ギブスの自由エネルギー 金属材料基礎講座(その9)

 

◆ ギブスの自由エネルギー

 金属材料に限らず水などにおいても、自然界の物質は固体、液体、気体の3つの状態があります。

 熱力学的な話になりますが、これらの状態は温度と圧力によって、どの状態が安定状態になるか決まります。ここで色々な状態を表す用語があります。

 例えば、氷水などのように固相、液相が分かれているものは固・液2相となり、水と油のように液相同士だけど境目がはっきりしているものは液・液2相となります。

 ギブスの自由エネルギーは以下の式のように表されます。

  G=PV+U-TS

  G:全体としての自由エネルギー。低い方が安定します。
  P:圧力。
  V:体積。
  U:内部エネルギー(エンタルピー)...


  T:温度。
  S:エントロピー。

 金属材料の場合、圧力は大気圧でほぼ一定として扱うことが多いため、実質的には第1項目を省略した以下の式になります。

  G=U-TS

 上述の凝固、溶解、析出などの現象はこの自由エネルギーの変化として起こることなのです。

 次回に続きます。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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