「UI/UX」とは?キーワードからわかりやすく解説
1. 「UI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)」とは
UI (ユーザーインターフェイス)とは、ユーザとシステムとの間でやりとりを行う接点を意味します。 身近な例としては、パソコンやスマートフォンにおいて、ユーザがシステムの操作やデータの入力を行う画面や、システムが処理結果を表示する画面が挙げられます。 UX (ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザがシステムから得られる体験を意味します。 ISO 9241-210においては「製品、システム、サービスを使用した、および/または、使用を予期したことに起因する人の知覚(認知)や反応」と定義されています。 UIとUXは語感が似ているため混同されがちですが、UXはUIを含んだ包括的な概念です。
2. UXはUIを含んだ包括的な概念
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは読んで字のごとく「ユーザーがシステムから得られる体験」を意味します。ISO 9241-210においては「製品、システム、サービスを使用した、および/または、使用を予期したことに起因する人の知覚(認知)や反応」と定義されています。要するに、ユーザーが製品やサービスを使用した結果として得られる体験、全てを指す概念です。ここでいう「体験」は、快適や満足といったポジティブな反応だけに限らず、不快感や不満といったネガティブな反応も含まれることになります。
UXと語感が似ているため混同されがちな概念にUI(ユーザーインターフェイス)があります。UIは、ユーザーとシステムとの間でやりとりを行う接点を意味しており、身近な例としてスマートフォンの画面表示やタッチパネル式入力が挙げられます。UXはUIを含んだ包括的な概念となっており、良いUIは良いUXの必要条件であるが十分条件ではありません。
例えば、洗練されたUIを採用しているシステムであっても処理待ち時間が極めて長く、ユーザーがストレスを大きく感じる場合は、そのシステムのUXが高いとはいえません。UX向上のためには、UI以外の領域(例: メッセージ内容の理解しやすさ、レスポンスの迅速さ)の品質も十分に考慮する必要があります。
3. UXを形作る「5つの階層」と要素
UXを単なる「使い心地」という抽象的な言葉で終わらせないために、UXデザインの提唱者であるジェシー・ジェームス・ギャレットが定義した「UXの5階層(The Five Elements of User Experience)」という考え方が役立ちます。UXは、表層的なデザインだけで決まるのではなく、以下の5つの階層が積み重なって成立しています。
- 戦略(Strategy): ユーザーが何を求めているのか、ビジネスとして何を達成したいのかという根本的な目的。
- 要件(Scope): 戦略を実現するために、どのような機能やコンテンツが必要かという定義。
- 構造(Structure): 情報がどのように整理され、ユーザーがどのように移動(ナビゲーション)するかという設計。
- 骨格(Skeleton): 画面上のボタン配置や情報の優先順位など、インターフェイスの具体的なレイアウト。
- 表層(Surface): 色、フォント、画像など、ユーザーが視覚的に捉える最終的なデザイン。
このように、UI(表層や骨格)はUXという巨大な氷山の一角に過ぎません。土台となる「戦略」や「構造」が揺らいでいれば、どれだけUIを美しく整えても、最終的なユーザー体験を向上させることは不可能です。
4. 優れたUI/UXを設計するためのプロセス
では、具体的にどのようにUI/UXを高めていけばよいのでしょうか。一般的には「人間中心設計(HCD)」や「デザイン思考」に基づいたサイクルを回すことが推奨されます。
まず重要なのは、徹底的なユーザー理解です。制作者側の思い込みを排除するため、ターゲットとなるユーザー像(ペルソナ)を設定し、彼らがどのような状況で、どのような課題を解決したいのかという「カスタマージャーニー(行動体験の旅)」を可視化します。
次に、その課題を解決するためのアイデアを形にし、プロトタイプ(試作モデル)を素早く作成します。完璧なものを作り込む前に、実際のユーザーに触れてもらい、フィードバックを得る「ユーザーテスト」を繰り返すことが不可欠です。UIの改善点を見つけるだけでなく、「そもそもこの機能は必要か?」というUXの根本に立ち返る柔軟さが、最終的な満足度を左右します。
5. なぜ今、ビジネスにUI/UXが不可欠なのか
現代においてUI/UXが重要視される背景には、市場の成熟化があります。モノや機能が溢れる現代では、スペックの高さだけで差別化を図ることが困難になりました。ユーザーは「何ができるか」だけでなく、「それを使ってどれだけ心地よい体験ができたか」で製品やサービスを選ぶようになっています。
優れたUXを提供することは、単に「親切な設計」をするという意味に留まりません。ユーザーのストレスを軽減し、目的をスムーズに達成させることは、サービスの継続利用率(リテンション)を高め、長期的なファンを獲得することに直結します。また、操作の迷いをなくすUIは、カスタマーサポートへの問い合わせ削減といったコストダウン効果ももたらします。
デジタル化が加速する社会において、UI/UXは単なるデザインのトレンドではなく、ビジネスの成否を分ける核心的な戦略そのものであると言えるでしょう。ユーザーとの「接点(UI)」を磨き、そこから生まれる「体験(UX)」を最適化し続ける姿勢こそが、価値あるプロダクトを生み出す唯一の道なのです。



