添加剤を活用するタンパク質の凝集制御と酵素の活性化(製薬・化学・食品)

<タンパク質の安定化や酵素活性化に関する最新の知見>

現場で直面する課題解決に役立つだけでなく、
タンパク質や酵素が水溶液中で示す振る舞いを応用可能な形で理解することが目的

>> タンパク質製剤では、身近な添加剤を上手に活用することで、抗体や酵素を安定化できれば大きな価値がある。
  凝集や失活を防ぐために、アルギニンをどのように用いるのがよいのか、イオンの影響をどう考えるべきか、
  あるいは他に有効な添加剤はないのか、、、、、

>> 酵素を扱う場合には、加水分解酵素や酸化還元酵素など、産業的に重要な酵素の活性をできるだけ簡便に
  高めたいニーズがある。水溶液中に高分子電解質やアミン化合物、イオンを添加することで、酵素活性を
  一桁程度向上させることが可能

<具体例を示して解説します>
・アミノ酸の基本的な性質
・タンパク質凝集の仕組み
・アルギニンなどの低分子による凝集制御の可能性
・凝集抑制剤や凝集促進剤の効果
・酵素活性をどの程度容易に増強できるのか


日時

【Live配信受講】 2025年11月21日(金)  13:00~16:30
【アーカイブ受講】2025年12月4日(木)  まで受付(配信期間:12/4~12/17)

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【項目】※クリックするとその項目に飛ぶことができます

    セミナー趣旨

    タンパク質の水溶液中での性能を十分に引き出すためには、タンパク質を安定化したり、酵素の活性を高めたりする工夫が求められます。
    たとえばタンパク質製剤では、身近な添加剤を上手に活用することで、抗体や酵素を安定化できれば大きな価値があります。その際には、凝集や失活を防ぐために、アルギニンをどのように用いるのがよいのか、イオンの影響をどう考えるべきか、あるいは他に有効な添加剤はないのか、といった具体的な知識が求められます。
    また酵素を扱う場合には、加水分解酵素や酸化還元酵素など、産業的に重要な酵素の活性をできるだけ簡便に高めたいというニーズがあります。実際に、水溶液中に高分子電解質やアミン化合物、イオンを添加することで、酵素活性を一桁程度向上させることが可能です。さらに近年では、液-液相分離の概念が注目され、酵素本来の活性を引き出す新しい視点も提示されています。
    本講習では、まずアミノ酸の基本的な性質から解説を始め、タンパク質凝集の仕組みと、アルギニンなどの低分子による凝集制御の可能性、さらに凝集抑制剤や凝集促進剤の効果について紹介します。あわせて、酵素活性をどの程度容易に増強できるのかについても具体例を示します。

    ■講習会のねらい■
    本講習では、タンパク質の安定化や酵素活性化に関する最新の知見を整理し、低分子・高分子添加剤を活用する方法を体系的に紹介します。また、論文で報告されている基礎的研究を、産業応用にどのように結びつけられるかというモデルケースも提示します。最終的には、現場で直面する課題解決に役立つだけでなく、タンパク質や酵素が水溶液中で示す振る舞いを、応用可能な形で理解することを目的としています。

    セミナープログラム

    ◆アミノ酸の性質
     ・アミノ酸の化学構造
     ・アミノ酸の溶解度
     ・アミノ酸の疎水性
     ・アミノ酸のハイドロパシー
     ・溶解度と疎水性の違い
     ・現存するアミノ酸の特徴

    ◆卵白の凝集と添加剤
     ・卵白の加熱凝集
     ・アルギニンの添加剤効果
     ・糖質の添加剤効果
     ・イオンの添加剤効果

    ◆添加剤アルギニンの応用
     ・有効な濃度範囲とメカニズム
     ・アルギニンとリシンの比較
     ・リフォールディング収率の改善
     ・凝集速度の低下
     ・アミノ酸は分子間相互作用をふせぐ?
     ・芳香族化合物の溶解度の増加
     ・沈殿した芳香族化合物の再溶解
     ・高濃度抗体の粘度低下
     ・ポリスチレンへのタンパク質の吸着抑制
     ・タンパク質の結晶化効率の改善
     ・抗体溶液のオパレッセンスの抑制
     ・熱によるアミノ酸の劣化の抑制
     ・変性初期の静電相互作用を抑制?
     ・対イオンの効果
     ・アルギニン以外に化学構造の探索へ
     ・アラントイン
     ・ヒダントインと芳香族アミノ酸の相互作用
     ・被弾とインのIgG凝集の抑制
     ・抗体溶液のオパレッセンスの抑制

