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QUESTION 質問No.562

直交表実験の目的

設計・開発品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:
関西品質工学研究会のページに直交表の目的が説明されています。

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直交表実験の目的は、特性値の加法性のチェック。制御因子の水準は最終的には固定するので、制御因子間の交互作用のチェックは重要ではない。

研究室での実験の利得が、下流条件(現場や市場)において再現するかどうかを検査するために直交表実験を行う。

※引用元
https://kqerg.jimdofree.com/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E7%9B%B4%E4%BA%A4%E8%A1%A8/
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このとき、以下の解釈で正しいでしょうか?
「特性値に加法性がある」=「確認実験において利得が再現する」=「交互作用が小さい」=「(交互作用が小さいので)下流でも因子の下流再現性が高い」。

また、この解釈が正しい場合、交互作用が小さいとなぜ下流再現性が高いのでしょうか?

補足1 投稿日時:2021/10/28 10:41

対馬様
早速アドバイスをいただき、ありがとうございます。

自分の理解が低くて申し訳ありません。せっかく例示いただいたものの、交互作用が小さいとなぜ下流再現性が高くなるのかまだ理解できず、可能であれば教えていただけないでしょうか?

例えば、上流実験で利得が再現できない原因が、誤差因子の与え方や計測の問題ではなく交互作用であった場合、交互作用があっても最終的には水準固定するので、一致しない利得に納得できるのであれば(誤差因子起因ではないと考えられるのであれば)、直ちに下流再現性の問題にならないと思っていました。

確かに交互作用があった場合、下流工程において設定した条件から値からずれた際に、特性値が正負どちらにずれるかわかりにくくなるかとは思いますが、設定条件からのずれに対するロバストネス性(の強さ)は交互作用があるかどうかとは関係ないと感じました。

この考えはどこが間違っていますでしょうか?

補足2 投稿日時:2021/10/29 10:47

田口様
アドバイスありがとうございます。制御因子と誤差因子に関しては積極的に交互作用を見つける、というのは何となく理解しています(だから外側に直交表を割り付ける)。一方、上の引用のとおり、制御因子間の交互作用をどう捉えるかがまだ自分としては整理できていません。

「再現実験による感度・SNが一致しない(推定と確認の差が大きい)場合、制御因子間の交互作用が発生していると考えられるが、その感度・SN値で満足できるのであれば問題ない」と考えるのか、「制御因子間に交互作用が発生していると(何らかの理由で)下流再現性が悪くなるので採用しない方がいい」と考えるのか、もしくは「感度とSNで解釈が異なる」のか、という点が疑問点です。

自分は化学というより生物系の人間です。生物領域は品質工学の利用例が限定的な印象です(生物反応は交互作用が多いためと考えています)。また、アドバイスいただいた動的機能窓も検討したことがあるのですが、自分の系だと基質を絶えず供給しているので適用できませんでした。それでも品質工学的な考え方は活用できるのでは?と思っており、試行錯誤している次第です。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

品質工学のコンサルティングをしております対馬と申します。

まず、交互作用について説明します。
交互作用とは、ある制御因子の水準の効果が他の制御因子の水準によって変わることで、B1ではA1がよいが、B2ではA2がよいといったことを言います。 こういった交互作用がある場合には、制御因子Aの水準、Bの水準にそれぞれ有意差があっても、直交表では組み合わせ実験をしますから、A、B共に水準に有意差がないという結果になってしまいます。

したがって、実際は水準に有意差があるのに、実験結果として有意差がないと出るわけですから、交互作用が大きいと確認実験において利得が再現しないことになり、そのため因子の下流再現性が低いことになります。

逆の言い方をしますと、直交表を用いて行なう実験で下流再現性の高い結果を得るためには、制御因子間に交互作用を生じさせないことが必須になります。 なお、交互作用の例としては温度と時間の関係があり、この場合スライディングによる水準設定を行ないます。

ですので、ご質問については、
「特性値に加法性がある」=「確認実験において利得が再現する」=「交互作用が小さい」=「(交互作用が小さいので)下流でも因子の下流再現性が高い」。の解釈は正しいです。
また、交互作用が小さいとなぜ下流再現性が高いかについては、上述の説明でおわかりいだだけるかと思います。

以上、参考になれば幸いです。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:



PQさんのおっしゃるとおりで、一致しない利得に納得できるのであれば、直ちに下流再現性の問題にはなりません。
下流での再現性(ロバストネス)には、誤差因子の与え方が大きく影響します。
言葉足らずでした。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

制御因子間のSN比(ロバスト性)に対する交互作用が強いと再現しませんよね。

制御因子Aの水準のみを現行から変えた場合ロバスト性が良くなったとします。また、制御因子Bの水準のみを現行から変えた場合ロバスト性が良くなったとします。AとBを同時に変えたらロバスト性が良くなるどころか悪化するというのは問題です。その場合制御因子間のロバスト性に対する交互作用を調べなくては信用できないので開発の効率が悪くなります。私はこの議論は開発の効率の問題と捉えています。

