経営・事業戦略に貢献する知財価値評価とその活用方法

セミナープログラム

＜１０：３０〜１２：００＞
【第１部】知財価値評価と特許出願・ノウハウ秘匿判断への活用
(一社)京都発明協会　原 伸郎 氏

【講演趣旨】
  知的財産がどの程度の価値を有するのかについて、具体的な金額を算出する定量的アプローチと、具体的な金額を算出しない定性的なアプローチについて説明する。また、知財価値評価によって得た情報を実務においてどのように活用することができるかについて、特許出願をすべきかノウハウ秘匿すべきかと関連して説明する。なお、本講演は、知財経験が浅い企業の知財担当者を想定した概略的な内容であるため、専門的な研究目的であれば他の機会を利用されたい。

【講演項目】
1.知財価値評価
　1-1.価値評価の目的
　1-2.定性評価と定量評価
　1-3.評価手法
2.特許出願／ノウハウ秘匿判断への活用
　2-1.特許出願との関係
　2-2.ノウハウ秘匿との関係
　2-3.判断基準
3.その他、実務への活用
【質疑応答】

＜１３：００〜１４：３０＞
【第２部】経営、事業戦略に貢献する知的財産の価値評価とその活用
横河電機(株)　田中 伸生 氏

【講演趣旨】
  企業の知的財産部門の多くは、特許権等の権利取得とその管理を中心として発展してきた。質を落とさず、コストを抑えて権利を取得する業務の確立が企業知財の主要な付加価値だったのではないか。一方、経営における無形資産の重要性の認識が高まっている昨今、経営から知的財産部門への期待はますます大きくなっている。期待に応えるためには、保有する知的財産をどのように評価し、活用していけばよいのか、また、知的財産部門の機能そのものもどの方向に発展していけばよいのか、こういった問いに答えなければならない。これらの問いに対しては、各企業の個別事情を考慮した最適解となるが、一般的に適用しうる考え方を紹介したい。

【講演項目】
1.外部環境の変化
　1-1.モノからコトへ
2.戦略の重要性
3.経営資源の活用
　3-1.知的財産を経営資源としてとらえる
4.知的財産権の活用と価値
　4-1.企業がおかれた環境
　4-2.事業戦略と知的財産権の組み込み
　4-3.知的財産の事業への活用
5.知的財産部門が目指す方向
【質疑応答】

＜１４：４５〜１６：１５＞
【第３部】適切な知財コストの考え方と保有特許の価値評価
(株)明治　石丸 和彦 氏

【講演趣旨】
  食品業界では、電機通信業界や化学業界とは全く異なる知的財産と事業との関係性が存在する。食品業界においては、一般に電機通信業界における標準必須特許のような一定の領域で基本的で不可避となるような特許の取得は難しい。しかし、食品業界において、特許や技術ノウハウに代表される無形資産の技術的な側面と、商標に代表されるブランド的な側面とを相互に関係させながら長期に亘って事業を支える特徴のある知的財産戦略が推進されている。今回、食品業界の知的財産と事業との関係について、(株)明治における検討を事例として紹介する。そして、(株)明治において、企業価値向上をはかる知的財産活動とはいかなるものかについて考察を加え、特許を中心とした保有知的財産の評価について切り込んでいきたい。

【講演項目】
1.はじめに
2.コーポレートガバナンスコード改訂のインパクト
　2-1.食品企業の知財価値の特徴
　2-2.食品企業の知財ガバナンス
　2-3.食品企業の知財活動開示とKPI
3.食品業界の価値創造サイクル（明治を例に）
　3-1.知的財産をベースにした価値創造サイクル
　3-2.価値創造サイクルからわかること
　3-3.特許・技術ノウハウと商標のシナジーモデル
　3-4.無形資産としての特許
　3-5.無形資産としての技術ノウハウ
　3-6.無形資産としての商標
4.SDGsおよびESGとの関係（明治を例に）
　4-1.特許ポートフォリオとSDGsの関係
　4-2.特許および商標とESGの関係
5.特許資産の評価と管理
　5-1.価値評価のタイミングと要素
　5-2.管理手法
6.まとめ
【質疑応答】

セミナー講師

１．原 伸郎 先生  (一社)京都発明協会
２．田中 伸生 先生   横河電機(株) マーケティング本部 事業開発センター 知的財産部 部長 弁理士　
３．石丸 和彦 先生   (株)明治 研究本部 知財戦略部 専任部長　

セミナー受講料

1名につき60,500円（消費税込み、資料付）　
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき55,000円（税込）〕

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