
セミナー趣旨
グローバルな課題であるサーキュラーエコノミーを実現するうえで、金属と並んでプラスチックのリサイクルは喫緊の課題であり、わが国では2035年までに単純焼却、埋立ゼロの実現が目標とされている。現在廃棄されているプラスチックは800万トン弱であり、このうちポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンを代表とするポリオレフィンが7割ほどを占めており、これらのリサイクル技術の確立が大きな課題である。
本講演では、とくにケミカリリサイクル技術に焦点を当て、ケミカルリサイクルの国内外の動向を述べ、また我々が実験研究で得た最新の成果を紹介して、廃プラスチックリサイクルを実現するための技術的・社会的課題について詳説する。
セミナープログラム
1. はじめに
(1) プラスチックリサイクルの必要性と達成目標
(2) プラスチックリサイクルの全体像
① マテリアルリサイクル
② ケミカルリサイクル
③ エネルギーリカバリー
④ プラリサイクルのストックとフローに関する整理と提案
2. 国内外のケミカルリサイクルの動向
(1) 廃プラスチックの分類と組成
(2) 種類ごとのリサイクル技術の概要
(3) 国外の開発動向
(4) 国内の開発動向
3. ケミカルリサイクル技術開発
(1) 分解技術の開発導入状況
(2) 触媒を用いた分解プロセス
(3) プラ(ポリオレフィン)分解プロセスの課題と展望
① プラ分解物の粘性の影響
② 異種プラスチックの混入の影響
③ 分解プロセス実現に必要な開発課題の整理
4. 今後の課題
(1) サプライチェーンの可視化の重要性
(2) 今後のリサイクル技術開発における課題
(3) 社会実装に向けた課題
(4) まとめ
5. 関連質疑応答
6. 名刺交換・交流会
セミナー講師
公益社団法人 石油学会元副会長
公益社団法人 新化学技術推進協会グリーン・サステイナブルケミストリーネットワーク(GSCN)委員長
早稲田大学 化学にかかわるカーボンニュートラルを目指したコンソーシアム(C3N)会長 早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 応用化学専攻 教授
松方 正彦 氏
1984年3月 早稲田大学理工学部応用化学科 卒業
1984年4月 早稲田大学大学院理工学研究科修士課程
応用化学専攻 入学
1986年3月 同課程修了
1986年4月 早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程
応用化学専攻 入学
1989年3月 同課程修了、工学博士
1989年4月 成蹊大学工学部工業化学科助手
1992年1月 大阪大学助手(基礎工学部化学工学科)
1996年4月 大阪大学助教授(基礎工学研究科化学系専攻:改組による)
1997年4月 早稲田大学理工学部応用化学科助教授
2001年4月 同 教授(先進理工学部/先進理工学研究科)
現在に至る
セミナー受講料
1名:37,320円(税込) 2名以降:32,320円(社内・関連会社で同時お申し込みの場合)
※地方公共団体ご所属の方は、2名まで11,000円(税込)
但し、会場受講またはライブ配信受講限定。2名様の受講形態は同一でお願いいたします。
※システムの仕様上、お申込み画面では通常料金が表示されます。割引適用後の受講料は、ご請求書にてご確認ください。
受講について
【会場またはライブ配信受講】
ライブ配信受講の方は、お申し込み時にご登録いただいたメールアドレスへ、Zoomでの視聴用URLとID・パスワードを開催前日までにお送りいたします。
【アーカイブ配信受講】
<1>セミナー終了3営業日後から2週間何度でも、アーカイブをご視聴いただけます。
<2>収録動画配信のご用意ができ次第、視聴URLと配付可能な講演資料をお送りいたします。
<3>質疑応答は原則として収録録画からカットされますが、ご視聴後のご質問など、講師とのお取次ぎを
させていただきます。
受講料
37,320円(税込)/人
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