匂いセンシング技術の基礎と匂いバイオセンサの研究開発

セミナー趣旨

  匂いセンシング技術は、生物にとって重要な感覚のひとつである、嗅覚を工学的に再現し利用するものです。匂いによる品質検査や環境計測、病気診断など、匂いセンシング技術の発展とともにその応用先は拡大しています。さらに近年、嗅覚受容体タンパク質をはじめとする、生物が持つ機能を利用した匂いバイオセンサの研究開発も進められてきており、優れた性能を有するセンサが実現されつつあります。
  本セミナーでは、一般的な人工匂いセンサおよび匂いバイオセンサの原理や種類など匂いセンシング技術の基礎を解説し、国内外の研究開発の現状についての概要を説明します。また研究の実例として、生物(昆虫)を利用した匂いセンシング技術や、嗅覚受容体タンパク質を発現させた培養細胞を利用したセンサによる匂いバイオセンサおよび計測システムについて説明します。この細胞センサを用いてセンサアレイを構成し匂いを識別する手法、さらに能動センシング技術を利用して匂い成分濃度定量する手法についても紹介します。

受講対象・レベル

・匂いセンサ・匂いバイオセンサに興味のある技術者
・匂いバイオセンサや生物の嗅覚についての基本的な知見を得たいと考えている方
・生物、特に昆虫を利用したセンシング技術に興味のある方

必要な予備知識

この分野に興味のある方なら、予備知識は特に必要ありません。

習得できる知識

・生物の匂い認識に関する基礎的な知識
・匂いセンサ・匂いバイオセンサの基礎的な知識
・匂いセンサ・匂いバイオセンサの研究開発動向
・匂いバイオセンサ研究の実例
など

セミナープログラム

１．匂いと嗅覚について
　1.1. 匂いとは
　1.2. 生物における匂い認識
　1.3. 嗅覚受容体タンパク質
２．匂いセンシング技術
　2.1. 一般的な人工匂いセンサの原理と種類
　2.2. 人工匂いセンサの応用例
　2.3. 匂いバイオセンサの原理と種類
　2.4. 匂いバイオセンサの利点と欠点
　2.5. 匂いセンシング研究の国内外の最新動向
３．匂いバイオセンサシステム研究の実例
　3.1. 生物利用センサ
　3.2. 嗅覚受容体発現細胞センサ
　3.3. 細胞センサを用いたセンサアレイの構築
　3.4. 細胞センサアレイによる匂い識別
　3.5. 能動センシング技術を利用した匂い濃度定量手法
４．匂いセンシング技術の課題と今後の展望
＜質疑応答＞

＊途中、小休憩を挟みます。

セミナー講師

 東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教　  祐川 侑司 氏

■ご略歴
2019年9月　東京工業大学 工学院 情報通信系 博士課程修了 博士（工学）
2017年4月ー2020年3月　日本学術振興会 特別研究員
2019年10月ー2020年3月　東京工業大学 特別研究員
2020年4月ー2022年7月　東京大学 先端科学技術研究センター 特任研究員
2022年8月ー現在　東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教
■ご専門および得意な分野・ご研究
匂いセンサ、匂いバイオセンサ、生物機能利用センサ、計測工学

セミナー受講料

1名40,700円(税込（消費税10％）、資料付)
＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき29,700円
＊学校法人割引：学生、教員のご参加は受講料50％割引。

受講について

• 配布資料は、印刷物を郵送で1部送付致します。お申込の際はお受け取り可能な住所をご記入ください。
  お申込みは4営業日前までを推奨します。
  それ以降でもお申込みはお受けしておりますが（開催1営業日前の12:00まで）、
  テキスト到着がセミナー後になる可能性がございます。
• 資料未達の場合などを除き、資料の再配布はご対応できかねますのでご了承ください。
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