■1986年から今日まで、今や世界的にも注目されているポリ乳酸に取り組み、長期的にケース・スタディを続ける講師が、バイオプラを取り巻く背景から、グリーン・イノベーションや破壊的イノベーションについて探求しながらポリ乳酸を中心に代表的な各種バイオプラスチック素材・技術・市場開発の最前線を探査!
■“ダーウインの海”を泳ぎ切るために必要な情報の提供と、技術者のイノベーターとしての思考・資質を呼び覚まします。

 

日時

Live配信】2024年5月29日(水)10:00~17:00
アーカイブ配信視聴期間】終了翌営業日から7日間[5/30~6/5]を予定
  受講可能な形式【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ

セミナー趣旨

既存の石油系プラスチックに係る地球環境・資源・廃棄物問題が顕在化した今日、持続可能な開発目標(SDGs)としてのグリーン・イノベーションが待望されている。しかるに、シュンペーターにより初めて提唱されたイノベーションなる概念は単なる技術革新と誤解され、その本質が正しく理解されていないように思われる。従来の既成概念や価値観を根底から覆す真の創造的破壊に繋がる破壊的イノベーションは顧客ニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。
本セミナーでは、ケース・スタディとして次世代バイオプラスチックの中でも世界的に注目されているポリ乳酸に対する講師の1986年以降今日までの37年間にわたる取り組みをベースに、その他の代表的な各種バイオプラスチック素材・技術・市場開発の最前線を探査する。技術開発における“死の谷”を乗り越え、“ダーウインの海”を泳ぎ切ることのできるイノベータに求められる資質と能力、そして次世代バイオプラスチック素材・技術とは?

セミナープログラム

1.イノベーション(Innovation)とは?
 1.1 J.A.シュンペーターによるイノベーションの概念提唱…「経済発展の理論」(1912)
   ・イノベーションとは、需要家側のニーズから生まれてくるのではなく、
    あくまでも供給者である企業家側がイニシアティブを握って創り出すものである!
   ・スティーブ・ジョブス…目に見えるニーズは見なくてよい、目に見えない潜在需要を信じる!
 1.2 破壊的イノベーションと持続的イノベーション
   ・シュンペーターが意図した真のイノベーション「破壊的イノベーション」とは?
 1.3 経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは?
   ・企業の目的は創造的破壊と顧客の創造である
 1.4 C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」 とは?
   ・技術革新が巨大企業を滅ぼす時…なぜ優良企業が、優れた経営が失敗するのか?
 1.5 イノベーションとビジネスモデル…インテル・インサイドとアップル・アウトサイド
 
2.新たなイノベーションの創発のために
 2.1 イノベーションを阻む見えないガラスの壁とは?
    ・リスクを避ける保守・保身の壁…個人
    ・常識や既成概念・価値観の壁…社会
    ・組織や企業体質・文化の壁…組織
 2.2 ガラスの壁を突破するために求められる資質と能力
    ・チャレンジング・スピリット…挑戦者魂、鈍感力、挫折力
    ・フロンティア・スピリット…好奇心、開拓者魂
    ・リーダーシップ…統率力、人間的魅力
 2.3 ゼネラリストとスペシャリスト
 2.4 企業組織と体質の問題…メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用
    ・敷かれたレールの上を脱線しないように走るゼネラリストから構成される、
     スペシャリストの生まれ難い日本固有のメンバーシップ型雇用における問題点とは?
 2.5 イノベーション・プロセスと技術経営
    ・科学と技術の狭間で…線形科学から非線形科学へ
    ・アップルのWhy(目的、理念。信条)とは?
    ・個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか?…WhyやWhatを語らないHow to病の日本!
    ・「PDCAサイクル」の進化形、機動戦を勝ち抜くための{OODAループ}とは?
 2.6 ケース・スタディ…生分解性プラの理想像を求めて、1986年以降今日まで37年間
    ・研究開発を始めた社会的背景とのきっかけとは?
 
