チェックの方法 儲かるメーカー改善の急所101項(その32)

3.仕組みを改善する基本

◆ チェックの方法

 皆さんの会社で「お客様に対する間違いを防ぐため、出荷前にダブルチェックをしています!」ということはありませんか? 

 あっ、決してダブルチェックが悪い事だと言っているのではありませんので、安心して読み続けてください。

 ダブルチェックは確かに効果はあります。しかし、ちょっと考えてみて下さい。例えば100個の部品を出荷する時に、ちゃんと100個かどうか? 99個でもなければ101個でもないということを保証するために、まず一人の人が100個と数えたモノを、もう一人の人が再度数え直し、二人共100個という事であれば「数は合っている」とするチェックするわけです。

 この場合、もし二人目の人が数えた数が99個だったとしたら、どうしますか?

 どちらかの人が数え間違えているということですので、もう一回数えることになります。そして改めて数えて100個であればそれで良いですし、99個であったならあと1個足して100個にすることになります。

 一見、二重チェックのようですが、同じ方法で2度行っても精度は上らないしムダが多いわけです。いくらでも時間をかけても構わず、コストも考えませんということならいいのですが、ずっとこれでは競争に勝てないことに違いありません。

 ではどうすればいいか? 答は「間違いなく100個を数えられる方法」を考えて、その方法をきちんと実行するのです。

 例えば、100個分のマスでできた100個をひと目で確認できる「見える化治具」を作ってそこに入れるとか、100個分の重さを測れる重量計を使うとか、といった方法を考えます。そして最初と中間と最後にその治具が正しいかとか、重量が合っているかといったダブルチェックを行うといったことはいかが...

でしょうか。

 チェックは付加価値を生みませんから、なしで済ませられることが一番いいのです。それを2回も3回もやってはいけません。

今回の言葉   

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 チェックは、違う方法で二重に。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

    日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫  

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