在庫管理:メーカー物流改善の本質(その6)

 

◆ 在庫管理の本質

 物流が生産をコントロールできれば必要な在庫だけが存在することになります。それができない場合には在庫管理について少々工夫が必要になります。工場内物流は在庫を適正に保ち生産工程に部品切れを起こさないようにしなければなりません。在庫管理は物流業務のいろはの「い」ですから、しっかりと取り組まなければなりません。

 困りものは「不要在庫」の存在です。不要在庫の定義は必要かもしれません。たとえば3カ月動きの無いものが不要在庫と定義したならばその処分が必要になります。5Sにおける整理とは「要るものと要らないものを分けて要らないものを捨てる」ということになります。これを「1S」とも呼びますがこれを最初にやらなければなりません。

 在庫は本来その発生元が責任を持ってその管理を行うことが望ましい姿だと思います。在庫は物流の仕事だからといってそこで本来の責任部署が知らんぷりでは困ります。物流は在庫の状況を常に把握できる立場にいることは事実です。であるからには何の在庫がどういった状況にあるのかを責任部署にフィードバックすることに努めるべきでしょう。

 在庫は購買行為や生産行為の結果ですからもしその行為のコントロールを物流でできていないのであれば最低でも問題発信はするべきです。単なる数量管理や品質維持だけでは仕事の半分しかできていないと考える必要があると思います。これさえもできていなければ論外と言わざるを得ないでしょう。

 

 物流が製品を倉庫から取り出して埃や汚れをふき取る作業を行っている事例がありました。自分たちが保管している製品ですから汚れを着けたら取ることは当然ですが、問題は汚れが着くような保管を行っていること自体にあります。

 工場内物流の基本ですら十分にできないようでは問題です。物流の基本とは何なのか、もう一段階上がったところの仕事とは何なのか、それを実行していくためには何をしていくべきか、この点についてもう一度考えてみる必要がありそ...

うです。

 物流の高度化に伴い物流人財も高度化して行く必要があります。メーカーでは物流をものづくりの一環と考えていますのでものづくりの視点でも物流について言及する場が多々あります。 物流事業者の方たちにはこの点をご理解いただき、積極的にメーカーの方と話をして、メーカーのニーズを引き出していただきたいと思います。そしてそれに応えられるように社内人材の高度化を図っていきましょう。

 

 

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