
セミナー趣旨
炭素循環社会の構築に向けて、排ガスや大気などの混合ガス中のCO2の回収・資源化技術の開発は喫緊の課題です。化学工業においては、混合ガス中のCO2を吸収材により分離した後、吸着材の再生により回収したCO2を化学反応により有用物質へ変換するプロセスが一般的です。
しかしながら、吸着材の再生工程に多大なエネルギーの投入が必要である、反応装置が複数必要であるなどの大きな課題が残されています。これらの課題を解決するアプローチとして、近年、化学吸着により分離したCO2を直接資源化する新しい触媒プロセス(CO2回収・直接資源化)が注目を集めています。吸着材を再生しながら同時に資源化できる、反応プロセスを簡略化できるなど、多くの利点が期待されています。
本セミナーでは、CO2回収・直接資源化とこれを実現するための機能複合触媒材料の設計開発および反応システムを含めた低濃度CO2回収・資源化技術の最新動向と今後の展望について解説します。
受講対象・レベル
研究開発部門・技術部門・新規事業部門・経営企画部門などの方
本セミナーに興味関心がある方
セミナープログラム
1.低濃度CO2回収・分離・資源化技術
1.1 化学吸収法によるCO2回収・分離
1.2 物理吸着法によるCO2回収・分離
1.3 CO2回収・直接水素化による資源化
1.4 低濃度CO2回収・分離・資源化技術の最新動向
2.CO2回収・直接水素化を実現する触媒設計
2.1 グリーンケミストリーにおける触媒の役割
2.2 均一系および不均一系触媒
2.3 触媒サイクル
2.4 CO2吸着能と水素化能を併せもつ複合機能触媒材料
3.CO2回収・直接水素化によるCH4合成
3.1 Ru系触媒によるCO2回収・水素化によるCH4合成
3.2 Ni系触媒によるCO2回収・水素化によるCH4合成
3.3 CO2回収・水素化によるCH4合成の最新研究
4.CO2回収・直接水素化によるCO合成
4.1 Fe系触媒によるCO2回収・水素化によるCO合成
4.2 Pt系触媒によるCO2回収・水素化によるCO合成
4.3 CO2回収・水素化によるCO合成の最新研究
5.他のCO2回収・水素化の研究例
6.まとめと今後の展望
※申込状況により、開催中止となる場合がございます。
※講師・主催者とご同業の方のご参加はお断りする場合がございます。
※録音、録画・撮影・お申込者以外のご視聴はご遠慮ください。
セミナー講師
工学院大学 先進工学部 環境化学科准教授 博士(工学)
前野禅 氏
2013年大阪大学 大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 化学工学領域助教2018 年北海道大学触媒科学研究所特任講師。
現在は工学院大学で准教授として専門分野である触媒化学の研究に勤める。
またJSTさきがけにて兼任研究者も勤めている。
2023年 石油学会奨励賞を受賞。
セミナー受講料
1名につき
会員 38,500円(本体 35,000円) 一般 41,800円(本体 38,000円)
※会員価格適用については、企業研究会会員が対象となります。
(所属先の会員登録有無がわからない場合、お申込みの際に備考欄へ「会員登録確認希望」とご記入ください。)
※最少催行人数に満たない場合には、開催を中止させて頂く場合がございます。
※お申込後のキャンセルは原則としてお受けしかねます。お申込者がご出席いただけない際は、代理の方のご出席をお願い申し上げます。
受講について
視聴用アカウント・セミナー資料は、原則として開催1営業日前までにメールでお送りいたします。
※最新事例を用いて作成する等の理由により、資料送付が直前になる場合がございます。
受講料
41,800円(税込)/人
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