物流がサプライチェーンの参謀 お客様起点のSCM(その3)

◆ サプライチェーン上の情報を入手できる物流はマネジメントの参謀

 受注生産方式の場合はお客様が発注されてから手元に届くまでが「発注リードタイム」ということになります。例えばオーダーメードスーツを発注した場合、それが手元に届くのが3日後なのか、一週間後なのかをお客様が気にする時間がリードタイムということになります。どうしてもそのスーツが必要となる日に合わせて発注するでしょうから、それに間に合わない店には発注しないことになります。

 ゴールデンウイークに家族旅行に出掛けるために新車を購入する場合も同様です。そのタイミングまでに登録を含めて供給側で済ませられなければ受注にはつながりません。供給側にはものづくりのためのリードタイム短縮が求められます。それと同時に調達リードタイムを短縮することも必要になります。

 生地やボタンを調達し生産工程へ供給できなければスーツの仕立てはできません。お客様から注文がありそうな製品に使う材料をすべて保有できるのであれば問題ありませんが、それでは材料在庫がかなりの量となってしまい、現実的ではないかもしれません。

 タイムリーに調達することもサプライチェーンマネジメントの重要ファクターになります。そのためには協力会社を育てるというプロセスが必要となるでしょう。では誰がサプライチェーンをリードするのがふさわしいでしょうか。やはり一番はその製品をお客様に直接供給する立場の会社であるといえるでしょう。通販会社やスーツの小売店、自動車販売会社など、お客様と直接やり取りできるところになります。

 しかしここで全体...

を見渡せる立場にある物流が切り込んでいきたいものです。サプライチェーン全体のリーダーは最終ユーザーとやりとりする会社ですが、サプライチェーン上のさまざまな情報を入手できる物流はその参謀役になり得るはずです。

 売れ筋商品や在庫状況、メーカーの生産状況などを把握できる立場にある物流がぜひサプライチェーンの効率化と販売向上に寄与していきたいものです。

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