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QUESTION 質問No.364

機能性評価について

設計・開発 品質工学(タグチメソッド) | 投稿日時:
初めまして。

設計開発区で、機能性評価をするためのツールとして、主に機能性評価をするための単体評価機や、機能の出力を定量的に評価できる評価法の検討を担当しています。

それに伴い、品質工学など勉強中なのですが、なかなか活用方法や、言葉の意味の理解ができないため、下記内容についてご教授頂けますと幸いです。

①機能性評価で見る機能について
基本機能で評価することが好ましいとの記事を読みましたが、基本機能はどのように定義すればいいでしょうか?
②機能の定義の事例
よく、自動車が動くこと(動的な現象)や、それに対して燃費を機能に分解する事例を見ますが、静的な現象や、化学現象でしかとらえられない場合、対象が材料系の事例などもありますでしょうか?その場合は機能性評価をする必要はないのでしょうか?
③複数の機能が出てきた場合
機能がいくつか出てきた場合には、どのように対応すれば良いでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。


ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

 主に機械技術に特化したコンサルティングに従事しております。有限会社マシナリーラボの中村です。
ものづくりの中枢をなす品質評価に携わっておられるとのこと、少しでも一助となればと御質問①~③を順を追って回答させていただきます。

①機能性評価で見る機能について・・・
 よくある議論ではありすが、明確な定義等が定まっていないのが現状ですが頑張って回答します。
 まず基本機能の受入側として目的機能というものが存在し、この目的機能とはクライアント等の需要者側が欲する機能(品質)を指し、すなわち目的ということになります。
 次に基本機能でありますが、目的機能を達成、満足させるための手段をいい品質工学では自然法則で定義することになっているのが一般的です。
 両者を例えるとあるクライアントが遊びで楽しみたいとします。
 この場合目的機能は「楽しむ」ということになります。
 次に基本機能ですが、経緯を省きますが、検討した結果メリーゴーランドを選定することになった場合、基本機能はメリーゴーランドに乗用する人が楽しくなるような回転及び上下動を実現するための「エネルギー変換」ということになります。
 基本機能は、あくまでも供給者側(開発・設計者等の技術者)主導で決定されるものです。
 何故ならば、需要者側はあくまでも楽しみたいということだけなので、その手段というものは直接関心が無いとも言えるからです。
 基本機能の特定方法としては、導出した手段に対し自然法則の原理となるまで抽象化していくという作業が必要です。
 基本機能の分類方法の代表例として、エネルギー変換、線形変換、転写、保形、均質化、反応制御、確動等を採用されているようです。
 品質工学では、品質を測定せず機能を評価するということが鉄則であり、これは機能の根幹をなす基本機能のパラメータを評価、測定することが結果的に最終品質のばらつきを抑えやすいということに繋がり、コストダウンと品質の両輪を最適化するための方法といえます。

②機能の定義の事例・・・
 静的特性は、機能性評価ではなく多くは品質評価ということになります。
 これは、ある決まった目標値を持つ特性を対象とするため品質に対し根本的な解決に至らないためであると言われています。
静的特性の評価手法としては、望小特性(より小さい方がよい。)、望大特性(より大きい方がよい)、望目特性(ある決まった値)、ゼロ望目特性(0を目方とする値)、100分率特性(100分率で決まる値)の特性のS/N比により評価するのが一般的です。
 機能性評価(動特性)の対象は、一般的に一定の目標値を持たず入力Xに対して出力Yが線形(比例関係)になるものを対象としています。
 機能性評価の対象が材料系の事例は、多数存在します。
 この場合、対象が動特性を有することが前提となります。
 例えば、力と変位の関係(バネ定数)や成形品や鋳物などで型寸法と成形品寸法を要求するものなどが挙げられます。

