次世代の発光材料の開発に向けた量子ドットの最新技術動向と毒性回避・耐久性向上に向けた取り組みおよびディスプレイ等への応用展開と新市場への期待【LIVE配信・WEBセミナー】

■注目ポイント
★量子ドット(QD)応用の最新動向(世界各地で開催されているイベントでの生情報)をはじめ、量子ドットの基礎的物性、合成法、耐久性の問題と解決法、量子ドットと高分子ブレンド膜を発光層とした全塗布型発光素子の開発やペロブスカイト量子ドット(PQDs)を用いた蛍光ON/OFFスイッチング技術について解説・紹介!

 

【項目】※クリックするとその項目に飛ぶことができます

    セミナープログラム

    【第1講】 量子ドットの応用市場展望-拡大するディスプレイ分野と期待される新市場-
    【時間】 10:30-11:45
    【講師】テック・アンド・ビズ(株) 代表取締役 北原 洋明 氏

    【講演主旨】
    量子ドット(QD)は、既にディスプレー応用で市場を形成しており、2023年ノーベル化学賞の受賞を機に更なる拡大が期待されている。LCDでは応用手法でメーカ間の駆け引きが活発化し、今後の主導権争いが注目される。OLEDやMicro LEDの色変換層では、革新的な性能向上を目指し、新規参入企業も多く現れ開発競争が繰り広げられている。ディスプレー以外の応用でも様々な提案が出始めており、今後の新市場の形成を見通す。

    【プログラム】
    1.イントロダクション
     1.1 2023年のノーベル化学賞と2025年トレンド「RGB三原色化」がQD応用を加速
     1.2 ディスプレー応用の事業化とビジネスの駆け引き:プレーヤーとサプライチェーン

    2.競い合いと技術革新で拡大するディスプレー応用製品/市場
     2.1 市場を拡大する「LCD+QDシート」・・・フルQDと疑似(なんちゃって)QDの駆け引き
     2.2 新たな市場価値を狙う「OLED+QD色変換層」とタンデム化OLEDのバトル
     2.3 期待の「Micro LED+QD色変換層」はいつ実用化されるか
     2.4 OLED置き換えを狙う「QDーLED(QLED)」の課題

    3.新分野への応用
     3.1 センサー
     3.2 太陽電池
     3.3 医療
     3.4 農業
     3.5 レーザー光源
     3.6 その他

    4.まとめ

    【質疑応答】

    【キーワード】
    量子ドット、QDシート、ミニLEDバックライト、RGB三原色化、広色域、センサー、太陽電池、医療、農業、レーザー光源

    【講演のポイント】
    量子ドット(QD)応用の最新動向を、世界各地で開催されているイベント(展示会や国際会議など)での生情報などから紹介する。ディスプレー応用に関わる各プレーヤーの技術と動向を分析し、今後の方向性を読み解く。更に、新分野に向けた開発状況についても解説する。

    【習得できる知識】
    量子ドット(QD)の応用と市場の動向、ビジネスに対する取り組み方



    【第2講】 量子ドットと高分子ブレンド膜を発光層とした全塗布型発光素子の作製と積層による高性能化
    【時間】 12:45-14:00
    【講師】国立大学法人 信州大学 工学部 電子情報システム工学科 伊東 栄次 氏

    【講演主旨】
    発光の色純度が高い半導体量子ドットと高分子ブレンド膜を発光層とした多層型発光ダイオードの開発を目指した。ITO付きガラス基板上に ITO/ n型半導体(ZnOナノ粒子)/電子注入材料/バッファー層/QD: polymer 混合膜(発光層)/ 正孔輸送層1(PVCz) / 正孔輸送層2(TFB) / 正孔注入層/ 電極金属(anode) の順に電極を除き全て塗布プロセスにより作製した逆構造型の有機-無機ハイブリッド発光素子の作製と評価を行った。
    塗布プロセスは低コストな製造技術として期待できるが、有機半導体ポリマー、各種ナノ材料、そしてとりわけ量子ドットは1g当たりのコストが高く、実用化には材料の開発や供給ルートに加えて、貴重な材料を効率良く薄く製膜する技術も有用である。改良したメニスカス法により1回の塗布あたりの発光層の材料使用量をスピンコート法の1/10以下に低減し、低コスト化・短時間製膜・膜の均一性の向上を行った。製膜を2-3回繰り返して膜厚制御し、発光層に混ぜる高分子を半導体性ポリマーから絶縁体のPMMAに変えて検討を行い、電子と正孔のキャリアバランスや発光色の改善を行った。電子注入層とバッファー層を組み合わせることで導通防止に加えて、橙色発光素子で2.0 V, 青色発光素子で3 V以下で動作した。

