セットメーカーのサプライチェーン経営課題

 製造のサプライチェーの中で完成品セットメーカーは、図1に示すようにアンカーです。


 製造業において市場を支配するのは、通常プロセス上で最終組立を担う大企業です。例としてパソコンメーカーであれば、デル・コンパック・IBMNEC・東芝・ソニー・日立・シャープなどです。これらの大手企業は多くの部品メーカーをサプライヤーとして組み込み、サプライチェーンの最終工程を担当しますが、部品によっては大手企業みずから開発設計している場合もあります。完成品まで、すなわち最終工程までもOEMで委託するケースが製品によっては増えています。

 完成車メーカーでいえばGM・フォード・トヨタ・日産・本田などが、最終工程を構成しており、多くの自動車部品メーカー、鉄鋼会社などを組み込んでいることになります。

 しかし必ずしもこれらのセットメーカーがサプライチェーンの最終工程とは限りません。サプライチェーンは、最終ユーザーへの販売までを含めるからです。ロジスティクス(直販でない場合ならば販売代理店までをすべて含む)を徹頭徹尾、すなわち顧客にいたるまでの在庫・リードタイムのマネジメントが重要です。

 製品コンセプト開発・設計において最終ユーザーとつながっていることが、上流の素材・部品メーカーとの根本的な違いとなります。従来のマス・マーケティング、マス・プロダクションによるプッシュ方式の右肩上がりのビジネスモデルとの大きな差は、製品戦略を立てる場合に、サプライチェーンの視点を重視すること、具体的にはシステムインテグレーターとしての競合会社との差別化にあります。

 競合との大きな差別化となるものは、経営スピードです。設計変更頻度の多い短期プロダクトライフサイクルに合わせる市場応答性や、顧客に合わせて細分化した仕様を実現することなどです。この実現には、コア・コンピタンスがカギとなります。コア・コンピタンスの能力強化に加え、サプライヤーを含むバーチャルインテグレーションの構築により、コア・コンピタンスではない機能の在庫・リードタイム短縮による流れの速度を、サプライチェーン上で加速させることが求められます。当然アンカーとしての自社のコア・コンピタンス、を競合相手との比較上で認識することが重要です。...

 また企業の勝ち残りに不可欠となってきたサプライチェーン視点での経営戦略は、社外の経営資源を活用するアウトソーシング化の選択であり、コントロール範囲を広く、かつ深くするための自社内サプライチェーンへの取り込みとは異なる選択です。

 このようなアウトソーシングの場合、リードタイムを短縮するという視点にもとづいて、業務連鎖数の削減とストックポイント削減による滞留在庫の削減を、バーチャルエンタープライズで検討する必要があるのです。

◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』

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