作業訓練のやり方 儲かるメーカー改善の急所101項(その44)

4、作業を改善する基本

◆ 作業訓練のやり方

 「人に教わってみんなができるようになる一番難しい技術は?」と聞かれたら皆さんは何とお答えになるでしょうか。

 私は自動車の運転ではないかと思います。目、耳、手、足のすべてを使って次々に起きる変化に、すべて一人だけで即座に対応するという作業のレベルは並大抵ではありません。

 しかし多くの人が40時間ほどの教習で一通り運転できるようになり、自動車運転免許証という国家資格を手に入れます。これは習う人がとても優れているということではなく、教育・訓練方法がきちんと整備されており、どこの教習所のどの教官でも教えられる仕組みができているからに他なりません。

 工場の中で、自動車の運転より難しい仕事を探そうとすると結構大変です。ベテランの方が持っている技術・技能を若い人が引き継げないという嘆きをよく耳にしますが、誰でもが理解できる教育・訓練方法が作られていないことが最大の原因といえます。

 技術は見て盗むもの、仕事は自ら習得するものといった姿勢論はありますが、強い企業ほど仕事は教え方まで含め仕組化され高度なレベルもきちんと伝えているのです。

 2020年5月、新型コロナウィルス感染拡大で世の中のあらゆることが変わろうとしています。チャールズ・ダーウィンの有名な言葉で『生き残るのは最も強いものでも最も賢いものでもない。最も変化に敏感なものが生き残る』がありますが、少子高齢化、労働人口の急減の変化の中で、この仕組み作りも重要な改善テーマ...

だと考えています。

今回の言葉   

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 仕事は、教え方まで含めて「仕組化」せよ。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

    日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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