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QUESTION 質問No.312

実践における直行表の選び方について

設計・開発統計・SQC |投稿日時:
実際に直行表を使う上で2つほど質問させてください。

・直行表には2水準や3水準のものがありますが、実践的、一般的にはどのように使い分けられているのでしょうか。

・例えば5因子の実験をやりたいとして、それぞれの交互作用が強いのか弱いのかあるいは無いのか、あまりわかっていないとします。この場合、L16、L18、L27あたりを使うべきなのかな、と考えているのですが、2/3水準系と混合系を使用する上でのメリットやデメリットを教えていただきたいです。



補足1 投稿日時:2017/06/13 18:12

補足として書く質問かはわかりませんが、よろしくお願いします。
仮にタグチメソッドで設計するとして、因子A,B,C,D,Eの中でA×Bの交互作用が強くありその他は小さいことがわかっているとします。
この場合
①混合型で交互作用を分散させる
②2/3水準型でA×Bの交互作用が現れる列を空けておく
③水準ずらし法を使う
④そもそもAやBは因子として使ってはいけない
などが思いついたのですが、どういったイメージで設計していくのが一般的なのでしょうか。

あともう一つ
「相乗効果や相加効果でよくなるのなら問題ではありません」とありますが、実験計画法の場合、主効果と交互作用が交絡している(考慮しない)と、相殺にしろ相乗にしろ目的の設計値に合わせづらくなったりしないのでしょうか。素人丸出しの質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

 品質工学、実験計画法や多変量解析による改善、開発のお手伝いとしてのコンサルタントをしている村島です。簡単に、お答えいたしますので、わからないところは補足質問願います。
 まず、「直行表」ではなくて「直交表」です。
 5因子の実験で、2水準か3水準か、混ざっているのか、いろいろのパターンが考えられますが、それよりも重要なことはまず「交互作用」についてどう考えるかです。
 交互作用があるかどうかは、分らない場合も当然あります。わかっている場合は、むしろ交互作用というのはおかしいとも言えます。たとえば、化学反応などで温度と時間などは、温度条件が変われば適切な時間が変わるのは当たり前で交互作用ですが、こういう交互作用がでないように一方の水準にあわせて、他方の水準を変えれば交互作用はでません。水準ずらし法です。ただ、これは大体のベターな組み合わせ効果が分かっている場合でしかつかえません。交互作用というのは、やってみないとわからない、しかし、組み合わせれば悪くなることが十分考えられるという場合に問題になります。相乗効果や相加効果でよくなるのなら問題ではありません。
 さて、そういった意味で「悪い組み合わせが予想される交互作用」があるとして、これに対してどう考えるかが重要です。
 一つは、因子間交互作用があるかどうか調べることです。原因探しです。もうひとつは、交互作用があろうが、なかろうが「強い因子とその水準」を決定することです。
 前者の考え方で進めるのなら、従来型の実験計画法により、交互作用の列がわりつけられる直交表(L16とかL27)でないといけません。後者の考え方は、品質工学のパラメータ設計などが代表格です。この場合、交互作用が入ってきても、大きな効果のある因子を探すことになるので、混合型直交表が適しています。(L12やL18)
 メリット、デメリットということは、以上の説明から容易にわかりますが、前者は一部の交互作用がはっきりする(メリット)が、交互作用に対して強いかどうかの主効果の効果は全ての因子の組み合わせに対して実施できているわけではないので、不明(デメリット)。
 後者は、交互作用が知りたい場合には無理(デメリット)。ただし、取り上げた因子の交互作用が入ってきても頑健な主効果のある因子がわかる。(メリット)。ということになります。使用環境はじめノイズへの耐性をあげたいのならこの方法のほうが優れています。(メリット)
                            以上です。
 




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

村島です。補足質問へのご回答ですが、一般的には、L18を使うのであれば、第一列と、第二列にA、Bを割り付けます。こうしておけば、AとBの交互作用が他列とは独立に効果計算できるからです。
 交互作用があっても強い設計にしたいのであれば、(L18を使う時点でそういう覚悟をしたことになります)、①の分散させるように割り付けるのもいいと思います。ただ、あきらかにAとBには交互作用があるのであれば、第一列と第二列に割り付けた方が無難です。
 なお、「あきらかに」の意味ですが、程度問題ですが、真に明らかなら水準ずらし法を用います。
 ケースバイケースです。
 追加の追加質問についてですが、調整はいくらでもできます。交互作用込での推定ならびに信頼区間の問題になるので、十分計算可能です。ただ、交互作用をあてにした計算は実用での再現性に乏しいでしょう。
 なお、交互作用といっているのは、通常は組みあわせの特殊な効果をいいますが、「悪くなる場合」をよほど警戒すべきだということです。いいものを組み合わせて、よけいによくなるのは、全く実害にはなりません。悪くなる場合への警戒のほうがよほど、重要です。
 といいますか、交互作用といっているのは、通常実験計画法では悪くなる場合を想定しています。
                            以上です。