    ◆凝集抑制剤の化学構造
     ・アルギニンを改良する
     ・アルギニンエチルエステル
     ・グリシンエチルエステル
     ・ハイドロトロープ
     ・凝集抑制剤の構造と考え方

    ◆凝集抑制剤のメカニズム
     ・イオン
     ・ホフマイスター系列
     ・アルギニン
     ・アルギニンとリシン
     ・アンモニウムイオン
     ・ポリアミン
     ・尿素と塩酸グアニジン
     ・エタノール
     ・アルコール変性
     ・界面活性剤
     ・ポリエチレングリコール
     ・糖質

    ◆タンパク質の沈澱剤
     ・糖質とイオン
     ・ポリマー
     ・アルコール

    ◆緩衝液の効果
     ・IgGを安定化する緩衝液の種類と濃度
     ・緩衝液のpHの温度依存性
     ・リン酸による蛋白質の熱変性耐性
     ・リン酸とTrisによるデアミデーションの比較
     ・リン酸緩衝液の特徴

    ◆粘度の制御
     ・粘度の単位
     ・粘度の計測のイメージ
     ・抗体の粘度の制御法
     ・アルブミンの粘度の制御法

    ◆水溶液中でのタンパク質の安定化
     ・加熱凝集
     ・加熱失活
     ・デアミデーション
     ・アンモニウムイオン
     ・共凝集
     ・リフォールディング

    ◆蛋白質立体構造の熱力学的分析
     ・アンフィンセンのドグマ
     ・水中と真空中でのフォールディング
     ・タンパク質立体構造の二状態転移
     ・ギブス自由エネルギー
     ・エンタルピー
     ・低圧モル比熱
     ・熱力学パラメータによる耐熱性の推測

    ◆バイオ医薬品への応用例
     ・タンパク質高分子電解質複合体
     ・リエントラント凝縮
     ・オパレッセンス
     ・ガラス様透明濃縮物
     ・水性二相溶液

    ◆産業的応用の例:卵白
     ・卵白の成分
     ・アルギニンによる凝集抑制
     ・ホフマイスター系列の応用
     ・オボアルブミンとリゾチームの共凝集
     ・オボトランスフェリンとリゾチームの共凝集
     ・共凝集での凝集抑制
     ・卵白タンパク質の相分離と凝集の再現例

    ◆酵素の基本的な性質
     ・ミカエリスメンテンの式
     ・平均的な酵素のkcatおよびKMの値
     ・代謝酵素とkcatおよびKMの値
     ・加水分解酵素と産業
     ・サブチリシン
     ・ケンプエリミナーゼ

    ◆酵素の活性化技術
     ・酵素の実験系を考える
     ・コスモトロープによる活性化
     ・コスモトロープによるキモトリプシンの活性化
     ・コスモトロープによるHRVプロテアーゼの活性化
     ・低分子アミンによる活性化
     ・高分子電解質による活性化
     ・多量体の安定化による活性維持

    ◆酵素活性の熱力学補償
     ・サバティエの法則
     ・セルラーゼの活性
     ・ホスファターゼの活性
     ・チロシルtRNA合成酵素の活性

    ◆酵素の液-液相分離と活性化
     ・LLPSと酵素活性化の概念
     ・翻訳後修飾
     ・分子の選択制と創薬への応用
     ・乳酸酸化酵素の活性化
     ・リパーゼの構造
     ・リパーゼのLLPSによる活性化
     ・なぜLLPSで酵素は活性化するのか?

           □質疑応答□

    セミナー講師

    筑波大学 数理物質系 教授 博士(理学) 白木 賢太郎 先生

    <ご略歴>
    1994年 大阪大学理学部生物学科 卒業
    1999年 大阪大学大学院x理学研究科生物科学専攻博士後期課程 修了。博士(理学)
    1999年 科学技術振興事業団博士研究員
    2001年 北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科助手
    2004年 筑波大学物理工学系助教授
    2007年 筑波大学数理物質系准教授
    2016年 筑波大学数理物質系教授(現在にいたる)

    <ご専門/主なご業務>
    タンパク質溶液学(安定化・凝集・共凝集・液-液相分離・凝集抑制・粘性制御)

    著書:『相分離生物学』(東京化学同人)2019年8月

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