    【プログラム】

    ・電気電子工学分野における有機薄膜(特に半導体)デバイスの発展

    ・有機系発光ダイオードと量子ドットを用いた発光ダイオードの特徴

    ・塗布法(特に改良メニスカス法)の特徴

    ・有機EL(ポリマー系)への活用例

    ・薄膜太陽電池やナノカーボンへの活用例

    ・量子ドット発光ダイオードへの活用例

     ポリマーのブレンドの影響
     バッファー層挿入効果

    ・今後の課題と希望

    【質疑応答】

    【キーワード】
    量子ドット、塗布型素子、ハイブリッド、ナノ材料、発光ダイオード

    【講演のポイント】
    講演者は量子ドットや半導体ナノ粒子、カーボンナノチューブなどの各種ナノ材料と有機半導体および誘電体薄膜を融合した光電変換素子やセンサの研究を行っている。これらナノ材料を用いたデバイスを実用化するには、デバイス性能の向上と合わせて、ナノ材料の価値を無駄なく使う機能とコスト面での工夫と用途展開が重要です。安価な導入コストで参入可能な技術や応用を考えることで材料や装置関連の企業や研究機関の皆様との新たな交流のきっかけとなれば幸いです。

    【習得できる知識】
    有機系デバイスやナノ材料の現状と課題。光エレクトロニクス分野における有機材料や量子ドットを用いた大面積デバイスの期待と可能性など。



    【第3講】 量子ドットの毒性回避・耐久性向上技術とディスプレイ等への応用
    【時間】 14:10-15:25
    【講師】(株)量子材料技術/(国 研) 産業技術総合研究所 (兼業) 取締役 CTO/関西センター 村瀬 至生 氏

    【講演主旨】
    量子ドットは、一昨年にノーベル化学賞に選ばれた分野である。蛍光体としてのこの10年の進展は著しく、発光効率などの特性が飛躍的に向上して価格が劇的に低下し、実用化が本格的に始まった。
    本講座では、量子ドットの基礎的物性や合成法をノーベル賞の受賞理由も交えて概説するとともに、実用化を考えた際に必ず直面する耐久性の問題と解決法を解説する。量子ドットは、表面の割合(体積に対する表面の比率)が大きく、表面の僅かな欠陥で発光特性が変化する。この表面の状態をより深く理解し、耐久性を上げるために蓄積してきたガラスコートの手法を、他の最新の研究とも比較しながら、講演者独自の見解を加えて解説する。さらに、事業化の内容とその進展についても述べる。

    【プログラム】
    1.量子ドット研究分野の概観
     1-1 研究の歴史とノーベル賞
     1-2 各種蛍光体の物性と実現できる輝度

    2.基本的な物性と粒成長メカニズム
     2-1 物理的、化学的性質(量子サイズ効果など)
     2-2 エネルギー準位の計算方法と留意点
     2-3 溶液中の量子ドットのサイズと濃度の求め方
     2-4 粒成長メカニズムと発光効率

    3.各種量子ドットの合成法・特徴と留意点
     3-1 親水性CdTe
     3-2 疎水性CdSeと発展
     3-3 疎水性InPと最近の進展
     3-4 カルコパイライト

    4.ガラスマトリックスへの各種分散法
     4-1 バルク体への分散
     4-2 微小ガラスカプセル中への分散・安定化

    5.各種特性評価の方法
     5-1 単一分子検出とブリンキング
     5-2 耐光性の測定・評価法
     5-3 カドミウムの染み出しと細胞毒性

    6. 応用
     6-1 ディスプレイ
     6-2 医療用の診断薬
     6-3 太陽電池など

    7.まとめ

    【質疑応答】

    【キーワード】
    量子ドット、サイズ効果、蛍光体、耐久性、ノーベル化学賞

    【講演のポイント】
    講演者は、早くから量子ドットの蛍光体としての優れた特性に注目し、論文にあるようなCdSe系では実用化は難しいと考え、毒性回避と耐久性向上を主要な課題として取り組んだ。ベンチャー設立に繋がったその手法と現状とを解説したい。

