自ら主張せよ 物流を是正する必要性(その2)

  
  
 
 顧客から言われたから無償でやらざるを得ない、他部署から指示されたからその通りに動かざるを得ないという状況にあったとしたら、すぐに正さなければなりません。もういい加減受身の仕事のスタンスはやめにしましょう。それを主張できる時期に来ているから、今がチャンスなのです。
 
 今は物流業は人材難です。もう儲からない仕事まで受ける余裕はなくなってきているはずです。この機会に物流業務を行う過程でおかしいと思われる点は修正していく必要があります。たとえばあるサービスを無償で行っていたとします。無償が積もり積もれば会社の利益を圧迫します。この行為は顧客のためと言いつつ、会社に対する背信行為です。
 
 まず物流作業に関するコスト構造を理解することに努めましょう。顧客に無償で在庫報告をFAX送信で対応していたとしたら、月間でいくらのコストになるのでしょうか。工場の中でつくりすぎ在庫を保管するために場所探しや臨時容器から正規容器への入れ替えで、月間どれくらいの工数が発生しているのでしょうか。
 
 まずこの「発生コスト」を明らかにしましょう。ここで注意が必要なのは、コストが大きいか小さいかは関係ないということです。コストが小さければ無償でもよいという発想は間違っています。何でもコストが発生しますので、それを無償で、という考え方からは脱却しましょう。
 
 怖いのは、無償で何年もやり続けると、それが既成事実化してしまうことです。10年もたってあの仕事は対価をとっていないと主張したところで、それが認められるとは限りません。なぜなら合意の上でその業務をやってきたからです。その対価は今の価格に含まれていると解釈されてしまいます。ですから、今時点で無償で行ってしまっているサービスについては顧客へ有償化を申請しましょう。これを積み重ねておくことが重要です。
 
 工場内で発生している「追加的業務」や「イレギュラー業務」につきましては、その発生要因を明確にして...
おきましょう。それとともに、物流部門の責任者には社内にその事実を報告してもらいましょう。今すぐに実態変更は難しいかもしれませんが、まずは社内に事実を周知しておくことが重要です。
 
 そろそろ自ら主張していきましょう。それによって一時的に顧客が減るかもしれません。しかしそこで減る顧客は優良顧客ではありません。逆に優良な取引先だけが残ることになりますので、かえって良い効果を生むかもしれません。
 
 次回に続きます。
 

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