3.持続可能な開発目標(SDGs)としてのグリーン・イノベーション
 3.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
  1) 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と生分解性プラスチックの役割
    ・海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
    ・海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
    ・海洋自然生態系が許容し得る海水中の生分解速度…ポジティブコントロールは
  2) 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
  3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
 3.2 バイオプラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
  1) 日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
  2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
 3.3 持続的な資源循環型社会の建設のために…世界の法規制と業界動向
  1) 欧米グリーンガイド指針
  2) 食品残渣や食品容器・包装材の再資源化(バイオリサイクル)
 
4.バイオプラスチックの最新動向
 4.1 バイオポリエチレン(bio-PE)
 4.2 バイオポリプロピレン(bio-PP)
   4.3 バイオポリエステル(bio-PES)
  1) 生分解性バイオポリエステル
    ①ポリ乳酸(PLA)
    ②ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT)
    ③ポリブチレンサクシネート系(PBS, PBSA)
    ④微生物産生ポリエステル系(PHBV, PHBH)
    ⑤その他(デンプン系, PGA, PEST)
  2) 非生分解性バイオポリエステル
    ①バイオポリエチレンテレフタレート(bio-PET)
    ・RenmatixのPlantrose®を用いたVirentのBioReforming プロセスによるバイオパラキシレンの生産が主流に!?
    ②ポリエチレンフラノエート(PEF)
    ・化学構造…植物由来フランジカルボン酸(FDCA)から成るバイオポリエステル
    ・基本特性…PET対比で優れたガスバリア性と耐熱性
 4.4 バイオポリアミド(bio-PA)
    ①ポリアミド11…最も歴史の古い古典的なバイオポリアミド
    ②ポリアミド10T
    ・化学構造…1,10デカンジアミンとテレフタル酸の重合体
    ・基本特性…超高耐熱性…Tg/Tm:160/314(℃), DTUL(1.8MPa)>300℃、低吸水率
     耐薬品性、耐摩耗性、電気特性に優れた次世代スーパーエンプラ
 4.5 バイオポリカーボネート(bio-PC)
    ・化学構造…植物由来複素環式ジオールのイソソルバイドから成るバイオポリカーボネート
    ・基本特性…光学特性、表面硬度、耐候性・耐光性、耐衝撃性や耐薬品性に優れた新規エンジニアリング・プラスチック

 □質疑応答□

セミナー講師

望月 政嗣 氏 (元京都工芸繊維大学特任教授、工学博士、高分子学会フェロー)
【専門】
高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、
高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性

[紹介]
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。
[著書]
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)、「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数
 

セミナー受講料

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受講、配布資料などについて

Zoom配信の受講方法・接続確認

  • 本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信となります。PCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 申込み受理の連絡メールに、視聴用URLに関する連絡事項を記載しております。
  • 事前に「Zoom」のインストール(または、ブラウザから参加)可能か、接続可能か等をご確認ください。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー中、講師へのご質問が可能です。
  • 以下のテストミーティングより接続とマイク/スピーカーの出力・入力を事前にご確認いただいたうえで、お申込みください。
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    (テキストに講師の連絡先が掲載されている場合のみ)
  • 動画視聴・インターネット環境をご確認ください。
  • 以下の視聴環境および視聴テストを事前にご確認いただいたうえで、お申込みください。
  • セキュリティの設定や、動作環境によってはご視聴いただけない場合がございます。
    視聴環境  ≫ 視聴テスト【ストリーミング(HLS)を確認】

配布資料
製本テキスト(開催日の4、5日前に発送予定)
※開催まで4営業日~前日にお申込みの場合、セミナー資料の到着が、
開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
Zoom上ではスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。

その他注意事項
※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※開催日の概ね1週間前を目安に、最少催行人数に達していない場合、セミナーを中止することがございます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:00

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込 または、当日現金でのお支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   汚染物質排出抑制技術   技術マネジメント総合

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