シリコン系負極を用いたリチウムイオン二次電池の課題とサイクル特性改善 ・バインダーでの改善

★リチウムイオン二次電池の開発設計、製造技術に従事した経験のある講師が、どのようなバインダーが適切なのかケイ素粉体を活物質として使用した負極の評価事例について紹介!
★あわせて、ケイ素粉体を活用した長寿命型負極活物質の合成技術の紹介!
★副産物由来の電極材料、シリコンと黒鉛シートの複合体電極の作製方法、シリコン粒子の凝集の抑制の効果および厚い電極の特性と課題について解説!

セミナープログラム

第1部 次世代二次電池の最新技術動向と電極材料への期待とバインダー

【12:30-13:45】

(株)スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング 代表取締役社長 技術コンサルタント 鈴木 孝典 氏(元クレハ、アルケマ)

【キーワード】
バインダー、リチウムイオン電池、PVDF、SBR、CMC、全固体電池、半固体電池、リチウム硫黄電池、金属硫黄電池、リチウム空気電池、金属空気電池、ナトリウムイオン電池、リチウム金属負極、ウエットプロセス、硫黄系固体電解質、酸化物系固体電解質、樹脂系固体電解質、次世代二次電池、シリコン負極、Si系負極

【講演のポイント】
25年以上にわたるリチウムイオン電池市場、バインダーへの関わりを通し、次世代二次電池について材料という切り口から、それぞれの電池の特徴、クリアすべき問題点、ターゲット、市場性、拡大の可能性などを説明します。また今回のメインテーマのシリコン負極用バインダーについても簡単に触れておきます。

【習得できる知識】
次世代二次電池の概要、材料、特徴、問題点、市場性の考え方、各種電池のバインダーに対する要求特性など

【講演主旨】
Si系負極が期待されている背景には、既に現行液系リチウムイオン電池の容量が限界に近づいているという理由がある。当然、全固体電池を筆頭に、幾つかの次世代二次電池が「ポスト・リチウムイオン電池」として期待されている。数多くのスタートアップや研究機関が「これこそが次世代電池の本命」とアナウンスし、投資熱は日々高まっている。しかし、本当に次世代電池が液系リチウムイオン電池を代替し、市場を席巻するのかという雰囲気がある。そこで、それぞれの次世代二次電池について基本的な理解をすることで、その疑問にある程度答えを見いだすことが出来ると考えている。そんな中で現実解の一つとして、シリコン系(Si系)負極について触れておきたい。また、私の専門であるバインダーが各電池系にどう関わるかについても説明していきたい。

【プログラム】

  1. 次世代二次電池が期待されるわけ
    1. リチウムイオン電池とはどんな電池か?
    2. 欠点としてあげられるポイント
    3. さらなる性能向上を期待
  2. 次世代二次電池の候補とその材料
    1. リチウム金属負極電池
    2. 全固体電池
    3. ナトリウムイオン電池
    4. リチウム硫黄電池
    5. リチウム空気電池
  3. 本当に「次世代二次電池」は来るのか?
    1. ロードマップ
    2. かなりイメージと違う予測
  4. 次世代電池のバインダーについて
    1. リチウム金属負極電池のバインダー
    2. Si系負極電池のバインダー
    3. 全固体電池のバインダー
    4. リチウム硫黄電池のバインダー
    5. リチウム空気電池のバインダー
    6. ナトリウムイオン電池のバインダー
  5. まとめ

【質疑応答】


第2部 ケイ素を用いた負極用バインダーの最適選択による充放電特性改善に向けたアプローチ

【13:55-15:10】

東北工業大学 工学部 電気電子工学科 工学研究科 電子工学専攻 教授 下位 法弘 氏

【講演主旨】
私達はリチウムイオン二次電池用活物質の合成研究開発を行っており、活物質の高容量化・長寿命化のためには電極を構成する素材の最適化が必要不可欠です。そこで、ケイ素粉体をベースにした負極活物質と共に電極を構成するマトリクス素材として、複数のバインダーについて物理的・電気化学的特性制御、活物質の膨張収縮等による合材層構造の崩壊抑制の効果を検証しました。本講座では、どのようなバインダーが適切なのかケイ素粉体を活物質として使用した負極の評価事例について紹介します。

