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社内の監査対応を高度化させる経営監査のあり方
セミナー趣旨
一般に大企業の不祥事として会計不正や法令違反が報道される際には、その原因として組織の構造とかガバナンスのあり方やリスク管理の不備や企業風土などが言及されますが、その実務対応についての詳しい議論は意外と見当たりません。
これらの予防や抑制には、結果論としての会計処理や業務上の不備よりも根本原因としての企業のガバナンスやリスク管理等のへの対応が必要で、そのためには内部統制や内部監査の強化が重要となります。またコーポレートガバナンスの一翼を担う監査役員の法的責任も議論されますが、どのような監査対応が有効かという実務論はあまり見かけません。
一方、欧米ではこうした現実の課題に対して、取締役会の監査委員会の傘下にある内部監査の業務として組織のガバナンスやリスク管理あるいは企業風土や経営戦略への監査手法が、最近特に重視されIIA(内部監査人協会)を中心発展しており、日本の内部監査でも、これらの分野は経営監査と呼ばれて 企業の関心を集めてきてはいます。とはいえ、社長直属の内部監査部門が約8割という日本企業においては、内部監査が経営領域に踏み込む抵抗感もあってか、業務レベルの監査に止まりがちという傾向もあるようです。
本セミナーでは、社内の内部監査と監査役監査を含めた企業内監査という観点から、I IA(内部監査人協会)における監査手法の指針や監査の実例も参考にしながら、グループ子会社や事業部門のモニタリングを含んだ組織のガバナンスの監査、リスクマネジメントの監査、企業風土の監査等の経営監査の実務対応について解説いたします。
受講対象・レベル
内部監査および内部統制部門、監査役、経営管理や経営企画部門の方など企業内監査の高度化のための制度設計と実務対応に取り組まれている方々
セミナープログラム
1.経営監査に向かう監査の高度化のための検討課題
・準拠性からガバナンス・リスク管理・経営戦略に向かう内部監査の発展
・ディフェンスモデルや3ラインモデルの考え方と内部監査の位置づけ
・日本企業のガバナンスをめぐる議論と問題点
・内部監査を進化発展させる対応方針:監査機能の改善に向けた課題と対応策
2.経営に支持される経営監査の切り出し方
・経営に資する監査の考え方
・業務監査との違いをサポートする経営監査の論理と実務展開
3 ビジネス・アプローチ型経営監査の進め方と適用事例
・監査アプローチの設定と留意点
・事例から理解する経営監査のポイント
4.ガバナンス志向経営監査の着眼点と展開方法
・IIA指針によるガバナンス監査の考え方と監査の方法論
・事業部や子会社に対するモニタリングの監査手法
・CSA(統制自己評価)を活用したモニタリングの監査
・KPI(重要業績評価指標)の問題と監査対応
5.組織のリスクマネジメントに対する監査の対応
・内部監査とリスク管理部門との連携の仕方
・社内のリスク管理機能の監査の観点と監査手法
・リスクマネジメントの不備に起因する企業不祥事
・組織風土・統制環境に対する監査対応
※申込状況により、開催中止となる場合がございます。
※講師・主催者とご同業の方のご参加はお断りする場合がございます。
※録音、録画・撮影・お申込者以外のご視聴はご遠慮ください。
セミナー講師
藤井範彰公認会計士事務所 公認会計士・公認内部監査人 米国公認会計士(現在inactive) 藤井 範彰 氏
30余年の監査法人勤務の内、最初の約20年は会計監査に従事しつつ、E&Yから移ったアンダーセンでは米国流会計監査の研修講師としての活動や公認会計士協会本部の委員会活動(国際委員会副委員長、会計制度委員会副委員長、監査基準委員会委員他)にも専念。続く10余年は、内部監査、内部統制、リスクマネジメント、不正調査に特化し、アンダーセン消滅時に朝日監査法人代表社員を辞してPwC(中央青山監査法人)に移り代表社員も務めた後、J-SOXの制度化を前に招聘に応じて復帰した新日本監査法人(E&Y)で内部統制支援本部統括部長、ビジネスリスクサービス部長、FIDS(不正対策・係争サポート)部長等を歴任。2012年、シニアパートナーを早期退任し、ボルボ・グループで日本の内部監査統括を務め、同グループ会社UDトラックス㈱の監査役を7年間務めた後、現在は内部監査や不正対応・ガバナンス関連の講演や研修・執筆・アドバイザリー業務に従事。
最近の著書『内部監査のプロが書く監査報告書の指摘事項と改善提案』(同文舘出版2016年11月)で2017年度日本内部監査協会青木賞受賞。2019年9月同書第2版出版。他にも著書「経営者と会社を動かす内部監査の課題解決法20」税務経理協会2012年、論文「経営に資する内部監査のリスク対応~理論と実務で解き明かすリスクベースの監査対応」日本内部監査協会月刊監査研究2020年7月号、「内部監査のアシュアランスの本質論~ゼロベースで考える内部監査の監査意見の書き方」同誌2018年7月等多数。
セミナー受講料
会員 35,200円(本体 32,000円)
一般 38,500円(本体 35,000円)
※会員価格適用については、企業研究会会員が対象となります。
(所属先の会員登録有無がわからない場合、
お申込みの際に備考欄へ「会員登録確認希望」とご記入ください。)
※最少催行人数に満たない場合には、開催を中止させて頂く場合がございます。
※お申込後のキャンセルは原則としてお受けしかねます。
お申込者がご出席いただけない際は、代理の方のご出席をお願い申し上げます。
受講について
【本セミナーはZoomを利用して開催いたします】
- 視聴用アカウント・セミナー資料は、原則として開催1営業日前までにメールでお送りいたします。※最新事例を用いて作成する等の理由により、資料送付が直前になる場合がございます。
- ネットワーク環境により(社内のセキュリティ制限等)ご視聴いただけない場合がございます。
事前に「動作確認ページ」より動作確認をお願いいたします。
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