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QUESTION 質問No.172

管理・間接部門の改革推進

全体/その他 |投稿日時:
当社は、年商37億円、産業用装置製造部門です。個別受注生産の大型製品と小型機器の標準生産が混在する生産形態です。今回、管理・間接部門の改革で質問させて頂きます。当社の管理・間接部門は、現場と同様に進めてきた5Sも定着して、目で見る管理やファイリングシステムの確立は出来ました。ところが、肝心の業務改革の推進に進みません。管理・間接部門の改革推進を、この先、どのように進めて行けば良いのか、運営・手順など、解説をお願いします。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

 日本経営品質賞、全社的プロセス改革支援の視点等から、アドバイスします。

 一般的に、QCストーリーと呼ばれる仕事のプロセス(やり方)の改善ステップは、次の通りです。①テーマの選定 → ②現状把握 → ③目標設定 → ④要因分析 → ⑤対策立案 → ⑥対策実施 → ⑦効果確認 → ⑧歯止め。しかし、"改革"は、目先の改善ではないため、現状の問題分析に主体性を置くQCストーリーでは不十分となる可能性があります。多くの企業で、成果のあげられない原因がここにあるのではないかと思います。では、どうしたらいいでしょうか。以下に、管理・間接部門のプロセス改革で、上手くいった例の手順を列記します。
(1)業務の本質的目的を探求する
 管理・間接部門の業務には、主に、企画、人事、総務、経理部門等があります。ここでも、開発部門と同じように、「何のためにこの仕事を行うのか?」を徹底的に議論することが効果的なのです。そのためには、マーケティングコンセプトの3要素である、「ターゲット」「ニーズ」「差別化能力(ノウハウ)」を明確化すること。ターゲットを議論するステップで、お客様は誰か、後工程の部門なのか、エンドユーザーなのかを定義することが重要になります。それに基づき、ニーズ調査を行います。そして、その部門の強みを認識させます。
(2)業務の棚卸を実施する
 上記の真の目的を基に、主要業務(利益に繋がる仕事)、付随業務(僅かしか利益に繋がらない仕事)、その他の業務(ムダな仕事が多い)の3つぐらいに、中身を視える化します。そして、ムダな仕事を止めたり、付加価値の低い仕事を外注化したりします。
(3)プロセスベンチマーキングを実施する
 プロセスベンチマーキングとして、雑誌等で他社の事例の予備調査を行います。必要に応じて他社を訪問してベストプラクティスを研究します。その後、自社独自の効果的なプロセスを設定します。
(4)標準化する
 プロセスには、「業務フロー」と「標準化された手順」とそのプロセスの良し悪しを測定する「評価尺度」の3要素があります。これらを認識しそれらをセットで管理します。
(5)PDCAをまわす
 上記のプロセス改革を終えた後、次年度から、毎年改善していきます。
 
<実施上の留意点>
 間接部門の業務は、その性格上成果を数値で表現しにくいなど、目標が立てにくいようです。また、成果を評価に反映させにくい面もあります。目標は、本人の能力よりやや高いもので、本人が努力することによって達成できるレベルに設定した方がよいと考えます。余りにも高い目標を設定して、「あきらめ」から努力を放棄してしまう可能性もあります。目標設定に際しては、重点項目を3点~5点ほどに絞り込むこと効果的です。さらに、それぞれの目標については、重要度で優先順位を明確にします。なお、目標を中長期と短期のバランスを取ることも重要です。

 回答者:ぷろえんじにあ代表:粕谷茂




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

現場改善やICT構築を前提としたBPR(Business Process Re-engineering)を実施した経験からアドバイスさせていただきます。

(1)まず最初に、本当に5Sが定着しているか自己診断してみてください。
 当方の経験では、5Sが定着している職場においては、「作業の優先順位が明確(考えなくとも処理できる)」、「作業は先入先出で処理している」、「作業の停滞が無く、進捗管理も見ただけでわかる」、また「必要書類は例えば30秒以内に全て探す事ができる」などが実現できていると思われます。但し、このような状況になっていないなら、5Sは「単なるキレイ・キレイ運動」になっている可能性があります。まず、この点を自己判断してみてください。

(2)間接部門の業務改革も基本は現場改善と同じです。
 間接部門といっても、開発・設計部門と経理・総務部門、生産管理部門などでは仕事の内容が異なり、仕事量がバラついていたり、処理時間がかかったり、解決したい課題は異なります。しかし全社で考えた場合、部門間での情報停滞(情報連携)が課題となっているケースが大半です。つまり、受注から出荷に至るまで情報をスムーズに流れるようにすることが重要となり、処理リードタイムの短縮と作業量の平準化が課題となります。これの実態把握と定量的な目標設定をまず最初に立てる必要があります。

(3)受注〜出荷までの業務フロー作成と課題抽出
 受注〜出荷までの実態把握と並行して、受注情報が各部門をどのように経由しているのかを業務フローで表します。その業務フローには、処理時間や処理タイミング・担当部門などが分かるように時系列に記載しておきます。またその実態把握する上で明確となった課題も業務フローに盛り込み、目標を実現するために解決すべき課題を明確にしていきます。その際には、(1)で挙げた自己診断の項目などを判断の拠り所として行います。

 後は、その課題を改善効果や緊急度などで評価し、課題に優先順位つけ、優先度の高い課題から解決していくことになります。我々が支援する場合、各間接部門のキーマンを抽出のうえで、プロジェクトチームを編成し、3〜6ケ月かけて週1〜2日程度の作業頻度で実態把握・作業フロー作成と課題抽出・整理を行います。その上で、課題に応じて改善計画を立てて、具体的に解決していくこととなります。

ご説明したように間接部門でも改善の進め方は、現場改善と基本は同じです。
以上、ご参考になれば幸いです。






ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

大池さん、難しい現場の5S等、根気良く進めて来られて御苦労様です。
私も、長く工場勤務をしていましたが、現場と同じ進め方では、管理・間接
部門には、無理があります。
管理・間接部門の改革推進は、現場に支援する事でスタッフは満足します。

 専門家の粕谷さんのの紹介が的を得ています。
すなわち、管理者・監督者に個人テーマを与えて、報告させる仕組みをお勧めします。
会社方針のP-D-C-Aのサイクルに合わせて、年2回、年央と期末に提出し、代表者に
報告して頂くことです。
大きな視点での機能がきっと、まわり出します。

但し、思い付いたようにスタートせずに、年初スタートをお勧めします。
全体の推進役を決めて、ゼネラルマネージャーが評価してやることが肝要です。