【キーワード】
リチウムイオン二次電池、負極活物質、ケイ素粉体、充放電特性、バインダー、活物質瓦解防止

【講演ポイント】
リチウムイオン二次電池の開発設計、製造技術に従事した経験があり、電池を構成する正負極活物質素材の合成研究開発からバインダー・導電助剤を含めた電極設計、電池を活用したアプリケーションに至る応用技術開発まで幅広く携わっている。

【習得できる知識】
リチウムイオン二次電池用途に限らず市販バインダー素材の多角的な物理特性評価
ケイ素粉体を活用した長寿命型負極活物質の合成技術の紹介

【プログラム】

  1. 背景
    1. ケイ素負極活物質 (研究開発実績)
    2. 粉体活物質とバインダー
    3. バインダーの種類
  2. バインダー評価
    1. バインダーと活物質、集電体との密着性 (剥離強度)
    2. バインダーの圧縮強度
    3. 電極作製プロセス
    4. 充放電サイクル特性評価
    5. バインダーのみ負荷特性評価
  3. メカノケミカルプロセス合成ケイ素 (粉体) 負極活物質の充放電特性
    1. メカノケミカル法による粉体ケイ素の合成
    2. 負極活物質合成プロセス
    3. 充放電特性の評価
  4. まとめ

【質疑応答】


第3部 極薄黒鉛シートで内包したシリコン複合体電極の作製と高容量化

【15:20-16:35】

大阪大学 産業科学研究所 第2研究部門 (材料・ビーム科学系) 半導体材料・プロセス研究分野 准教授 松本 健俊 氏

【講演主旨】
昨今のエネルギー問題や社会情勢を鑑み、リチウムイオン電池の高性能化のみならず、この循環型経済の構築や倫理面での配慮にも関心が高まっています。本講演では、最初に、これまでのシリコン負極に関する研究例と背景について概説致します。次に、副産物を用いて作製したシリコン/極薄黒鉛シート複合体負極の研究、小型・軽量・低コスト化を可能にする厚い電極の研究・開発動向、さらに厚いシリコン/極薄黒鉛シート複合体負極への挑戦について紹介致します。

【キーワード】
リチウムイオン電池、シリコン、切粉、極薄黒鉛シート、膨張化黒鉛、複合体、高容量、高電流密度

【講演ポイント】
副産物由来の電極材料、シリコンと黒鉛シートの複合体電極の作製方法、シリコン粒子の凝集の抑制の効果および厚い電極の特性と課題について解説する。

【習得できる知識】
シリコン負極材料の特徴や、シリコン負極の解析法に関する知識

【プログラム】

  1. シリコン負極の研究
  2. シリコンと極薄黒鉛シートの複合化
  3. シリコン/極薄黒鉛シート複合体負極の特性
  4. 厚い電極の研究・開発動向
  5. 厚いシリコン/極薄黒鉛シート複合体負極の特性
  6. まとめと今後の課題

