※いずれも質問投稿には会員登録が必要です
個人情報(個人名やメールアドレスなど)が公開されることはありません。


QUESTION 質問No.447

VOC(お客様の声)の優先順位付け、想定効果算出法について

市場品質  | 投稿日時:
はじめまして。機械部品のメーカーにて、VOC(Voice of customer)活用推進を担当しています。

自社の商品やサービスに関するVOCを収集・蓄積して、顧客の求める商品やサービス改善につなげていくことは、非常にやりがいのある仕事と感じているのですが、日々悩んでいるのが、今回相談したい
「たくさんある要望・クレームの中で、どの要望・クレームに優先的に対応すべきか、改善すればどの程度の効果が見込めるのかの、定量化の仕方」です。

うまく定量化することで、優先順位付けの仕方を改善したり、社内の様々な関連部署を動かす(説得する)のにかかる時間を短縮したりできるのではと考えています。

自分なりに色々調べてみたところ、「NPS(Net Promoter Score)」を使った事例(主にB to C)、あるいは「テキストマイニング」でキーワード(係り受け含む)出現頻度を見える化したり、「シックスシグマ」では最初のフェーズでVOCを使っているという情報は見つかったものの、
定量評価がないテキスト情報(VOC)を具体的にどう活用(優先順位付け、想定効果算出、プロジェクト化)し、どのような成果につながったのか、何が成功のキーなのかといった点に関し、具体的に参考になる事例は、あまり見つけることができませんでした。

特にB to B領域において、収集したVOCをどのように分析して、課題や改善目標、改善想定効果金額などを定量化するのか、具体的な手法、ツール、事例、ポイントなどご存知でしたら、教えていただけないでしょうか。
参考になる書籍などもあれば、ぜひ教えて下さい。

よろしくお願いいたします。



ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

しんしん様、ご質問どうもありがとうございます。

VOC(Voice of customer)活用推進を担当されているとのこと。とてもやりがいのある面白い仕事をされているようですね。

ところでIoTの時代は、信号を検出するセンサーがスマートなソリューションを左右します。それと同じようにVOCを定量化するVOC活用推進というお仕事は、まさしくビジネスにおけるセンサーの役割を果たすものだと感じました。

さて、VOCを定量化する方法には様々なものがあります。マーケティング分野におけるアンケート(サーベイ)技術などはその最たるもので、AIや機械学習などの分析面も含めて進歩を続けています(特にB to C)。

B to B の分野はまだ旧態依然としているものがありますが、やはりマーケティング業務を中心として顧客情報の有効活用が進んでいます。

いずれにせよ、VOCを活用するためには、まず目的、つまり解決したい課題は何か、ということを明確にします。そして課題を解決するための仮説や想定される行動(分析方法やアクション、プロジェクト)までも考慮しておく必要があるでしょう。なぜならVOCはその課題を解決するための裏づけデータを提供するからです。また正確な分析ができるようなデータ構造などが必要だからです。

目的や分析方法などが異なると、定量化の仕方なども異なってくるため一概には説明できません。しかしシックスシグマなどは基本的なVOCのやり方について説明していますので、もし文献などが手に入るようでしたらシックシグマを参考にすることをお勧めします。

自身のブログ記事で恐縮ですが、「解説: 顧客の声から顧客の価値へ」というタイトルでVOCについても書いています。宜しければこちらもご参照下さい。

https://sigmaframework.com/ja/

少しでも参考になりましたら幸いです。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

過去20年間、欧米でDFSS Design for Six Sigmaの教育とDFSSのテーマのコーチングをしている者です。DFSSはシックスシグマの仕組みを使って設計開発のテーマを進めるものです。問題解決のDMAICではなくIDDOVというプロセスを応用しています。

 I:テーマ選択とプロジェクト計画
 D: ニーズとウォンツの創造と目標の設定
 D: 設計コンセプトのアイデア出しと選択
 O: ロバスト性の評価と最適化
V: 結果・成果の検証とアクションプラン

ご質問のVOCの重要度の評価はIDDOVの最初のDで必要な作業です。
以下、IDDOVの「I」と最初の「D」を簡単に説明したものです。これは日本の品質工学会の学会誌に書いたものから引用しています。

I: Identify Opportunity:
 テーマ選択,背景と理由,目的、スコープの定義、人の役割(チャンピオン・スポンサー・チームリーダー・メンバー・DFSSコーチ)、進め方の道筋であるプロジェクトマップとタイムラインと予算を決めてチャーターという計画書を作成します。
 DFSSプロジェクトのIDDOVのIとVはすべてのテーマで必須ですが、DDVはテーマ毎に必要性を見極めて取り入れます.従ってプロジェクトのバリエーションはIDDOV、ID_OV、I_DOV、I__OVなど様々です.例えば現状設計は変えられないけれどVOCを今一度整理したいという場合はID_OV、色の組み合わせやスタイリングなど主観的なものはIDD_Vとなる.これはIdentifyのステージでプロジェクトマップとしてリーダー、スポンサー、DFSSコーチで決めていく.いずれにしても管理職がテーマ選択にかかわることが重要です。

D: Define Requirement:
 最初のDはVOC(Voice of Customer)の生データから隠れたニーズとウォンツを創造して競争力のある製品やサービス定義することです.そのためにQFDの品質の家を建てます.
 ニーズとウォンツは客さんの言った言葉そのものではありません.使い方を観察したり、コメントに対して「何故?」を何回も聞き返したり、つぶやきを盗み聞きしたりしてVOCの生データを得ます.この生データを一つの意味のVOCに変換します.例えば「SUVのリフトゲートは電動にしてくれ」というのはニーズやウォンツではありません。このVOCの生データをVOCに変換すると「簡単に開け閉めしたい」、「手で触れることなく開け閉めしたい」、「リモートで開け閉めしたい」などになります。理想は生データに隠れている顧客も気づいていないニーズとウォンツを探り当てることです。従ってこれらの作業には創造性が欠かせません。
 システムの大きさにもよりますが何百何千というVOCになった場合は親和図法でグループ化して20~60項目にします。
 各VOCの声の強さを評価するために、VOCの項目をお客さん50人ぐらいに送ってトップ10を選んでもらいます。その結果からA:強い、B:どちらともいえない、C:あまり強くないの3段階評価にします。つまり声の強さはお客さんに評価してもらうのです。中国と米国ではVOCの綱目によって強さが異なりますから必要ならセグメンテーションも考えます。
 次に現状設計と競合設計などの満足度をベンチマーキングをします。各VOCをどれだけ満足しているか評価します。これもお客さんお意見が理想ですが、自分たちでやるのであれば謙虚に評価します。
 VOCの強さとベンチマークの結果から戦略的ターゲットを設定します。声の強いVOCで大きく負けていれば少なくともキャッチアップ、声が強いのに誰も満足させていなければリープフロッグ(蛙飛び)という一人勝ちの目標値を設定するなどです.これらの作業は必ずチームで進めます。ニーズとウォンツの発見と戦略的目標設定が目的です。
 必要であればVOCを評価特性に展開してVOCの目標値を達成するための計測可能な評価特性の目標値を設定することになります.家を建てる順番が重要です。このプロセスは意味のある議論の場づくりであり、声の大きい者や役員の牛耳りを避けること,コンセンサスを得ること、コミュニケーションと文書化という大きなメリットがあります.

以上です。
製品のあるフィーチャーが必要かどうかだけではなく、ホリスティックにニーズとウォンツ(VOC) の発見を目指すことが重要です。