Q&Aサービスは終了いたしました。過去のQ&Aの閲覧のみ可能となっております。
新規に質問をする場合は上記「コミュニティ」より投稿してみましょう。


QUESTION 質問No.609

枝分かれ実験とGRR

設計・開発統計・SQC |投稿日時:
ある製品(箔材)の表面状態の分析を行っている(SEM、元素分析等)、評価結果がばらつきます。
このバラつき原因を特定する為に➀実験計画法の枝分かれ実験、②ゲージr&rのどちらかを採用しようとしております。しかし文献などを調べてもこの2つの違いが今一理解できない為、目的と対象とするバラつきをご教授頂けないでしょうか(分析は分散分析で可能ということは理解しております)

spacer
ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

専門家B 森本です
被測定物の詳細が不明ですので、回答が一般的であることを容赦ください。
1. DRRについて
測定システムの変動は「測定器、測定標準、測定者、測定方法、測定環境」が要因になります。ご存じのように定義式は
GRR^2=EV^2+AV^2   EV^2;繰り返し性、AV^2;再現性 
いずれも分散値
ご質問のように「SEM、元素分析等」であれば、通常一人の測定者が分析しますので GRR^2≒EV^2 と考えられます。
ばらつきの原因を特定することが目的ですので、EV^2をどこまで許容するかが重要になります。従って、複数の被測定物の全変動分散からEV^2を差し引いた値がそれぞれの被測定物の本質的な差になります。本質的なばらつきの差が原因特定の鍵になります。
2. 分散分析について
一元配置分散分析で縦軸にサンプル種類、横軸にSEMの繰り返し測定を取ります。
「縦軸効果の不偏分散」と「誤差の不偏分散」を使いF検定し、「誤差」に対して
「縦軸効果」の有意性を判断します。「誤差」に対して「効果」に有意性があれば、
純粋にサンプル間の差を検証できます。サンプル間の差が明確になれば、原因特定の鍵になります。ここで、誤差は統計誤差とも呼ばれ、実測値と予測値の差です。
従って、上記EV^2が含まれます。
二元配置で縦軸にサンプル種類、横軸にSEM設定条件(加速条件等)の分析も原因解明のヒントになるかも知れません。
3. 結論
 GRRと分散分析の違いは誤差の定義の違いです。しかし、統計誤差は実測値と予測値の差になりますので誤差の中身を層別することは困難になります。
 まずは全変動にたいしてGRRの影響度を定量化することが必要です。
 GRR、分散分析は原因特定のための予備解析でサンプルの定量差を物理解析することが重要と考えます。所詮、統計解析は物理解析までの絞り込みの一手段にすぎませんから。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

専門家Bの深澤です。
ばらつき問題は大変ですよね。
ばらつきの源泉が何かを突き止めなくてはいけません。
箔材の表面状態の分析結果がばらつくということですが。
何を分析しているのでしょうか?無機元素の割合などでしょうか。
私も昔にアルミ缶の内面状態をSEMで測定して、Na元素などの分布を解析したことがあります。詳細は覚えていませんが、塩析したNa元素が内面コートに悪さをして、ピンホールを招いたということが分かりました。
評価の結果がばらつくには、原因があります。
一概に「計測の問題」とはいえませんよね。
①枝分かれ実験
サンプリング→測定のどこのばらつきが大きいのかを推定することができます。
②GR&R
繰返し性(測定器変動)と再現性(測定者変動)を推定します。
どちらも原因究明には使えそうもないですね。
ばらつき原因を解析するなら、「品質工学」のSN比を活用したパラメータ設計を行うと良いです。
ちなみに「分散分析」ではばらつきを解析することはできません。等分散の仮定の下で、平均値の差があるかどうかを評価する手法ですから。
しかし、測定自体にばらつきがあって、ばらつきの小さい測定法を開発したいというなら、機能性評価が良いでしょう。測定法ごとに感度とばらつきを評価して、どちらの測定法が妥当かを判断することができます。
他にも専門家が沢山いますので、色々知りたいことを検索してみてください。