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QUESTION 質問No.83

品質コストマネジメント導入について

企画 品質マネジメント | 投稿日時:
従業員1000人の印刷会社です。品質保証部員としての質問です。
会社はQMS、EMS、ISMS、PMSのマネジメントシステムの認証を取得していますが、QMS活動は営業部門及び経営層の理解が低く、低調です。生産部門も生産量、生産性が右肩さがりで低調ですが、クレーム件数は増加傾向です。
経営品質改革を目的に「品質コストマネジメント」を導入したいと企画提案しようと考えています。
伊藤嘉博氏(著)「品質コストマネジメントシステムの構築と戦略的運用」をテキストに関係部門に理解を求め、品質コスト抽出・集計から始めようとしていますが、総論賛成各論反対の壁にぶつかっています。
そもそも品質保証部から経営品質改革を目的に「品質コストマネジメント」の企画提案に無理があるように感じてきました。
品質コストマネジメントの企画、運用で有効な手段またはアドバイスをお願いします。
ISO9001-2015版での継続認証を1年後に予定してます。


ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

参考までに回答いたします。
4つのマネジメントシステムを受審されて、マネジメントシステムにご理解のある組織とお見受けしますが、ISO9001で効果が出ていないのが気になります。
品質コストマネジメントにいく前に、現在のISO9001の仕組みの中で、経営層、営業層の活動の活発にする必要があると思います。
1.問題点の明確化 顧客満足度、不良件数、仕損費など
2.品質目標に経営者、営業部が抱えている問題を解決する。
  不良件数は製造部などの活動が不活発と考えられる。

上記を解決してから、品質コストに挑戦することを提案します。

                                  及川忠雄




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。
二つの点について意見を述べさせていただきます。

まず、第一に「品質コストマネジメント」の取り組みについてです。
一例として、積水化学工業では、品質を支えるのは現場でのモノづくりであると認識し、品質の不備は、クレームへの対応や廃棄物の増加といったロス・ムダ…つまりコストにつながるという考え方をしています。
そして、「クレームゼロ、事故・不良ゼロ、廃棄物ゼロ」という「3つのゼロ」を目標に掲げてロスコストの削減に取り組んでいます。
「モノづくり革新指標」という数値を設定し
 外部損失費(クレーム・苦情処理コスト)
 内部損失費(製造工程不良処理コスト)
 生産コスト(原材料費、人件費)
 安全損失コスト(災害労災対応コスト)
 環境コスト(廃棄物処理、エネルギーコスト)
のように、すべてをコストに換算して管理します。
ただ、一夜にしてこのような活動が可能になったのではなく、長期の取組み結果であることは言うまでもありません。(積水化学ホームページより)

そこで、一気に全社取組みとして展開する前に、まず品質保証部門として可能な改革からスタートさせるべきと考えます。「失敗コスト」「検査コスト」「予防コスト」の分析と対策を、機種や期間を限定するなど、取り組みやすい具体的計画案を示し可能な範囲から実施します。

そこで第二点として、「クレーム件数は増加傾向」の問題です。
これは、何をおいても最優先で取り組まなければならない緊急課題です。現場の問題を放置?したままで、マネジメントシステムの議論はあり得ません。不良発生の直接原因の技術的な対策と、そこから導き出される「なぜその不良を発生させてしまったのか」「なぜ予防できなかったのか」について、現行QMSの予防プロセスの不備・欠陥を取り除くことが重要です。
(詳しくは、当研究所の推奨する「不良原因解析2段階法」を参考にしてください)

もぐらたたきの不良対策から、上流で未然防止を図る予防プロセス強化の品質管理体制に移行させることが、品質コストを下げる最も有効な手段と考えます。

まず、「クレーム件数ゼロ達成の予防プロセス構築」の目標を掲げ、クレーム一件、一件を対策する活動を通じて、コストを下げる「品質コストマネジメント」につなげていく方策が、現実的でより説得力があるように思われます。
品質の原点は現場でのモノづくりです。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

品質コストマネジメント導入について
 伊藤嘉博氏(著)「品質コストマネジメントシステムの構築と戦略的運用」をまだ読んでいないので、どのようなことを実施しようとしているのかが分かりませんが、QMSやEMSの観点から話を進めさせていただきます。
 まず、経営層の理解が低いと言っていますが2つの理由で積極的な関与を期待します。
1つ目は、ISO9000-基本及び用語に「品質目標の達成は、製品品質、運用の有効性及び財務実績に良い影響を与え、その結果として、利害関係者の満足及び信頼関係にも良い影響を与える」と記載しています。この“運用の有効性及び財務実績に良い影響に”は経営層の最大の関心事と思います。
 2つ目は、改訂された品質ISOの“4.1組織及びその状況の理解”や“利害関係者のニーズ及び期待の理解”は、認証審査では経営層に質問することになると思われます。文書化までは求められていませんが、何らかの回答を用意しておくことが必要になると考えます。(普通には質問されれば経営層から答えは出ますが、その後の審査で周知されているかまで及ぶと不安が残ります。是正要求まではいかないと思いますが。)

 経営層の理解が低いのは、高品質の追求と顧客満足の向上だけになっている為でないかと推測します。品質目標は同じくISO9000に「品質目標は、組織の他の目標、例えば、組織の発展、資金、収益性、環境及び労働安全衛生に関するものを補完する」と記載されています。更に「この規格では“もの”という用語が削除されているが、製品やサービスに限定せず、活動、工程、組織、人などの質をも意味することは変化していない」と記しています。
 すなわち、組織の発展の事業目標、財務目標の収益性を保管する、製品・サービス、製造活動・製造工程の品質目標の設定を求めているのです。
 品質目標の設定に“品質コスト抽出・集計”はよい影響を与える指針となることが期待され、工程や作業の改善につながり、品質マネジメントシステムの運用が容易で確実で且つコストにも良い影響を与えるものとなることが期待できます。

 また、顧客の明示した要求事項だけでなく、明示していないが意図した用途に応じた要求事項の推測並びに組織が追加する要求事項も合わせて明確にしていくことで、顧客クレームは減少させることができるのではないかと考えます。
 顧客クレームが“組織をとりまく人に生じた有害な影響”によりもたらされたものと考えれば、環境マネジメントシステムの応用ができるようになります。

 組織の活動は、事業目標や財務目標を含めて品質、環境、情報セキュリティ、個人情報保護並びに労働安全衛生が一体となって実施されるものです。それぞれが別々のマネジメントシステムで構成されていると、活動が低調になり、重複作業が生じて無駄が生じる恐れがあります。
 
 品質目標の設定は、事業の発展や収益性並びに環境及び情報セキュリティのそれぞれの目標を補完するものが策定され、作業工程や作業手順が継続して改善のための品質目標になることを期待します。
 その品質マネジメントシステムの運用により、容易で確実な生産体制が整い、コストダウンや売り上げ増加並びに顧客クレームの減少につながり、経営層にシステム運用の有効性を説明できるようになると確信しています。

ISOの2015年の改訂の大きな柱であるマネジメントシステムの統合の容易さを活かしたシステムに、再構築されることを期待します。

ISO規格を経営改善に翻訳する中小企業診断士
竹田将文
mh55takeda@agate.plala.or.jp




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