物流品質と納期管理 日々の管理を充実させる(その2)

 

 日々の管理を充実させる(その1)に続いて、今回は、物流品質と納期管理について解説します。

1. 物流品質

 物流品質には、間違った製品を届けてしまう誤配や数量を間違える誤出荷、製品を損傷してしまう破損がありますが、これに加えてドライバー品質なども重要です。お客様に製品を配達に向かったドライバーの身なりや態度は、直接お客様に評価されますので、社員教育は大切になってくるのです。

 物流会社は誤配送をデータとして把握しておかなければなりません。一般的に誤配率として把握します。この率はppm(parts per million:パーツ・パー・ミリオン:百万分率)レベルであることがポイントです。

 誤配率がパーセントレベルですと、ちょっと心もとない会社だと判断されるでしょう。皆さんが通信販売で商品を購入した際、間違った品が届くということはまず無いのではないでしょうか。これが日本の物流品質の実力なのです。

 これは結果系の指標ですが、要因系の指標としては倉庫内での誤ピッキング率や製品破損などが挙げられます。倉庫内で見つけることで社外への流出を防ぐことができます。そこでこの要因系指標は必ず管理し、流出不良率を下げるとともに、社内での品質不良を減らす改善につなげていきたいものです。

 

2. 納期管理

 物流の命ともいえる納期管理ですが「本日中に終える」などといったラフな管理では困ります。「この仕事は何時何分までに終える」、「この製品は何時何分に出荷する」といった管理が望まれます。これらはどちらかというと、要因系の指標ということになります。

 結果系の指標として納期遵守率は代表的です。納期をもう少し細かくすると納入時刻遵守率ということになります。

 

3. 管理目標の管理

 物流に関する日々の管理で、やるべきことがみえてきたのではないでしょうか。こういった管理自体ができているかどうかについても管理していくことが望ましいでしょう。そこで管理の状況を把握するために、いくつかある管理のポイントをみていきましょう。

 物流現場に設置する管理ボードに、SQDC[1]それぞれの指標の目標と実績を記した管理グラフが掲示されていることと、実際にタイムリーに記入されているかどうかチェックします。

 管理の中で重要なアイテムが人財育成の計画とその実績管理でしょう。個人別に今年度は何を教えていくのか、向上させるレベル...

はどれくらいかなどを表で管理していきましょう。

 

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 物流はどちらかというと日々の管理が苦手だといわれますが、ここは少し努力をして、日々の管理を行うように努めましょう。その結果として物流品質向上や効率化、安全の確保などができるようになります。そしてそれが顧客に評価されてビジネスが拡大するのです。

 【用語解説】
[1]SQDC:「Safety」、「Quality」、「Cost」、「Delivery」の略。関連記事:物流会社が取り組むべき管理技術

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