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 (株)スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング 代表取締役社長 技術コンサルタント 鈴木 孝典 氏(元クレハ、アルケマ)
【経歴】
1986年4月 株式会社クレハ(当時:クレハ化学工業株式会社)入社 総合研究所 ポリフェニレンスルフィド(PPS)重合条件の検討、該社初の量産プラントの立ち上げスタッフとして勤務
1989年4月 ポリプラスチックス株式会社(出向) フォートロン開発部 PPS樹脂市場開発・技術サポート
1994年4月 総合研究所 加工技術研究所 射出・押出成型用コンパウンド研究
1994年4月 KPS部  PPS市場開発、PPS樹脂・コンパウンド・機能性フィルム市場開発
1997年4月 機能樹脂部(アカウントマネージャー) フッ化ビニリデン・電池材料・PPS樹脂材料開発・市場開発
2001年4月 機能材料部 (フッ素樹脂担当マネージャー) 電池材料用途フッ化ビニリデンの材料開発、営業・市場開発
2005年4月 大阪支店 (機能材料部長) ポリフェニレンスルフィド、フッ化ビニリデン、カーボンファイバー、特殊活性炭、炭素繊維系断熱材、制電樹脂、光学樹脂、電池向けフッ化ビニリデンバインダーの市場開発、営業、技術サポート管掌。材料開発支援。 部署売上:50億円/年
2011年4年 株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン出向(開発担当部長) 電池向けフッ化ビニリデンバインダー・負極用炭素材料の開発。テクニカルサポート。品質保証部長(兼務)ISO9001取得プロジェクトで品質保証システムの構築指揮。(2012年12月認証)
2012年9年  株式会社クレハ 退職
2012年10年 アルケマ株式会社 入社 (2018/12/31退社) 京都テクニカルサービスセンター(シニアディベロップメントマネージャー)
2020年3月 株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング設立 現在、複数社との顧問契約でサポート中

第2部 東北工業大学 工学部 電気電子工学科 工学研究科 電子工学専攻 教授 下位 法弘 氏
【経歴】
1996年3月 東北大学大学院工学研究科 応用物理学専攻 博士課程前期2年 修了
1996年4月 ソニー株式会社入社
2007年~2010年3月 東北大学大学院工学研究科金属フロンティア工学専攻 博士課程後期3年 博士(工学)
2011年7月 ソニー株式会社退社
2011年8月 東北大学大学院環境科学研究科 助教
2012年4月 東北大学大学院環境科学研究科 准教授
2020年4月 東北工業大学工学部電気電子工学科 教授
【受賞】
[石田實記念財団研究奨励賞]
“高結晶化カーボンナノチューブの高電子移動を利用したウェアラブルデバイス湿式実装技術に関する研究”(石田實記念財団) (2016).
[Fellowship Award]
“低炭素社会を実現する省エネルギー型電子デバイスの創製に向けて”(NPO法人環境エネルギー技術研究所) (2018).
ほか、8件(~2022年)
【著作】
・Perspective of Carbon Nanotubes ” Conductive characteristics of highly crystalline single-walled carbon nanotubes by field emission”, Hosam El-Din M. Saleh editor, Norihiro Shimoi, InTech – open science – open minds, ISBN978-1-78923-053-6 (2019年3月).
・カーボンナノチューブ 応用と展開性, ISBN978-6-087263-12-1, 下位法弘, (2017年10月).
・高信頼性蓄電システム 技術と設計法,ISBN978-4-904774-55-7,下位法弘, 科学情報出版株式会社 (2017年4月).
ほか

第3部 大阪大学 産業科学研究所 第2研究部門 (材料・ビーム科学系) 半導体材料・プロセス研究分野 准教授 松本 健俊 氏
【経歴】
2001年 東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了、理学博士取得
2001年 南カリフォルニア大学 博士研究員
2003年 筑波大学大学院理工学研究科 講師
2004年 自然科学研究機構分子科学研究所 助手
       総合研究大学院大学先導科学研究科光科学専攻 助手(併任)
       総合研究大学院大学物理科学研究科機能分子科学専攻 助手(〃)
2007年 大阪大学産業科学研究所 助教
2014年 大阪大学産業科学研究所 准教授
【受賞】
2009年 Catalysis Today, Most Cited Author 2004-2008. Elsevier.
2014年 大阪大学総長奨励賞.
2017年 Key Scientific Article. Renewable Energy Global Innovations.
2017年 Albert Nelson Marquis Lifetime Achievement Award.
2018年 Key Scientific Article. Advances in Engineering.
【著作】
松本健俊, “リチウムイオン電池の厚いシリコン負極の高容量化と高電流密度化に成功”, クリーンエネルギー7月号, 日本工業出版, 30 (7) (2021) 46-53.
松本健俊, “シリコン/黒鉛シート複合体の開発とリチウムイオン電池負極への応用”, 機能材料2月号, シーエムシー出版, 41 (2) (2021) 50-58.

セミナー受講料

【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。 


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