ウェアラブル・ストレッチャブルデバイスの創出と各種配線・電極材料の開発動向と評価

~粘着テープとフィルムの開発・社会実装に向けたストレッチャブル配線技術~

群馬大学 井上 雅博 氏、コムスキャンテクノ株式会社/JOHNAN株式会社 松田 良成 氏、AGC株式会社 中村 牧人 氏、東洋紡株式会社 前田 郷司 氏の4名がウェアラブル・ストレッチャブルデバイスの創出と各種配線・電極材料の開発動向と評価~粘着テープとフィルムの開発・社会実装に向けたストレッチャブル配線技術~について解説する講座です。

■本セミナーの主題および状況

★ウェアラブル・ストレッチャブル・デバイスは、身に着けることができる電子デバイスの一種で、柔軟で伸縮性のある素材やテクノロジーを使用して作られております。

★これらのデバイスは、身体に密着して快適に装着でき、ヘルスケアモニタリング、フィットネスとスポーツ等の様々な用途への展開が期待されております。

■注目ポイント

★ストレッチャブル配線や電極を形成するための材料技術の学術的基礎についてご解説!

★ポリウレタン粘着剤の一般特性とともに、ウェアラブルデバイス貼付け用に開発した粘着テープの特性についてご紹介!

★導電接着剤実装、機能性フィルム実装の実践者として第一線で活躍する企業にご所属の講師が、ストレッチャブルに代表される「機能性フィルムへの実装技術」の開発事例をご紹介!

【項目】※クリックするとその項目に飛ぶことができます

    セミナープログラム

    【第1講】 ストレッチャブル印刷配線・電極材料の設計・開発技術と特性評価(仮題)

    【時間】 10:30-11:45

    【講師】群馬大学 大学院 理工学府 准教授 博士(工学) 井上 雅博 氏

    【講演主旨】
    ※現在講師の先生に最新の講演主旨をご考案いただいており、下記の内容は変更する可能性がございます。

     近年、ウェアラブル電子機器やスマートパッケージングへの応用を目指して、フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)に関する研究開発が活発化している。FHEにおけるフレキシブル電子回路においては可撓性のみならず伸縮性を有するストレッチャブル電子回路の実現も望まれている。また、ストレッチャブル電子回路は樹脂加工技術と組み合わせることで、3次元化させることができる。この後加工による3次元電子回路形成により、筐体部に電子回路を直接形成させる構造エレクトロニクスへの応用が期待されている。このように様々な応用が期待されているストレッチャブル配線であるが、その材料技術や特性評価に関しては課題が残されている。
     本講演では、このようなストレッチャブル配線や電極を形成するための材料技術の学術的基礎について解説したい。

    【プログラム】
    ※現在講師の先生に最新のプログラムをご考案いただいており、下記の内容は変更する可能性がございます。

    1.ストレッチャブル配線・電極を作製するための材料
     1.1 金属
     1.2 導電性高分子(PEDOT:PSS)
      1.2.1 エラストマーとの複合化
      1.2.2 可塑剤として作用する界面活性剤の添加効果
     1.3 導電性コーティングを施した繊維
     1.4 導電フィラー分散型ペーストおよびシート
    2.導電フィラー分散型ペーストの応用例
     2.1 ストレッチャブルセンサ
     2.2 プリンテッドE-テキスタイル
     2.3 In-Mold Electronics(IME)
    3.ストレッチャブル導電ペーストの特性を理解するための基礎
     3.1 ゴム材料の機械的挙動とフィラーネットワークの関係
     3.2 変形に伴う電気伝導特性の変化 ~増加する場合と減少する場合~
     3.3 時間依存型特性変化
     3.4 電気抵抗率増加とアニール回復現象
     3.5 フィラーネットワークのモデル化の現状
    4.ストレッチャブル印刷配線の特性評価
     4.1 配線部の機械的特性
     4.2 変形挙動解析
     4.3 基板の機械的特性が電気抵抗率変化に及ぼす影響
     4.4 変形速度依存性
     4.5 変形履歴による電気抵抗率変化の挙動の違い
     4.6 ストレッチャブル印刷配線の電気抵抗率変化のデータを読む際の注意点
    5.ストレッチャブル印刷配線の立体加工中の電気抵抗率変化
     5.1 IMEデバイスの作製プロセス
     5.2 真空成形中のストレッチャブル印刷配線の電気抵抗率変化
     5.3 IME実装技術のFHEへの展開
    6.電気伝導特性変化を抑制するための材料設計と配線構造設計
    7.まとめ
    【質疑応答】

