生分解性プラスチックの基礎・最新動向と食品容器・包装への応用展開

★産学両分野で37年間、生分解性プラスチックの基礎・応用研究に携わり、
         技術・事業開発までの実績を有する世界的第一人者による講演!

☆廃棄物問題の正しい理解から現状を展望しながら、
         具体的な食品容器・包装関連製品の設計指針を提示する。

※Zoomを使ったWEBセミナーです。在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。

セミナー趣旨

 石油由来の非生分解性プラスチックが本格的に使用され始めて60有余年、今やその廃棄物物処理能力は限界に達する一方、自然生態系を破壊する地球温暖化や海洋プラスチック汚染問題等の深刻な事態を招来している。そうした中で、世界の環境先進地である欧州では使用後の食品容器・包装材は生ごみ等の有機性廃棄物と共に堆肥化する、あるいはバイオガス化して生ごみ発電にする動きが活発化しつつある。また、先般の世界ラーメンサミットにおいては、使い捨て食品容器の象徴的存在でもあるインスタントラーメン容器を生分解性容器に切り替えるとの歴史的な「大阪宣言」が発せられた。
 本講では先ず地球環境・資源・廃棄物問題における正しい理解を出発点とし、その上で生分解性プラの最新技術と市場開発の現状を展望しながら、具体的な食品容器・包装関連製品の設計指針を提示する。これまで産学両分野で37年間、基礎・応用研究から技術・事業開発までの実績を有する世界的第一人者による覚醒のセミナーである。

受講対象・レベル

生分解性プラスチックの基礎知識を習得したい初級者から、最先端技術技術を駆使して製品開発に繋げたい上級者まで。

習得できる知識

・海洋プラ汚染の実態と地球環境保全・資源循環型社会に向けての法規制動向
・生分解性プラの分類、基本特性と高性能・高機能化材料設計・成形加工技術
・生分解性プラの食器・食品容器・包装・濾材の製品設計と市場開発動向

セミナープログラム

1.地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
 1-1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
  (1)海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
   ・海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
   ・海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
   ・海洋に流入する大量の流木・草本類、自然生態系が許容し得る海水中分解速度のポジティブ・コントロールはリグニン!?
  (2)地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
  (3)自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
 1-2 生分解性プラスチックの識別表示制度と環境負荷低減効果
  (1)生分解性プラ、生分解性バイオマスプラ、バイオマスプラ…日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
  (2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
 1-3 持続的な資源循環型社会の建設のために
  (1) 欧米グリーンガイド指針
  (2) 食品容器・包装材の再資源化…使用後は有機性廃棄物(生ごみ)と共にバイオリサイクル
   ①堆肥化(好気性下)→肥料、土壌改良剤
   ②バイオガス化(嫌気性下、高温乾式メタン発酵)→生ごみ発電、ボイラー
  (3) プラスチックのCompostable(堆肥化可能)認証基準
 1-4 世界の法規制と業界動向
  (1) 世界の法規制動向
  (2) 業界動向…世界ラーメンサミット「大阪宣言」:ラーメン容器を生分解性に!

2.生分解性プラスチックの分類、基本特性と生分解機構
 2-1 代表的な生分解性プラスチックの分類と基本特性
  (1) 硬質タイプ…ポリ乳酸(PLA):Tg/Tm≒58℃/175℃
  (2) 軟質タイプ
   ①ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT):Tg/Tm≒-35℃/115℃
   ②ポリブチレンサクシネート(PBS, PBSA):Tg/Tm≒-47~-35℃/84~115℃
  (3)その他…微生物ポリエステル(PHBV, PHBH)、デンプン系
 2-2 生分解機構
  (1) 酵素分解型…surface erosion(表面から溶かされていく)
  (2) 非酵素分解型(加水分解型)…bulk degradation(全体的に壊されていく)
 2-3 様々な環境下における生分解挙動
  (1) 自然環境下…土壌中、海水中
  (2) 再資源化工程…堆肥化(好気性下)又はバイオガス化(嫌気性下)