③複数の機能が出てきた場合機能がいくつか出てきた場合には、どのように対応すれば良いでしょうか?
 まず、優先順位をつけることが重要でその場合、その機能が無くてはならないものかどうかに焦点を当てて検討してみるのが得策となります。
 その他にも実状にあった一般的な手法も試されてはいかがでしょうか。

 これからの御活躍を期待致します。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

のっぽ技研の長谷部も回答させていただきます。
「品質工学は難しい」という罠に落ち込んでしまったようですね。機能性評価もそうですが、品質工学を使う場合、自分の目的をもう一度考えて、もっと気楽に試してみましょう。

機能性評価の目的は、評価対象の製品なり工程なりの実用化後の信頼性を予測したいことです。できるだけ少ないデータ数で、短期間により正確な品質予測をするには、どうすれば良いでしょうか。つまり、評価の検出感度を高める工夫です。
そのためのポイントは二つあります。
一つ目は、誤差因子(ノイズ因子)を使うことです。実用化前の評価で実用化後の品質を予測するのですから、問題やトラブルが起きそうな条件を使って評価した方が、検出効率が良くなります。ですから、仕様範囲などにはこだわらず、わざと意地悪な条件でテストして問題点を出してしまうのです。
次は、測定項目です。何を測定すればいいかですが、できるだけ機能を測定しなさいというのが基本です。上で話したように、機能性評価は問題点を早く出してしまうのが狙いですから、品質特性(問題点など)ではっきり差が出てくる前に、機能の変化量を測定した方が効率が良いことになります。たとえば電流値のように、トラブルにはなるほどではないが、少し変化したことが分かるからです。ですから、もともとの設定値よりわずかでも変化したことが分かる特性なら、何でもいいことになります。普通はエネルギーに関係した項目がよく使われますが、こだわる必要はありません。
田口先生は「機能性評価の場合は品質特性でも構いません」ということも言っていました。パラメーラ設計の場合は、直交表から最適値を予測するので加法性(再現性)を気にしますから、品質特性は使いにくいからです。しかし機能性評価では加法性は必要ありません。
要するに、自分の目的にあったもの、つまり評価対象の性質が表現できるもので、簡単に測定できるものを使えば良いのです。重要なことは、できるだけ意地悪な条件でテストすることです。

このように考えた場合、①~③の質問の答えは、以下のようになります。
①基本機能の定義のような、学術的なことは気にしなくてもよい。定義の言葉は、分かったような言葉で書いてあっても、結局よく分からないことが多いですよね。
②機能の事例:自分たちが技術的に重要だと思う特性値を使いましょう。品質特性(問題点など)は技術の言葉ではありません。機能とは、入力(仕事をするためのエネルギーや情報)と出力(なした仕事の量または変化量)の関係ですから、○○-○○特性という形になります。電圧-電流特性、圧力-歪特性、電力量-仕事量など。最後の「電力量(エネルギー量)-仕事量の関係」が、機能を考える時の基本になります。
③複数の機能が考えられ、そして測定が可能なら、データをとってしまいましょう。得られる技術情報が増えるのですから、あとでメカニズム解析などに有効です。実際に複数の測定値を使った経験も多いですよ。

基本機能を気にしたり、複数の機能を気にしたりするのは、パラメータ設計の場合です。機能性評価の場合は、品質評価の効率的方法だぐらいに、気楽に考えましょう。要は、実用化後の信頼性が、設計開発時に効率的に予測できればいいのですから。
品質管理のような、スペックへの合致度は考えなくていいですよ。意地悪な条件を入れるのですから、当然スペックから外れるようなデータも出てきますが、その程度が少ないものを良い評価にすればいいのです。

以上です。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

はせべ@のっぽです。
メカニズム解明に関する質問に答えます。
メカニズムが分かるということは、問題発生時の対応が早くなるのはもちろんですが、本来は設計時点で問題発生に少ない設計を実現することの方がより重要です。
コストや納期の関係で狙い通りの設計ができない時でも、次工程(量産工程や販売部門)へ気を付けるべき情報を発信することが可能になります。