コミュニケーション 内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その44)

 

◆コミュニケーションの違いについて

1.コミュニケーションの違いを明確にする

会話をすることも技術文書を書くこともコミュニケーションです注)。しかし、これらのコミュニケーションにはその特徴に違いがあります。この特徴の違いがわかると内容が明確に伝わる技術文書を書く必要性がわかります。

注):“技術文書を書くこと”について考える(その1)」参照

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その43)へのリンク】 

 

2.会話を通したコミュニケーションの特徴

会話を通したコミュニケーションの特徴はその場で内容が確認できることです。会話を通したコミュニケーションでは話し手と聞き手が直接会話をするので、会話の中でわからないことがあればその場ですぐにその内容が確認できます。対面の場合でも電話の場合でも確認できます。例えば「今君が話した〇〇についてよく理解できなかったのでもう一度説明してくれ」などのようなことです。

 

3.技術文書を通したコミュニケーションの特徴

技術文書を通したコミュニケーションの特徴は、その場で内容が確認できる場合とできない場合があることです。技術文書を通したコミュニケーションでは、書き手と読み手が近くにいる場合もあるし書き手と読み手が離れている場合もあるからです。

 

例えば、社内やクライアントの会社で技術文書を通したコミュニケーションを取る場合、技術文書の中でわからないことがあったときその場ですぐにその内容が確認できます。例えば「君が作成したこの会議の資料の中で〇〇の部分がわかりにくいのでもう一度説明してくれ」のような確認ができます。

 

これに対して、例えば、仕事の関係者から送られてきたメールの中でわかりにくい内容があってもその場ですぐにその内容が確認できないこともあります。内容を確認するためのメールを送ったり電話で内容を確認したりすることが必要になるかもしれません。

 

4.技術文書を通したコミュニケーションで必要なこと

技術文書を通したコミュニケーションで必要なこととは、内容が明確に伝わる技術文書を書くことです。内容が明確に伝わる技術文書を書けば「3.技術文書を通したコミュニケーションの特徴」で解説したような内容の確認のための無駄な時間が不要です。

 

内容が明確に伝わる技術文書を書けば、内容の取り違いによる仕事の手戻りも防げます。

 

仕事...

を効率的に進めるため、仕事を確実に進めるためにも“内容が明確に伝わる技術文書”を書く必要があります。

 

次回に続きます。

 

  • 森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日
◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

 
 

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