業務に役立つ「段取り術」としての「プロジェクトマネジメント」

1. 仕事のトラブルには原因がある


 仕事の遅れや失敗するのには原因があります。
 仕事には定型(ルーチン型)業務と非定型(プロジェクト型)があり、新商品開発や新ビジネス開発などのプロジェクト型業務は失敗する確率が多いのです。なぜなら、プロジェクト型業務でも、つい通常の仕事のやりかたで対応してしまうので失敗してしまいます。例えば、納期最優先での計画を立ててしまい、依頼主との目標すり合わせが遅れたり、曖昧(あいまい)なまま進めてしまうことなどです。
 不確実性の高いプロジェクト型業務にはプロジェクトマネジメント(以下PMと略)手法でのアプローチが適切です。

2. PM標準と主な用語

 世の中のPMの考え方をまとめたものに、世界標準としての PMBOK (ピンボック=米国発)や日本発のP2M標準(ピーツーエム=Project&Program Management)などがあります。
 PMは、過去の膨大な経験値や方法論を、知識体系(Body Of Knowledge)としてまとめ、ドキュメント化した点に大きな意義があります。

 プロジェクト型の仕事では、「まず何をやるか」という「構想=立ち上げ」が最も重要であり、「計画」はその後となります。「論理的・体系的な進め方」です。

 PMで使われる用語や概念を基礎知識として学ぶことはビジネスパーソンとして仕事を進める上で有効です。一般によく使われ且つ重要なものを下記に簡単に解説します。

3. PMの得意領域

 PMの得意領域として、新製品開発、新規ビジネス開発、M&Aなど、不確実性が高い(ゴールや手順が未確定)未経験な業務です。
 また一つの新製品開発テーマでも、そのフェーズで区切ることも効果的です。例えば「市場調査フェーズ」、「要素技術開発」、「製品設計~生産展開」、「市場展開」などです。各フェーズで期待される成果物が異なるからです。PMはCFT(Cross Functional Team)などの機能組織横断型の「チーム活動」に最適です。

4. 標準的PMの不足点、実践的「段取り術」としての技法紹介

 標準的なPMは、全業種・全業態を対象としているので掲載されている知識体系やツールも広範で標準的な表現になっています。従って製造企業で「製品開発や生産分野のプロジェクト」に適用させようとする場合、各職場にあわせてカスタマイズするなど応用工夫する必要があります。
 また、目標(最終成果物)をロジカルに決定する方法論や、得られた成果物からネットワーク図、WBSをつくり...

出す時の具体的なツール、手順の紹介が不明確でした。また「構想段階」で活用できる具体的手法がまだ十分ではありませんでした。
 この不足点を補完したやり方が㈱ロゴで開発された「OSCD分析」と「サクセスマップ法」です。
  • 目的と成功基準から、最終成果物を抽出するやり方・・OSCD分析法
  • 最終成果物を基準に、ロジカルに中間成果物を抽出・図化する・・サクセスマップ法


 上記ツールを包含した上で、モノづくり現場プロジェクトを対象に「構想~計画~実行・管理」までをコンパクトに一気通貫で実践的に使えるやり方としての「CCPM/6モジュール®」があります。詳細は私の所属する(株)ロゴのサイトで紹介しています。

関連図書: 『日本のものづくりを救う!最強のすり合わせ技術』 日刊工業新聞社
      『仕事の9割は「段取り」で決まる!』 高橋書店

 

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