職
他2社の顧問を兼務、現在に至る
セミナー受講料
(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
テキスト:PDF資料(受講料に含む)
受講料
49,500円(税込)/人