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★信頼性の高いデータを迅速に得るために
X線光電子分光法・測定装置の原理の基礎からデータ解析まで詳解!
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セミナー趣旨
表面分析では化学組成・化学結合状態(表面にどのような原子があるか)、原子配列・結晶構造(それらの原子がどのように配列しているか)、電子状態(化学組成と原子配列が決まれば電子状態・物性が決定)、表面形態(マクロ・ミクロな形態が機能を支配)の情報を相補的に得ることが有用である。そのために電子/イオン/光などをプローブとする数百種類の表面分析方法が開発されている。その中でX線光電子分光法は単原子層の表面感度で化学結合状態を解析できる優れた手法である。その有用性は多くの分野で実証され、大学での基礎研究だけでなく、会社の開発現場でも多用されている。
しかし、会社だけでなく大学においても光電子スペクトルから十分な情報が取り出されていないのが現状である。この問題の解決のためにはX線光電子分光法の基礎(始状態、終状態、測定装置の応答関数)を深く理解するだけでなく、測定装置の原理を適切に理解することも信頼性の高いデータを迅速に得るために必要である。データ解析について幾つかの例を紹介し、定量解析を紹介する。最先端X線光電子分光法および高輝度放射光施設の動向を紹介し、X線光電子分光法の新たな可能性について説明する。
習得できる知識
(1) 表面分析においてXPSの有用性と課題
(2) XPSスペクトルから得られる情報:始状態/終状態/装置の応答関数
(3) XPS装置の構成と動作原理
(4) 信頼性の高いXPSスペクトルを迅速に得る方法
(4) XPSデータ解析:エネルギー構成、バックグラウンド処理、ピーク分離解析
(5) 最先端XPSの動向
(6) 高輝度放射光施設の進展:Nano Terrace(東北大学新青葉山キャンパス)
セミナープログラム
1.はじめに:表面分析で必要とされる情報
1-1. 化学組成・化学結合状態、原子配列・結晶構造、電子状態、表面形態
1-2. 複合計測、非破壊・実環境観察、リアルタイム計測
1-3. X線光電子分光法、オージェ電子分光法、X線発光分光法の特徴
2.X線光電子分光法の観察対象と課題
2-1. 気相/固相界面(高真空下で表面分析)、液相/固相界面、固相/固相界面
2-2. 試料表面清浄化、絶縁試料の帯電防止、プローブ光誘起損傷
3.X線光電子分光法の原理
3-1. X線光電子スペクトルに含まれる情報:始状態+終状態+測定装置の応答関数
3-2. 化学組成の定性分析と定量分析
4.X線光電子分光法の測定装置
4-1. エネルギー分析器:完全半球型分析器/入射レンズ、円筒鏡分析器/電子銃
4-2. 検出器:二次電子増倍管、チャネルトロン、マイクロチャネルプレート
4-3. 光源:X線発生源、紫外線光源、放射光
5.X線光電子分光法のデータ解析
5-1. 結合エネルギーの較正:Au4f準位、フェルミ準位の観察
5-2. Si酸化膜の分析:バックグラウンド処理、スピン-軌道分裂成分の処理
5-3. Ti酸化膜の分析:始状態での化学結合状態の取扱い、単純な終状態
5-4. Ni酸化膜の解析:終状態での電化移動サテライトの取扱い、単純な始状態
6.最先端X線光電子分光法の動向
6-1. 分類と特徴:高性能・多機能化、測定環境の極限化
6-2. 準大気圧X線光電子分光法:~1000Paでのその場観察
6-3. 硬X線光電子分光法:非破壊のバルク敏感観察、表面処理が不要
7.高輝度放射光施設
7-1. 世界と日本の動向
7-2. 次世代放射光施設(NanoTerrace):東北大学新青葉山キャンパス
8.まとめ
キーワード:
X線光電子分光法,表面分析,組成,試料,スペクトル,検出器,光源,データ解析,セミナー
セミナー講師
東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター 教授・理学博士 高桑 雄二 氏
<略歴>
1982年3月 東北大学大学院理学研究科 物理学専攻 単位修得退学
1982年4月 東北大学電気通信研究所 助手
1993年4月 東北大学科学計測研究所 助教授
2001年4月 東北大学多元物質科学研究所 准教授
2010年4月 東北大学多元物質科学研究所 教授
2020年3月 東北大学多元物質科学研究所 定年退職 名誉教授
2020年4月 東北大学マイクロシステム融合研究開発センター 教授
2020年4月 日本原子力研究開発機構発機構物質科学研究センター 客員研究員
セミナー受講料
49,500円(税込、資料付)
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