
失敗しない「バナメイエビ」陸上養殖事業ノウハウ
~技術・設備・収支計画まで、事業化に必要な実務ポイントを徹底解説~
開催日時 2025年08月06日(水) 13:30 - 17:00
セミナー趣旨
世界のエビ市場は旺盛で、かつて主に東南アジア・南アジアで生産されたエビは日本、韓国、香港などへ、アジア域内での垂直的な流通が中心であった。しかし、日本が90年代後半以降、長期不況を経験する一方で、好景気と水産物消費が浸透した米国の冷凍エビ輸入量は、88年の19万トンから97年には日本を抜き、現在では70万トンに達している。完全にイニシアチブは米国、中国の大量消費地に負けている。
国内食品産業における重要なエビ類の国内自給率が、消費量の1割に満たない現状を改善するため、近年バナメイエビ養殖の国内起業が相次いでいるが、その大部分は小規模実験プラントであり、100トン規模生産プラントは全国で3か所程度である。その為、バナメイエビ養殖の基礎的学習もなされず、失敗している事例を数多く見受ける。
日本におけるバナメイエビ養殖業は、そのほとんどが外来種としての規制があるため、閉鎖型循環方式を採用している。これは東南アジアで行われている外池方式とは異なり、育成方法も異なる。この方式では屋内で水を循環・ろ過して再利用し、育成環境を人為的にコントロールすることで、疾病発生のリスクを大幅に軽減することができる。デメリットとしては、陸上養殖施設におけるイニシャル・ランニングコストが高額であり、その事業に合う高密度、高成長な育成システム、運用システムが必要となる。
このセミナーでは、長年研究開発してきたエビ閉鎖循環式養殖の、現場での25年間のノウハウを詳説する。
セミナープログラム
1. 屋内型エビ生産システム開発の背景及び狙い
(1) なぜエビ陸上養殖が注目されるのか
(2) 水産養殖はどうして必要なのか
(3) 世界の大規模エビ養殖産業の現状
2. エビ類の特徴
(1) エビの生活史
(2) エビの生殖機構:なぜ目玉を切るのか
(3) エビは病気になりやすい
(4) 世界のエビ生産量
3. 海産エビ・バナメイエビの特徴
(1) エビ養殖がなぜ批判されるのか
(2) なぜエビ養殖を選択したのか
4. バナメイエビ生産技術の新開発
(1) 研究開発体制(産官コンソーシアム)
(2) バナメイエビの生物学的解明
① 淡水化育成の為の浸透圧調整、脱皮機構の解明
② 異なった塩分濃度と硬度の比較
③ 甲殻類の抑制的な成熟制御
④ ホルモンによる成熟制御方式の確立
(3) 高密度養殖プラントの開発
① ISPS開発のスタート
② 水質管理:具体的な対処方法と課題
③ 第1号実証プラント(新潟)
④ 最適な光環境
(4) ストレス評価・低減技術の開発
(5) バナメイ専用餌の開発
5. 実際の養殖管理事例
(1) 育成水の水質基準
(2) 育成水の水質基準が成長・生存に与える影響
(3) 固定ろ床の問題点
(4) 窒素負荷量の計算法
(5) ろ材の硝化能力計算法
(6) 淡水育成におけるミネラルバランスの重要性
(7) 実際の育成で遭遇した問題点
6. 栄養と給餌:ISPSで開発した独自の餌の組成
(1) 各栄養素の働き
(2) たんぱく質に関して誤解されやすいポイント
(3) 給餌計画の要点
(4) 美味しさの秘密
7. 記録している各種データ
8. 健康管理と病気
(1) 健康管理の重要性
(2) 健康チェックの方法
(3) エビ類の感染症はなぜ世界中に広がるのか
(4) ホワイトスポット病
(5) EMS・AHPND/EHP
(6) エビ養殖において感染症を防ぐには
(7) どのようにして感染症を防ぐのか
9. 海外での大規模陸上エビ養殖場
10. 今後の陸上養殖
(1) ブランド化/差別化/物語性
(2) ビジネス検討
(3) 実例(静岡・磐田市)
(4) 事業収支例
(5) 今後の課題
セミナー講師
陸上養殖勉強会 理事
IMTエンジニアリング株式会社
技術研究所 所長
野原 節雄 氏
2017年3月 京都大学 薬科学科 卒業
2019年3月 京都大学大学院 薬学研究科 卒業
2019年4月 ユーロフィン分析科学研究所株式会社 入社
セミナー受講料
1名:37,740円(税込) 2名以降:32,740円(社内・関連会社で同時お申し込みの場合)
受講について
<1>配信のご用意ができ次第、視聴URLと配付可能な講演資料をお送りします。
<2>視聴期間は2週間です。視聴期間延長は一切いたしかねますので、予めご了承ください。
<3>配信動画視聴は、申込者ご本人に限らせていただきます。
受講料
37,740円(税込)/人