
機械設計の仕事に携わっていると、ふと胸に浮かぶ瞬間があります。
- 「設計力をもう一段高めたい」
- 「図面を引くだけでなく、全体を見渡せる設計者になりたい」
そしてもう一つ、静かに湧き上がる思い『資格という形で、自分の技術力を証明したい』その象徴が 技術士(機械部門) です。しかし、多くの設計者が共通して抱える次の悩みがあります。
- 「試験勉強が実務と結びつきにくい」
- 「内容が抽象的で、学問的すぎて難しい」
そこで本稿では、私自身の技術士としての歩みと、多くの技術者教育を行ってきた経験から確信した「設計現場のリアルは、技術士試験で最大の武器になる」という視点で、学び方のヒントをお伝えします。
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1. 技術士試験の本質は『 実務の翻訳力 』にある
【学問試験】
本質はプロとしての説明能力です。筆記試験には次のようなテーマが並びます。
- 熱・流体の基礎式
- 機械材料の特性
- 機械要素の設計
- 信頼性、安全、品質工学
- 設計プロセスとマネジメント
これだけ見ると「理論偏重の学問試験」のようにも感じますが、しかし、実際に問われているのは 『それを現場でどう使うか』 を語る力です。技術士は「応用理学士」ではなく、れっきとした プロフェッショナルエンジニアです。したがって、現場でどう動いたか、どう問題を解決したかを論理的に説明できることが重要です。そしてその材料は、あなた自身が日々積み上げてきた失敗・改善・ひらめき・顧客対応・加工との調整といったリアルな経...





