荷姿技術について エンジニアリングとしての物流(その2)

 前回のその1に続いて解説します。
 
 荷姿は単なるパッケージと考えてはいけません。物流エンジニアリングの中でも中核をなす重要技術だと考えるべきなのです。ではなぜ荷姿が必要になるのでしょうか。その最たるものが「移動」にあります。製品などを移動させるときにその製品を「何にも包むことなく」済めばベストだと思います。しかし実際には製品に傷をつけてしまうことを防止したり、複数の製品と積み重ねたりするときには何かしらのパッケージにすることがどうしても必要になります。
 
 このことはパッケージのための資材やパッケージ内のムダなスペースが発生することにつながります。要は荷姿自体をやむを得ず必要としたときに、その荷姿の効率をいかに向上させるかについて考えなければならないのです。
 
 資材をいかに少なくするか、ムダなスペースをどこまで極小化するか、これを検討していくためには専門技術が必要になるのです。荷姿技術を検討する際にまず考えなければならないことは、その製品に見合ったパッケージを設計することです。製品品質を損なうことなく、最小のサイズと重量で設計することが必要になります。この時に注意が必要な点があります。それはその製品のことだけを考えていればよいのではない、ということです。
 
 何を言っているのかと申しますと、モノを移動させるときにはあるいはモノを保管するときには「その製品だけではなく、他の製品も一緒に輸送したり保管したりする」ことが前提になるということを考慮すべし、ということです。
 
 もし、その製品だけを考えた荷姿を設計したとすると、製品の数だけ荷姿の種類が必要となります。ということは、形もサイズもばらばらな荷姿ができてしまうということです。ここから先は想像がつくと思います。物...
流の効率を上げるどころかその荷姿がネックとなり、物流効率を限りなく低下させてしまうことになるのです。
 
 そこで考えなければならないことが「荷姿の標準化」、つまりモジュール化です。いくつかの種類の容器を設計し、それを標準モジュールとするのです。そして、その標準容器の中にいかに効率よく製品を収納するのかを考えていくのです。これが荷姿技術の基本であると考えるべきなのです。
 

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