普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その169) 思考パターンの拡大

 
 
【目次】

これまでアナロジーと体感についての解説を行い「アナロジーは新しい思考空間へのドア/体感は新しい思考空間で発想を多いに広げるツール」と述べました。しかし、それまで体感を経由して得た経験・知識を活用して新しい思考空間で発想を広げる機会は、アナロジーだけではないように思えます。アナロジーを含めて体感を活用して「思考の扉を増やす」様々な機会について考えています。

 

前回からイノベーションを起こすために、動物や生き物について知ることが役に立つという解説をしています。今回は、その中で前回、最後の部分で述べた動物や生き物を利用しての「思考のパターンの拡大というイノベーション創出への貢献」の視点から、解説を続けます。

 

1. なぜ動物を深く知ることに価値があるのか?

「我々一人一人の人間としての存在価値は、何か?」この点は古今東西の哲学者の研究の対象で、未だ明確な定義はないそうです。しかし、私なりに考えてみると、基本的により良くそしてとにかく長く生き続けることそれ自体、そして自然や社会を含む人間を取り巻く環境に良い影響を与え続けること、これら2つの点を末永く維持するために子孫を残すことだと思います。極論するとこの連載で取り扱っているイノベーションは、全てそのためのものであると言って良いのではないでしょうか。

 

したがって、イノベーションを通じて我々一人一人の人間の存在価値を高めようとするならば、これら点から人間をより深く知ることが重要なこととなります。

 

ところが、これら我々一人一人の人間の存在価値として挙げた項目は、良く考えてみると必ずしも人間に固有のものではなく、他の全ての動物や生き物にも共通していることに気が付きます。そもそも、人間の脳には3つの脳、すなわち爬虫類脳、哺乳類脳、人間脳(霊長類全般の脳でもある)から構成されているそうです。つまり、人間は多くの点で、動物である爬虫類や哺乳類とその思考や活動を共有しているようです。また、自然の民、アメリカインディアンは「どんな動物も、あなたよりずっと多くを知っている。」と言っています。

 

イノベーションのために、人間をより深く知ろうと思えば、動物について知ることが多いに役に立ちそうです。

 

2. 動物から何を学ぶか?

動物は常に人間以上に厳しい環境の中で存在し、活動しているので、人間が持っているものを、より拡大・強化した形で持っていると思います。具体的には、-生命維持のための基本的な活動・食べる・餌を与える・過酷な自然環境に耐え、また避け、安全な場所に住む・確保する・捕食者の攻撃を避ける、など

【より良く生きるための活動】
 ・組織を構成・マネジメントし、その一員として他の構成員と協力する
 ・遊ぶ、など

 

【種全体として繁栄するための活動】
 ・子孫を残す
 ...

・自然と共存する、など

 

したがって、これらの点から動物の習性、活動、思考?を学ぶことで、人間をより深く理解することができるのではないかと思います。

 

それでは動物や生き物をより深く知るためには、何をしたら良いのでしょうか?この点については、3. 動物を知るには何をしたら良いか?で、次回に解説をします。

 

 

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