5Gスマホ向けBAWフィルタの新しい圧電薄膜材料の特性とウエハ評価法、圧電薄膜の配向制御と応用【Live配信セミナー】

5G時代の弾性波フィルタの最新動向から
求められる材料技術まで詳しく解説!

セミナー趣旨

スマホには無線通信環境から欲しい周波数帯を送受信するためのフィルタが搭載されています。国際ローミングなどの影響で一台あたりの無線フィルタの数は増える一方で5G(3~4.7 GHz帯)の普及に伴ってますます大きなビジネスになっています。圧電・弾性波デバイス分野は開発に必要な技術水準が高く、人件費の安い他国に真似されにくいのも大きな特長です。しかし逆に、大学などの講義では一般的に取り上げられない固体音響学や高周波技術の積み重ねであり、専門家が少なく、半導体分野などに比べて新規に参入するのが難しい分野ともいえます。本講習会では、できるかぎり数式表現を避けて、参考書や教科書、論文などの独学では修得しにくい内容に焦点を当てて、講義を行います。

セミナープログラム

1.5Gスマートフォン向けフィルタRFフィルタの動向
 1.1 なぜ圧電材料フィルタに圧電材料が使われるか
 1.2 BAWフィルタ、SAWフィルタ、LCフィルタ
 1.3 BAW材料特性の重要性
 1.4 圧電材料のトレードオフ
 1.5 圧電単結晶の薄片化、貼り付け、Smart cut LiNbO3など
 1.6 新材料:ScAlN薄膜
 1.7 ScAlN薄膜の代替材料

2.基板付き薄膜共振子のkt2 測定法の比較
 2.1 本題に入る前に(基礎事項の確認)
  2.1.1 線形システムとインパルス応答
  2.1.2 ネットワークアナライザとオシロスコープの位置づけ
  2.1.3 基板付き薄膜共振子(HBAR)のタイムドメインと周波数ドメイン特性
  2.1.4 圧電体を用いた超音波の送受波
 2.2 電気機械結合係数: kt2
 2.3 熱電と圧電の結合係数のアナロジー: k とZT
 2.4 圧電薄膜のkt2値抽出法
 2.5 d33メータは圧電薄膜の評価には使えない
 2.6 IEEE Standardによるkt2 決定方法:共振-反共振法
 2.7 ウエハ付き圧電薄膜のkt2抽出法:変換損失測定
 2.8 基板付き薄膜の時間応答波形(インパルス応答)
 2.9 変換損失周波数特性AlN/石英ガラス
 2.10 kt2値の測定プロセス
 2.11 Mason等価回路モデル
 2.12 kt2 増大の例:AlNとScAlNの比較
 2.13 標準的な方法:共振反共振法との相関
 2.14 信号処理で誤差は発生しないのか?
 2.15 新しいウエハ付き薄膜のkt2抽出法:共振周波数比法
 2.16 共振周波数比法(自立薄膜構造)
 2.17 共振周波数比法(基板付き薄膜構造)
 2.18 ウエハ付の抽出法とIEEE Standardの方法の相間

3.ScAlNの電気機械結合係数と音響特性
 3.1 本題に入る前に(基礎事項の確認)
  3.1.1 ウルツ鉱(AlN, ScAlN, GaN, ZnOなど)の一軸異方性
  3.1.2 歪みと応力の工学的表記
  3.1.3 フックの法則(異方性を考慮)
  3.1.4 弾性定数(異方性を考慮)
  3.1.5 圧電基本式
  3.1.6 一軸異方性材料の圧電性(3方向が分極方向)
  3.1.7 結晶中の音波伝搬(一軸異方性結晶)
  3.1.8 座標回転(弾性定数と圧電定数)
  3.1.9 波動方程式の解(一軸異方性結晶の例)
  3.1.10 音速の異方性(一軸異方性結晶ZnOの例)
  3.1.11 変位の傾きの異方性(一軸異方性結晶ZnOの例)
  3.1.12 電気機械結合係数の異方性(一軸異方性結晶ZnOの例)
  3.1.13 傾斜配向ScAlN薄膜におけるk15’のSc濃度依存性
 3.2 電気機械結合係数と結晶配向性の関係
 3.3 ScAlN薄膜試料の結晶配向性
 3.4 電気機械結合係数kt2のSc濃度依存性
 3.5 縦波音速V33Eと横波音速V44 EのSc濃度依存性
 3.6 Brillouin 散乱法
 3.7 Brillouin 散乱スペクトルの例と音速測定
 3.8 縦波音速V11Eと横波音速V66 EのSc濃度依存性
 3.9 弾性定数のSc濃度依存性(密度汎関数理論と比較)

4.ScAlN薄膜の成長
 4.1 ScAl合金ターゲットの真空鋳造還元処理
 4.2 スパッタ成膜中の高速負イオン測定
 4.3 Scから発生する酸素の影響
 4.4 Scから発生する高速酸素負イオン(プレスパッタの効果)

5.ScAlN極性反転構薄膜共振子
 5.1 AlN薄膜の極性
 5.2 極性反転ScAlN FBARの特性
 5.3 エネルギー閉じ込めモード共振子への応用
 5.4 RFバイアススパッタ法による低エネルギー正イオン照射成膜
 5.5 極性の判定方法(プレステスト)

6.c軸平行AlN極性反転構薄膜共振子
 6.1 イオンビームを用いた配向性制御(c軸平行薄膜)
 6.2 厚みすべりモード共振子の特長
 6.3 非線形光学素子への応用

7.圧電トランス薄膜音響共振子
 7.1 電波のエネルギーハーベスティング(レクテナ)
 7.2 電波増幅の必要性
 7.3 従来の昇圧回(チャージポンプ)
 7.4 左右傾斜反転構造ScAlN薄膜
 7.5 傾斜配向ScAlN薄膜におけるk15’のSc濃度依存性
 7.6 圧電トランスのモデル化
 7.7 圧電トランス共振子の実測特性と理論特性の比較

【質疑応答】

セミナー講師

早稲田大学 先進理工学部 准教授 博士(工学) 柳谷 隆彦 氏

セミナー受講料

1名につき55,000円(税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき49,500円(税込)〕

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開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

電子デバイス・部品   計測工学   通信工学

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