物流KPI:物流現状把握の重要性(その7)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流KPI

 物流にはさまざまな業務がありますからKPIの種類は多岐にわたりますが、簡単に物流のパフォーマンスを測ることができるKPIについて考えてみましょう。倉庫でも工場でも共通に使えるKPIとして一人一時間あたり処理数が挙げられるでしょう。このKPIはいろいろな業務に応用できますのでぜひ覚えておいて下さい。

 もし運搬作業であればこのKPIは「一人一時間あたり運搬量」ということになります。ここで取り決めておかなければならないのは運搬量の定義です。物流では一般的には㎥やトンが使われます。ということでこのいずれかということで始めてみてはいかがかと思います。

 主として嵩が張るものを扱っているのであれば「㎥」、重たいものを扱っているのであれば「トン」でよいと思います。これを「箱数」とすることもありだと思います。要は「容易にその基礎データを把握できるか」です。いくつものデータを引っ張り出して計算しなければつかめないKPIは長続きしません。シンプルイズザベストです。

 ピッキング作業であれば「一人一時間あたり処理件数」となります。処理件数は個数であったりオーダー件数であったりします。物流業界では「ピッキング行数」をデータに持ってくる指標を使うことが多いようです。「行数」てゃ聞き慣れない言葉かもしれません。これはオーダーシートの中にある「オーダー」のことを示しています。一行の中に一つの品目をいくつ、と表現されていることが多いと思います。

 将来的に市場ベンチマークをするのであればこういった今あるKPIに合わせておくことも一つの方法です。まずは無理せずにその会社ですぐに把握できるデータを使ってKPIとしましょう。別の角度から見ると「一出荷あたり労働時間」というKPIも考えられると思います。一回の出荷にどれくらいの労働時間をかけているかという指標になります。

 その物流現場でかけている経費が把握できればもう少し高度化した物流KPIを設定することができます。この経費には人件費や倉庫費、設備...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流KPI

 物流にはさまざまな業務がありますからKPIの種類は多岐にわたりますが、簡単に物流のパフォーマンスを測ることができるKPIについて考えてみましょう。倉庫でも工場でも共通に使えるKPIとして一人一時間あたり処理数が挙げられるでしょう。このKPIはいろいろな業務に応用できますのでぜひ覚えておいて下さい。

 もし運搬作業であればこのKPIは「一人一時間あたり運搬量」ということになります。ここで取り決めておかなければならないのは運搬量の定義です。物流では一般的には㎥やトンが使われます。ということでこのいずれかということで始めてみてはいかがかと思います。

 主として嵩が張るものを扱っているのであれば「㎥」、重たいものを扱っているのであれば「トン」でよいと思います。これを「箱数」とすることもありだと思います。要は「容易にその基礎データを把握できるか」です。いくつものデータを引っ張り出して計算しなければつかめないKPIは長続きしません。シンプルイズザベストです。

 ピッキング作業であれば「一人一時間あたり処理件数」となります。処理件数は個数であったりオーダー件数であったりします。物流業界では「ピッキング行数」をデータに持ってくる指標を使うことが多いようです。「行数」てゃ聞き慣れない言葉かもしれません。これはオーダーシートの中にある「オーダー」のことを示しています。一行の中に一つの品目をいくつ、と表現されていることが多いと思います。

 将来的に市場ベンチマークをするのであればこういった今あるKPIに合わせておくことも一つの方法です。まずは無理せずにその会社ですぐに把握できるデータを使ってKPIとしましょう。別の角度から見ると「一出荷あたり労働時間」というKPIも考えられると思います。一回の出荷にどれくらいの労働時間をかけているかという指標になります。

 その物流現場でかけている経費が把握できればもう少し高度化した物流KPIを設定することができます。この経費には人件費や倉庫費、設備費や燃料費、本社経費などさまざまな費目が含まれます。これをデータで持って来て「売上高」と比較してみましょう。つまり売上高物流経費比率というKPIが出来上がるのです。

 まず物流現状把握では実態を客観的に示す数値データが必要になるのです。そこで簡単なKPIを作ってそれを運用していくことが望ましいと思われるのです。最初は無理せず、あまり背伸びせずに数値管理を始めてみましょう。

 

 次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントの基礎

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...


サプライチェーンマネジメントの背景と効果実現に向けた考え方(その2)

 前回のその1に続いて解説します。 4.様々な業界におけるSCM  SCMではサプライチェーンのボトルネックを管理することで効果の最大化を狙います...

 前回のその1に続いて解説します。 4.様々な業界におけるSCM  SCMではサプライチェーンのボトルネックを管理することで効果の最大化を狙います...


競争社会の中のサプライチェーンマネジメント

 グローバルな経済圏の中で大きなビジネス環境変化が起こっており、昨日の成功企業が苦戦しています。今日の成功企業でも明日は分かりません。規制緩和が新規参入を...

 グローバルな経済圏の中で大きなビジネス環境変化が起こっており、昨日の成功企業が苦戦しています。今日の成功企業でも明日は分かりません。規制緩和が新規参入を...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
標準作業と標準時間 物流労務費改善への取り組み(その3)

  ◆ 物流作業進捗を確認する  物流現場における作業スピードについて考えていきましょう。大前提となるのはいつも申し上げている通り、作業...

  ◆ 物流作業進捗を確認する  物流現場における作業スピードについて考えていきましょう。大前提となるのはいつも申し上げている通り、作業...


物流におけるパッケージングエンジニアリングとは

  1.物流5機能の中で最も重要な機能 この連載で何度も取り上げていますが、物流には次の5つの機能があるといわれています。 輸送 ...

  1.物流5機能の中で最も重要な機能 この連載で何度も取り上げていますが、物流には次の5つの機能があるといわれています。 輸送 ...


物流量を減らすには:これからの輸送改善のコツ(その2)

  ◆ 物流量を減らす  前回の輸送コスト式を見てみましょう。    ・輸送コスト = 距離 × 物流量 × ...

  ◆ 物流量を減らす  前回の輸送コスト式を見てみましょう。    ・輸送コスト = 距離 × 物流量 × ...