二軸押出機による溶融混練の分散・混練度向上技術評価と品質スケールアップの一手法

獲得したい分散品質は二軸押出機内でのどのように達成されるのか
従来できなかった分散の実現、解析困難であった現象を明らかにする
伸長流動分散ではスケールアップは容易である


せん断応力のみに依存しすぎていた二軸押出機の分散性において均一性の改良による高度な分散結果の獲得
分散パラメータの設定・制御、分散品質予測、分散に最適なせん断速度の存在、グラフェン分散、、、、
コンパウンドによる新材料開発、フィラー分散、押出機の導入・設計、混錬不具合対策、分散品質向上のために

「分散品質予測が可能になった!」「スケールアップができる時代になった!」
「伸長流動分散ではスケールアップは容易である!」

セミナー趣旨

 二軸押出機内で生じる混練現象は、添加粒子(樹脂)各々に異なる挙動を与える。したがって発生している全ての現象を解析することは不可能に近い。従来我々は全体を1つの系として扱い解析を加えてきたが、どうしても不均一性の解析にまで十分な知見が及ばなかった。現在の技術努力は【1】1つの粒子に着目した理想的混練分散現象の解析と共に、【2】不均一性を解消するための方策の解析を行っていて、主流は後者にある。こうした解析の中から、不均一性を是正できる新しい技術がいくつか創出され、実用化されるようになってきた。一部に素晴らしい分散品質を実現できたという反応も出てきている。一方、従来私は不均一性の生じない混練分散技術の実現に向けた研究を行ってきた。これらの実情を説明する。

セミナープログラム

1.ポリマー中へのフィラーの分散
 1.1 Palmgrenの4段階分散モデルと橋爪の5段階分散モデル
 1.2 理想的2粒子分割分散理論と転がり粒子破砕理論
 1.3 1分散工程で、せん断応力依存領域とせん断歪依存領域が存在する
 1.4 破砕分散はせん断応力依存であるが、均一性達成には分配分散作用が重要(最近再認識されてきている)
  1.4.1分配分散の二面性
    破砕分散品質到達点前後の分配分散性の違いと実際
  1.4.2 1番目の「送り込み分配分散」・・せん断破砕分散と同居する
   ・どういう役目か、どのようにコントロール、評価するのか
    Blister Ring, Ring Segment, 絞り機構の応用、T関数の応用。
    Ring、絞り機構には、伸長流動分散効果の副次効果がある
   ・伸長流動分散の均一性が今後大きな分野に発展する可能性がある。
    3種類の伸長流動分散機構
   ・せん断流動、伸長流動の共存流動における分散性
    HMWPEがHDPE中で分散した(相対粘度≧4.0でも可能)
  1.4.3 2番目の「まき散らし分配分散」・・・・単独で作用する
   ・どういう役目か、どのようにコントロール、評価するのか。
    Gear Elementなど・・・・・・・欧米の方式
    CTM, Static Mixerなど・・・・・日本の方式

2.破砕分散、分配分散における品質向上操作
 2.1 凝集破壊に関する最近の解析(被分散相に注目する)
  2.1.1 凝集粒子の破壊力は、凝集次数と凝集粒子径の関数である
  2.1.2 CBでの解析結果
  2.1.3 CBコンパウンドでは、CBコロイド溶液と同じで、
   ・Shear thinning→Shear thickening→Shear Thickeningとなる
 2.2 グラフェンの最適分散方法
  2.2.1 強度保持の分散、と伝導性保持の分散
  2.2.2 GO, rGOの分散特性
  2.2.3 再凝集問題と機械強度
  2.2.4 各種物質へのグラフェンの分散方法
  2.2.5 各製品への応用例

3.バウンドポリマー(ラバー)とナノ分散の関係
 3.1 材料の機械強度が向上する現象解明
  3.1.1 コンパウンドの場合
    限界粒子間距離が関与する。粒子径は直接関与しない
    無機粒子上のSticky Hard 層の高分子が絡まる。粒子の接触ではない。
  3.1.2 ポリマーアロイの場合
    各粒子が相互に流路干渉することによる。
 3.2 Shear Thinning流体とShera Thickening流体
  3.2.1 分散後の材料粘度ではなくて、分散中の材料粘度が問題
  3.2.2 流動形態の変化は何に起因するか
   ・無機粒子表面で、高分子と電気的な結合状態が変化する理論
  3.2.3 分散に最適なせん断分散速度が存在する。(全Fillerには適用できない)
   ・CB分散では顕著な特性、エラストマー、ゴムの混練でも発生する

4.Fillerの分散品質を予測する技術の実例
 4.1 純理論の相似側では、スケールが異なると品質が同じにならない
 4.2 分散品質予測技術
    事前の品質予測が高精度で可能なら、相似側は必要なくなる
  4.2.1 品質方程式の作成方法
  4.2.2 分散品質予測精度の確認
    精度を上げるため、ノイズ実験を消去する方法
  4.2.3 有効時間が意味するもの
    T関数、真空混練技術など
 4.3 伸長流動分散では品質スケールアップ(同一を保つ)ができる。
  4.3.1 伸長流動分散の実際(粒子径の狭い分布、と領域の移動が可能)
  4.3.2 そのメカニズムは品質のスケールアップができる。
  4.3.3 因子は伸長応力値である
  4.3.4 PA中へのHDPEの分散
  4.3.5 エラストマー中への別エラストマーの分散
  4.3.6 HDPE中へのHMWPEの分散

  □質疑応答□

セミナー講師

(有)エスティア 代表取締役 工学博士 橋爪 慎治 氏 ※元(株)神戸製鋼所

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キーワード

高分子・樹脂加工/成形   機械設計   生産工学

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