改善の四原則 (ECRSの原則)-現場主導の改善-

 改善の四原則にECRSの原則と呼ばれるものがあります。これは工程や作業、手順等の改善を行う時に留意する考えです。名前だけ聞くと難しそうですが3ムと同じで意味を知れば「なるほど!」と納得できるものです。
 

1.ECRS

 1.Eliminate: 排除
 2.Combine:  結合
 3.Rearrange: 交換
 4.Simplify:   簡略化
 
 Eliminateは今ある作業を排除、つまり無くせないかどうか考える事です。必要だと思っていた作業が特に意味無く慣習化されていただけの場合もあります。
 
 Combineは作業の結合、つまり複数の分かれている作業を一緒に行い一度で済ませる事は出来ないかと考える事です。
 
 Rearrangeは作業の交換、つまり順番を入れ替える事で作業効率が良くならないかと考える事です。順番を入れ替えたらそれまで停滞していた工程がスムーズに流れだす事も少なくありません。
 
 Simplifyは作業の簡素化、つまり複雑なやり方をもっと単純でわかりやすいものに出来ないかと考える事です。複雑な手順はミスや疲労の原因となります。人による差異も生じる可能性があります。
 

2.何故不適合品が出るのか。

 4Mの視点で考えると、
 

1.Man      ヒューマンエラー
2.Machine   機械の不具合、故障
3.Material     原料異常
4.Method    手順の不備
 
 4番目の手順の不備を無くすためには改めてECRSを念頭において考えなおす必要があります。管理を厳格に行いたくても、工程や手順が複雑でシビアな作業を要求されるようならミスは無くならないでしょう。オペレーターがどれだけ注意して作業を行っていても集中力が欠ける瞬間にうっかりやってしまう事は人による作業である限り避けられません。きちんと行えば高い品質が出る作業手順であっても継続してフォロー出来なければ効率が悪い手順であり改善が必要となります。
 

3.ECRSのアイデアは現場から出てくる。

 省人化が進むと現場は少ない人数で作業を平行して行います。当然分かりやすくシンプルな手順が好まれます。
 

・この作業が必要か? → 必要です
・このタイミングでやらなければならないか? → タイミングは調整可能です
・薬品投入と一緒のタイミングでやってはダメか? → それは問題無いと思います
・治具を使ったらもっと楽に出きるんじゃないの? → 出きるかもしれません
・タイミング変...

更と治具の手順化行ってよ → わかりました、検討します
 
 この様に現場の声の中に改善すべき場所と方法のヒントがあるので定期的に意見を出し合う場を設け改善策を話し合って行くことは有意義です。現場からアイデアが出てくる企業は現場での品質管理も上手く回っていくことが多いです。ECRSを考慮した考え方は机上でだけ考えても上手く出てきません。実際に作業を行っている現場主導は効果的と言えます。
 
 必要は発明の母という言葉がありますが、無精は改善の母と言えるかもしれません。 シンプルで楽してできる事が最も失敗やミスが少ないのです。
 

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