下流での再現性の問題は、何を測るかの理想機能や特性値の問題と、優れたテストピースやジグやシミュレーションやシミュレータを考えることが一番の近道です。私がわかりやすい例と思ってこの10年間使っているのが、ライト兄弟の風洞です。自転車屋だった彼らは2メートルぐらいの風洞を創って、様々な飛行機の機体の安定性を風洞で目視で評価することで過酷な競争に勝つことができました。風洞で安定していたら実機でも安定しているだろうというのは誰でも理解できると思います。これこそ下流における再現性です。彼らは直交表もノイズ因子もSN比も使っていませんが、コストと時間のかからない再現性のあるロバスト性の評価法を開発したのです。

もう一点はロバスト性は制御因子とノイズ因子の交互作用ということを認識してください。

他の質問でお見受けするところPQさんは化学系のようですが、化学反応の場合は反応速度を2段階最適化するとか、過剰反応と未反応を減らしたのですから目的反応速度と過剰反応速度の比を最大化することが、ロバスト性評価の近道と考えてください。

以上です。





ANSWER
回答No4 | 投稿日時:

PQさん:「再現実験による感度・SNが一致しない(推定と確認の差が大きい)場合、制御因子間の交互作用が発生していると考えられるが、その感度・SN値で満足できるのであれば問題ない」と考えるのか、「制御因子間に交互作用が発生していると(何らかの理由で)下流再現性が悪くなるので採用しない方がいい」と考えるのか、もしくは「感度とSNで解釈が異なる」のか、という点が疑問点です。

田口:「推定と確認が一致しないと下流での再現性が怪しい」という考え方は、理想機能やノイズの戦略以前の実験計画法の時代から続いています。個人的には、理想機能とノイズがしっかりしていていれば、確認実験で再現しなくとも下流でロバスト性を確保する可能性は大きいと思っています。ただ未知のノイズに対するロバスト性は確率は高くなるけど100%の保証はできません。ですから、英語で言うValidationの試験はしっかりやることが必要です。ロバスト性を最適化したからValidationは必要ないというのはとんでもない間違いと思っています。間違いないのはロバスト性を評価して、最適化することは意味があるということです。設計の限界を把握することは技術のマネージメントには大切な情報です。ダメな設計は早く諦める。「失敗するなら早いうちに失敗しろ!」は名言です。

と、言いいながらも、再現性が悪い場合は、その実験で得た技術情報が信用できないという大きな問題があります。再現しないと、その技術に対する知見が足りていないという意味合いがあります。理想は、再現性があって、Validationで問題がなく、しかも要求以上の設計ができることですよね。

PQさん: 自分は化学というより生物系の人間です。生物領域は品質工学の利用例が限定的な印象です(生物反応は交互作用が多いためと考えています)。また、アドバイスいただいた動的機能窓も検討したことがあるのですが、自分の系だと基質を絶えず供給しているので適用できませんでした。それでも品質工学的な考え方は活用できるのでは?と思っており、試行錯誤している次第です。

田口:私自身、生物系での経験はあまりないのでなんとも言えませんが、生物系の機能の定義と理想機能の定義がKey Pointと思います。普通、結果がいい・悪いで判断しがちですが、結果が悪いのは機能の効率やバラつきの症状でしかないのですから機能の定義とその評価法を考えることが重要と考えます。言うのは簡単ですが・・・。父玄一にはよく「考えろ!」と言われました。

「基質を絶えず供給しているので・・」の意味合いを教えていただければ幸いです。

生物系ではMTシステムを駆使するのも良さそうですね。

以上です。




ANSWER
回答No5 | 投稿日時:

 あるデバイスの技術開発から量産立ち上げまでの経験から回答させていただきます。3時間に1サンプルしか作れない実験用成膜装置による技術開発から、1枚/12秒タクトの大量生産へのスケールアップに成功した経験からのコメントです。この事例では技術開発段階で、約二年にわたり、システム考案と選択を繰り返しながらパラメータ設計を繰り返し実施しています。最終的に量産可能と判断したシステムでは良好な再現性が得られ、ロバスト性と性能の両立範囲も十分な技術レベルに達しました。しかしながら、技術開発段階での最適条件は量産装置で再現しないと判断したのです。
 
 この事例ではスケールアップで最適条件がずれることを事前に予想して、事前に組成の異なるターゲットと呼ばれる原材料を複数購入して量産立ち上げに備えました。そして、量産装置で改めて全ての制御因子の水準最適化を実施し、量産条件を決定したのです。やはり、予想どおり最適水準は実験装置と大幅にずれていました。たった2か月の突貫工事のような立ち上げが成功したのは、制御因子間の交互作用が少ないシステムであったことにあります。つまり最適条件は再現しなくても各制御因子の効果が再現してくれればスケールアップは成功する可能性が高いはずです。