調達と商品陳列の同期化 輸送機能の高度化(その3)

 
  
 
 輸送のタイミングで着荷主に何かしらの行動を起こさせる機能は重要です。輸送されてきたものが届けばそこからその荷を建屋内で動かすなどの行為が発生します。例えば小売店では、さまざまな商品をバックヤードで受け入れます。バックヤードはそれほど広いわけではありませんので、そこで滞留させておくことは現実的ではありません。
 
 輸送されてきた商品をバックヤードで滞留させることなく、陳列棚まで運搬していくことが理想ではないでしょうか。これを入荷品の商品棚へのダイレクト供給と呼びます。これはその小売店がジャストインタイムで調達している場合に成り立ちますので、まずそのような調達方法にしていくことが前提となります。
 
 もしジャストインタイムになっていなければどこかで在庫を補完する必要があります。それをスペース的に確保できなければ成立しません。ここではジャストインタイムで調達している場合を前提で話を進めます。トラックは時刻指定し、その時刻に到着するように計画を立てていくことが求められます。
 
 今回の話は輸送機能の高度化ですので、時刻通りに運行できなければ単なる運搬になってしまいますから注意が必要です。
 
 時刻の指定は棚への商品の陳列タイミングから逆算して決めていきます。どこの棚に、日に何回チャージするかで納入回数は決まります。そしてチャージのタイミングも重要な要素です。商品ごとに何時にチャージしていくかを決めていくのです。後はトラックの到着をトリガーとして日々棚への陳列を実施していくことを実行していくことになります。
 
 棚へのチャージと商品調達物流の同期化がこれで実現することになるわけです。
 
 もちろん、この実現に向けてのハードルが存在することも事実で...
す。渋滞が発生しトラックが遅延することもあるでしょう。特定の渋滞ポイントを抜けるために早朝に走って抜けてこなければならないトラックもあるでしょう。
 
 これらの課題はいずれも解決できないものはありません。一つひとつ課題を明確にして、それぞれに対して方策を取っていくことが物流管理の要諦であるからです。ぜひ輸送機能を高度化し、単純な物流から付加価値物流へと脱皮していきましょう。
 

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