    【キーワード】
    フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)、インモールド・エレクトロニクス(IME)、導電性高分子、導電性ペースト印刷配線、特性評価技術

    【習得できる知識】
    導電フィラー分散型ペーストの応用
    ストレッチャブル導電ペーストの特性
    ストレッチャブル印刷配線の特性評価
    電気伝導特性変化を抑制するための材料設計と配線構造設計


    【第2講】 ストレッチャブルフィルムへの実装技術

    【時間】 12:45-13:30

    【講師】コムスキャンテクノ株式会社/JOHNAN株式会社 デザイン&EMSカンパニー 西日本第三事業部 新規顧客開拓部 ものづくりプラットフォーム カンパニー X線CT事業部 松田 良成 氏

    【講演主旨】
     デザイン、設計の自由度を高める、機能性フィルムへの実装技術のご紹介 
    ~Functional Film  Surface Mount Technology~
     現在、半導体・実装、自動車(車載)、産業用、医療、インフラ等の業界分野で、製品の小型化、薄型化に対応する実装やデザイン等、ものづくりに対するニーズの多様化が進んでいます。当社は、そのような中で製品設計やデザイン等の制限を緩和し、製品の可能性を広げるため、ストレッチャブルに代表される「機能性フィルムへの実装技術」の開発事例のご紹介。

    【プログラム】
    ■ JOHNAN株式会社が現在取り組んでいるE-textile・Wearableに対応する新実装技術紹介
    ■ JOHNAN株式会社概要
    ■ 開発方針
    ■ 機能性フィルム実装の定義とは
    ■ ストレッチャブル実装とブレークスルー
    ■ 紙基材への実装
    ■ In Mold ElectronicsへのJOHNAN流アプローチ
    ■ 技術ロードマップ
    ■ パートナーシップとオープンイノベーション
    【質疑応答】

    【キーワード】
    ストレッチャブル、紙基材、導電接着剤

    【講演ポイント】
    導電接着剤実装、機能性フィルム実装の実践者としてトップランナーと自負するJOHNAN株式会社の取り組みに関するご紹介です。これによりこの分野の市場開拓・アプリケーション開発がオープンイノベーションスタイルで進むことを期待しております。

    【習得できる知識】
    導電接着剤実装、機能性フィルム実装の最新事情


    【第3講】 ウェアラブルデバイス貼付けに適した皮膚に優しいポリウレタン粘着テープの開発

    【時間】 13:40-14:55

    【講師】AGC株式会社 化学品カンパニー 企画部 材料開発室 機能ポリマーグループ 中村 牧人 氏

    【講演主旨】
     ウェアラブルデバイスは心電、脳波等の微弱な信号を継続的にモニタリングするために用いられています。その分析精度を向上するため、粘着テープを用いて皮膚にウェアラブルデバイスを直接貼りつける検討が行われています。しかしながら、長時間粘着テープを貼り続けることで汗により蒸れ、皮膚が白く軟浸し、粘着テープ剥離時に皮膚を外部刺激から守る役割を有する角質の剥離量が増大する場合があります。当社はこれらの課題を鑑みて粘着層として高透湿性を有するポリウレタン粘着剤からなる粘着テープを開発しました。本講演ではポリウレタン粘着剤の一般特性とともに、ウェアラブルデバイス貼付け用に開発した粘着テープの特性についてご紹介します。

    【プログラム】
    ■ポリウレタン粘着剤の一般特性
    ■AGCのポリウレタン樹脂設計技術
    ■AGCのウェアラブルデバイス貼付け用ポリウレタン粘着テープ開発品の特徴
       透湿性
       長期貼り付け時の粘着力、角質剥離量
       安全性試験
    ■まとめ
    【質疑応答】

    【キーワード】
    ウェアラブル、粘着テープ、ポリウレタン


    【第4講】 衣服型の生体情報計測デバイスによる、着用者の心理・生理的状態のモニタリング技術 『ANAIM(R)』」(ストレッチャブル配線技術の社会実装に向けて)

