分析結果レポートのポイント データ分析講座(その274)

 

集計や分析、予測の結果をダッシュボードやレポートなどとして、データ活用する現場に提供することがあります。どのようなダッシュボードやレポートを作ればいいのか?そう悩む人も多いことでしょう。今回は「データサイエンスレポートは模擬テスト結果を参考にすればいい」というお話しです。

 

【目次】
1. データからアクションを導くために必要な情報
2. 模擬テスト結果のレポート
3. ポイントはどれだけ読み取れるか?
4. チューター
5. シチズンデータ サイエンティスト

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1. データからアクションを導くために必要な情報

データからアクションを導くために必要な情報として、何が考えられるでしょうか?

例えば……

  1. 現在
  2. 過去
  3. 未来

……に関する情報があるといいのではないでしょうか?

 

現在に関する情報とは、現在どうなっているのか、という現状認識のための情報です。過去に関する情報とは、現在にいたるまでどうだったのか、という過去から現在にいたるまでを明らかにする情報です。未来に関する情報とは、今後どうなりそうか、そのために何をすべきなのか、など今後に関する情報です。

 

ここまで揃えば、データからアクションを導くことができるのではないでしょうか。

 

2. 模擬テスト結果のレポート

多くの人は、子どものころ何かしらの受験勉強をし、模擬テストなどを受けたことがあることでしょう。模擬テスト結果のレポートは、よくできたレポートです。身近なところに受験生のいる方は、見てみてください。受験生のいない方は、思い出してください。

 

模擬テスト結果のレポートを、よくよく見てみると次のような情報が載っています。

  1. 現在:今回のテストの点数など
  2. 過去:過去から今回までのテスト結果の点数の推移など
  3. 未来:合否判定予想や学習アドバイスなど

それが一枚のレポートにまとめられています。すごいことです。どのようにデータサイエンスレポートを作ればいいのか迷われた方は、模擬テスト結果のレポートを参考してもいいでしょう。

 

3. ポイントはどれだけ読み取れるか?

あなたは最初に、模擬テスト結果のレポートのどこを見るでしょうか?

 

私の場合、今回のテストの点数を最初に見ます。次に、合否判定予想を見ます。その後、残りの部分をざっと見ます。点数と合否予測の結果が良ければ安心し、悪ければ凹みます。要は、一喜一憂して終了、といった感じです。それで本当にいいのでしょうか。最大のポイントは、模擬テスト結果のレポートから何を読み取るか、にあります。

 

模擬テストの点数や合否判定予想は非常に気になるところですが、本試験に合格するには、模擬テストの結果から、今後どのような学習をすべきかを知れた方が有意義です。つまり、模擬テスト結果のレポートから、今後「何をすべきか」というアクションを読み取れるかどうかがポイントになります。

 

データサイエンスレポートも同様に、今後「何をすべきか」というアクションを読み取れるかどうかがポイントになります。

 

4. チューター

模擬テスト結果のレポートから、今後「何をすべきか」というアクションを読み取れるかどうかは、個人の力量になります。読み取れる人もいれば、読み取れない人もいます。確実にアクションに結びつけるためには、チューターのような存在が必要かもしれません。

 

チューターとは、大学の学生や会社の新入社員に対して個別指導するちょっと先行く先輩です。模擬テスト結果のレポートを、チューターと一緒に読み解くことで、今後「何をすべきか」というアクションを読み取れる可能性が高まるのではないでしょうか。

 

データサイエンスレポートも同様に、チューターと一緒に読み解くことで、今後「何をすべきか」というアクションを読み取れる可能性が高まると思います。大学の学生のチューターは比較的探すのは容易ですが、データサイエンスのチューターはどこにいるのでしょうか。

 

5. シチズンデータ サイエンティスト

それなりのデータサイエンティストが周囲にいれば問題ないですが、通常は...

現場の近いところにそれなりのデータサイエンティストがいることは稀です。どうすればいいでしょうか。

 

データサイエンスのチューター候補として、シチズンデータ サイエンティストが挙げられます。

 

シチズンデータ サイエンティストは、ガートナー社が提唱したもので、データサイエンティストほど特化したスキルは有していないものの、ある程度のデータリテラシーを有する、営業やマーケティング、開発、生産などのデータ活用の現場近くにいる(もしくは、在籍している)人財です。

 

ある程度のデータリテラシーを有する必要があるため、ある程度の教育と経験などが必要ですが、データサイエンティストほど時間を掛けずに育成することができます。

 

次回に続きます。

 

 

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