物の調達 誤解されがちな物流マンの知識(その2)

 

◆ 調達知識

 自社は運送事業者のため「運送に関する知識」はあるけれど、倉庫内作業や在庫に関する知識は持っていないという会社は多いと思われます。

 「それは『荷主の領域』だから我々には関係ない」と言い切ってしまう事業者もいます。もちろん「仕事は現状維持、取引先も現状維持で十分」という会社であれば、このような対応でも良いのかもしれません。ただ、世の中の動きや変化は激しさを増していますから、多分このような事業者は淘汰(とうた)される傾向にあるのでしょう。

 日本には約6万2000社の運送会社がありますが、これでは過当競争になり、場合によってはコンプライアンス違反を犯している会社が含まれている可能性があります。少なくともコンプライアンス違反を犯してまで事業を継続している会社には、市場から退場していただく必要があるのではないでしょうか。

 

 さて話を戻しましょう。

 前回の最後にリードタイムの話を出しました。お客様からの発注が入ってからお届けするまでのリードタイム短縮については誰しも考えるところです。これをもっと上流にさかのぼって考えてみましょう。物の調達も物流として持っておくべき知識の一つです。特に調達リードタイムなどは物流にもかかわってくるところです。

 この調達リードタイムが長いと調達品の在庫が増えます。荷主にとって、これは望ましい状況ではないということを理解しなければならないでしょう。

 一方で「まとめて買うことで単価が下がる」という事実もあります。リードタイムを短縮したいと考えている荷主に対して、常日頃調達品の輸送や在庫管理を行っている物流会社は、どのようなアドバイスをしたらよいでしょうか。できれば「購買知識」を身に付け、調達先との交渉術なども身に付けておくとよいかもしれません。また調達先の物流改善指導を行うことで調達コストを下げ、リードタイム短縮にも寄与することができる可能性があります。

 

 サプライチェーンの入り口は「ものの調達」ですから、...

物流会社はこの調達に関する知識は必須です。この調達に絡め「下請法」の知識も身に付けておいた方がよさそうです。ユーザーである荷主が、この下請法の知識を身に付けていないために法令違反を犯してしまうことがあります。

 このような状況を回避するためにも物流会社側が調達品の管理をするとともに、下請法の観点からアドバイスをしてあげられればバリューが高まるのではないでしょうか。

 

 次回に続きます。

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