    【時間】 15:05-16:20

    【講師】東洋紡株式会社 総合研究所 主幹 前田 郷司 氏

    【講演主旨】
     ストレッチャブルな導電素材を応用したセンサーデバイス等を応用した、ウェアラブルな生体情報測定技術が注目されている。
    国内外にて多くの研究事例が発表されており、一部は製品として市場に出てきている。しかしながら、多くは単に生体情報の測定機能の紹介に留まっており、一般消費者が求める応用製品のレベルには到達していない。その理由の一つは、生体情報を観察するユーザーにメディカル分野の専門家を想定しているところにある。一般消費者が日常的に触れている生体情報はせいぜい体温、血圧、心拍数、呼吸数、程度であろう。これらより高度な医学・生理学的に専門的な情報が得られたとしても、その情報を活用することは難しい。
     本講演では、ストレッチャブルなフィルム状導電素材を電極と配線に用いた衣服型デバイスにより得られる心電情報を解析し、得られた自律神経活動指数をもとに、一般消費者にも理解しやすい形で着用者の心理・生理的な状態を表示する技術について解説する。

    【プログラム】
    1.はじめに
    ウェアラブルデバイスの市場
    2.心電計測
      2-1 バイタルデータ
      2-2 心拍数と脈拍数
      2-3 心電計測から得られる情報
    3.心電信号の解析から得られる自律神経活動指数
      交感神経活動指数と副交感神経活動指数
    4.衣服型のウェアラブルデバイスによる心電信号の計測
      4-1 ウェアラブル心電計測
      4-2 ストレッチャブルなフィルム状導電素材
      4-3 衣服配線と皮膚接触電極
      4-4 心電測定用の衣服型ウェアラブルデバイス
    5.自律神経活動指数の測定例
      5-1 自律神経活動のリズム
      5-2 短時間単位での自律神経活動の観察
    6.自律神経活動の直交座標系による表現手法 「ANAIM®」
      ANAIM®(Autonomic Nervous Activity Index Mapping)
    7.ANAIM®の実測例
      はじめてVIPの前でプレゼンテーションを行った際の発表者の心理状態
      プロフェッショナル・レーシングドライバー 普段の生活、一般道運転
           同、実際の自動車レース(鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ)、レースシミュレーター
      楽器演奏中の心理状態 など
    8.まとめ
    【質疑応答】

    【キーワード】
    ウェアラブル、ストレッチャブル、IoT、バイタル計測、自律神経、交感神経、ヘルスケア、見守りシステム、自律生活支援、遠隔監視

    【講演ポイント】
    ストレッチャブ・エレクトロニクス、ウェアラブル・エレクトロニクスを社会実装していく上での障壁が何か?、ブレークスルーのために解決すべき課題は何か? を、心電計測用衣服型ウェアラブルデバイスと、そこから得られた生体情報をどのように加工して一般消費者に見せるべきか、という事例を用いて紹介する。

    【習得できる知識】
     ストレッチャブル導電材料の構成例
     ストレッチャブル導電材料の衣服型ウェアラブルデバイスへの応用方法
     ウェアラブルデバイスの市場拡大における課題
     ウェアラブルデバイスの市場拡大のために狙うべきターゲット
     衣服型ウェアラブルデバイスによる心電計測
     心電情報から自律神経活動指数を導出する手法
     自律神経に関する基礎知識、交感神経活動と副交感神経活動の関係
     自律神経活動指数を、一般消費者に分かりやすい形で表示する手法

    セミナー講師

    • 第1部  群馬大学  大学院 理工学府 准教授 博士(工学)  井上 雅博 氏
    • 第2部  コムスキャンテクノ株式会社/JOHNAN株式会社  デザイン&EMSカンパニー 西日本第三事業部 新規顧客開拓部 ものづくりプラットフォーム カンパニー X線CT事業部  松田 良成 氏 
    • 第3部  AGC株式会社  化学品カンパニー 企画部 材料開発室 機能ポリマーグループ  中村 牧人 氏 第4部  東洋紡株式会社  総合研究所 主幹  前田 郷司 氏

    セミナー受講料

    【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
    2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


     

    受講料

    55,000円(税込)/人

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    10:30

    受講料

    55,000円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込

    開催場所

    全国

    主催者

    キーワード

    高分子・樹脂材料   電子デバイス・部品   電子材料

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    開催日時


    10:30

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    キーワード

    高分子・樹脂材料   電子デバイス・部品   電子材料

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