    【習得できる知識】
    ・量子ドットの基本・概要、特徴
    ・コロイド量子ドットの作製方法、サイズの制御技術、各種の評価法、ガラスコート技術
    ・量子ドットの耐久性向上に関わる技術情報
    ・量子ドットの各分野への応用・最新動向と将来展望



    【第4講】 ペロブスカイト型金属ハロゲン化物量子ドットの発光ON/OFF制御と応用
    【時間】 15:35-16:50
    【講師】熊本大学 先端科学研究部 / 教授 木田 徹也 氏

    【講演主旨】
    CsPbX3 (X = Cl, Br, I) の組成で表されるペロブスカイト量子ドット(PQDs: perovskite quantum dots)は極めて強い蛍光発光と波長可変という特徴を持つ優れた光材料であり、ディスプレイや照明といった応用の高効率化が期待される。さらに、量子ドットの蛍光発光を「暗い」OFF状態と「明るい」ON状態の間で外部刺激によって変調できれば、スマート蛍光材料(光・温度センサー)、光メモリー、超解像イメージング、生体プローブといった応用も可能になる。
    本講演においては、 PQDsを用いた蛍光ON/OFFスイッチング技術の開発と、PQDsの合成、耐久性向上化、発光メカニズム解析技術を紹介し、新しい量子ドットの応用について概説する。

    【プログラム】
    1. ペロブスカイト量子ドット(PQDs)について
     1.1 PQDsの特徴
     1.2 PQDsの合成手法
     1.3 PQDsの応用事例                            

    2. PQDsの表面修飾による耐久性向上
     2.1 無機材料被覆
     2.2 有機材料被覆
     2.3 組成および形状制御

    3. PQDsの発光ON/OFF制御
     3.1 原理と応用
     3.2 電子移動に基づく発光制御 -ポリオキソ酸との複合化-
     3.3 エネルギー移動に基づく発光制御 -フォトクロミック分子との複合化-

    4. PQDsの発光制御メカニズム解析
     4.1 過渡吸収分光法による解析
     4.2 単一分子分光法による解析

    【質疑応答】

    【キーワード】
    ペロブスカイト量子ドット、発光制御、ホットインジェクション法、表面修飾、クリック反応、電子・エネルギー移動

    【講演のポイント】
    ペロブスカイト量子ドットは太陽電池やディスプレイ用材料として大きく期待されている。量子収率100%に近い蛍光を外部刺激によって制御できれば、バイオイメージングやセキュリティインクなどの応用が可能になる。主に講演者の上記技術に関する研究成果を基に説明を行い、実際に材料を合成・評価する際に参考にできるようにするため、実験手法の詳細について具体的に解説する。

    【習得できる知識】
    ・量子ドットの基本・応用
    ・ペロブスカイト型コロイド量子ドットの合成方法
    ・ペロブスカイト量子ドットの表面修飾方法
    ・形状・サイズ制御技術
    ・ペロブスカイト量子ドットの光物性解析技術

    セミナー講師

    第1部  テック・アンド・ビズ(株)  代表取締役  北原 洋明 氏
    第2部  国立大学法人 信州大学  工学部 電子情報システム工学科  伊東 栄次 氏
    第3部  (株)量子材料技術/(国 研) 産業技術総合研究所 (兼業)  取締役 CTO/関西センター  村瀬 至生 氏
    第4部  熊本大学  先端科学研究部 / 教授  木田 徹也 氏

    セミナー受講料

    【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
      2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。


     

    受講料

    60,500円(税込)/人

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    10:30

    受講料

    60,500円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込

    開催場所

    全国

    主催者

    キーワード

    半導体技術   電子デバイス・部品

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    10:30

    受講料

    60,500円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込

    開催場所

    全国

    主催者

    キーワード

    半導体技術   電子デバイス・部品

    関連記事

    もっと見る