荷主にとっての物流改善 顧客のニーズをつかむには(その2)

 

◆ 荷主の真意は何か

 荷主が価格改定を要求する背景には「物流会社から改善提案」が提出されないからという大きな理由があります。価格改定は物流会社にとっては頭が痛いもで、今まで長く付き合ってきた会社なのに何故と感じることもあるでしょう。

 つまり残念ながら仮に長い取引を行ってきた会社とはいえ、荷主はその物流会社に対しては「価格」というところにしかバリューを感じていないわけです。

 前回「価格」について最初からゼロ回答をすることはよくないことをお話させていただきました。荷主がなぜ今「価格改定」を要請してきているのかの真意を掴まなければならないのです。経済状況でどうしても会社全体のコストを下げなければならないのかもしれません。かなりせっぱつまった状況なのかもしれません。そのような状況下では仮に「ゼロ回答」があれば間違いなく他社に声をかけることでしょう。下手をするとこれを機に転注になることもあり得ると思われます。

 そこで誠意を示す意味でも、「時間をもらう」、「自社も改善を行って少しでも価格を下げる」ことは必要です。さらにそれを行ったうえで顧客の要望値に不足する分を改善アイデアを出して顧客の物流形態を変えてもらうようにするのです。

 荷主にとっての物流改善には「購入価格(コマーシャル)」と「物流形態の変更(テ...

クニカル)」の二パターンあることを認識しておきましょう。

 この内どちらかだけが「ゼロ」ということはよほどいずれかの改善がやり尽くした後でなければあり得ない話です。物流会社としてもこの二つのバランスをよくよく考慮しながら顧客の要望に応えていく必要があるのです。

 次回に続きます。

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者