3.生分解性プラスチックの高性能・高機能化材料設計と成形加工技術
 3-1 基幹素材としての第二世代ポリ乳酸…高L組成PLA (high %L PLA), %D<0.5%,
 3-2 高性能・高機能化材料設計技術
  (1) 耐衝撃性…可塑剤又は耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
  (2) 耐熱性…分散型核剤、結晶化促進剤
  (3) 透明耐熱性…溶解型核剤、結晶化促進剤
  (4) 耐久性(耐湿熱性)…加水分解抑制剤
  (5) 成形加工性…マルチ機能改質剤ほか
 3-3 高性能・高機能性PLA一次加工製品・成形用樹脂(繊維・不織布、フィルム、射出成形、発泡成形、押出成形、ブロー成形)…テラマック(Terramac)®/ユニチカ
   *PLAの熱的・機械的特性は既に汎用プラスチックと同等以上!
 3-4 食品容器・包装材の成形加工
  (1) 押出成形
   ①繊維・不織布・モノフィラメント…ティバッグフィルター、コーヒーフィルター、生ゴミ水切りネット
   ②フィルム…生ごみ袋、透明カバーフィルム、包装フィルム
   ③紙ラミ…飲用カップ、皿
   ④中空押し出し…ストロー
  (2) 真空成形…青果物・食品容器、弁当容器、鶏卵パック、ブリスター
  (3) 射出成形…リターナブル食器、ナイフ&フォーク、箸
  (4) 発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)…インスタントラーメン容器、トレー、魚箱
  (5) ブロー成形…ボトル

4.食品容器・包装関連製品の要求性能
 4-1 食品容器・包装材に求められる基本特性…耐水性、耐油性、食品衛生性、抗菌・防カビ性、生分解性
 4-2 食品衛生性基準
  (1)日本…食品衛生法370号(一般規格、ポリ乳酸個別規格)、ポリ衛協PL
  (2) 米国…Food Contact Nortification(FCN) No.178, Class B(100℃×30分)~H
  (3) 欧州…EEC Directive 96/11/EEC
 4-3 製品設計と要求性能
  (1) 長期間繰り返し使用可能なリターナブル食器、回転すし皿…射出成形
   ①自動食器洗い機対応…高温洗浄、アルカリ性洗剤、高温乾燥滅菌
   ②耐熱性…加熱料理盛り付け、熱湯注入、電子レンジ加熱
   ③耐久性…長期間(5~10年)使用耐久性
   ④耐衝撃性…落としても割れない
  (2) ワンウエイユース食品容器…押出(発泡)成形+真空成形
   ① 耐熱性(透明耐熱性)…熱湯注入、電子レンジ加熱
   ② 耐衝撃性…打ち抜きができる、角が当たってもひび割れない
  (3) 卵パック、透明ブリスターパック
   ①透明性…中が見える
   ②耐衝撃性…打ち抜きができる、角が当たってもひび割れない
  (4) 食品フィルター、生ゴミ水切りネット…繊維、不織布
   ① 耐熱性…熱湯注入
   ② 加工技術…製糸、製織、製袋
  (5) 食品包装・容器…フィルム、ボトル
   ①ガス透過性又はバリア性…水分、酸素、芳香成分
   ②ヒートシール性
  (6) 紙ラミ製品…押出ラミ
   ① 耐熱性…熱湯注入、電子レンジ加熱

 【質疑応答】


キーワード:
生分解性プラスチック,ポリ乳酸,PLA,食品容器,包装材,セミナー

セミナー講師

望月 政嗣 氏(元京都工芸繊維大学 特任教授、工学博士、高分子学会フェロー)

【ご専門】
高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、
高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性

【ご略歴・ご活躍】
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ(株)入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、
 京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ(株)定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。
 この間、日経BP技術賞他受賞、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長を歴任。
著書に「バイオプラスチックの素材・技術最前線」「生分解性ポリマーのはなし」、その他多数。

セミナー受講料

55,000円(税込、資料付)
■ セミナー主催者からの会員登録をしていただいた場合、1名で申込の場合49,500円、
  2名同時申込の場合計55,000円(2人目無料:1名あたり27,500円)で受講できます。
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受講について

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  • セミナー資料は開催前日までにお送りいたします。
    ご自宅への送付を希望の方はコメント欄にご住所などをご記入ください。
    開催まで4営業日~前日にお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますことご了承下さい。
  • 無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   食品包装   汚染物質排出抑制技術

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