二元配置実験について

 
  
SQC
 
 今回は、二元配置実験について解説します。
 
 繰返しのない二元配置実験は交互作用がない場合に実施し、繰返しのある二元配置実験は交互作用がある、もしくはあるかどうか判断できない場合に実施します。なぜ繰返しのある二元配置実験をすれば交互作用がわかるのでしょうか。また、繰返しのない二元配置実験では、なぜ交互作用がない場合しか実施できないのかを考えましょう。
 
 因子何水準の場合でも同じですが、簡単のため、2つの因子A,Bがいずれも2水準であったとします。
 

1. 繰り返しが無い場合

 Aが2水準、Bが2水準ですので、データは2*2=4つ、全自由度は平均の1を引いて3です。したがって、Aの主効果(自由度1)、Bの主効果(自由度1)を引きますと、残差として自由度1が残ります。これは、AとBの交互作用A×Bと、偶然誤差e(繰り返しばらつきや、計測誤差など)の両方を合わせた成分で、分離することができません(交絡といいます)。
 
 したがって、繰り返しが無い場合、
 
 ① A×Bの存在が不明の場合、残差にA×Bが交絡しますので、残差がeより過大に見積もられるため、検定の検出力は弱いものになり、有意と判定できるケースはほとんどないと考えられます。
 
 ② ではあらかじめA×Bがないことが分かっている場合は、残差は偶然誤差eとみなすことができます。しかし誤差の自由度が1なので検定における検出力はいずれにしても弱いものになるでしょう。
 

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2. 繰り返しがある場合

 仮に各データを2回ずつとったとします。ここでは繰り返しと反復とでは解析が異なりますがここでは区別せず、自由度のみで1)との違いを検討することにします。
 
 データ数は8,全自由度は7です。A,B,A×B(自由度1)を引いても残差の自由度は4残ります。この残差の変動(分散)を用いて検定することは、意味がある場合が多いでしょう。またこの場合、A×Bの存在が分かっているかどうかにかかわらず、意味のある解析が行える利点があります。A×Bが小さければ(有意でなければ)、残差にプールして誤差の自由度を大きくする(検出力を高める)ことができるからです。
 
 一般には繰り返しをとったりしてデータ数を増やし、残差の自由度を大きくすることで検出力は上がる傾向になりますが、「わすかでも差がある」ことが検出されやすくなるだけです。その「わずかな差」が技術的、経済的に意味があるかどうかは別問題ですし、データをとるのにもコストがかかりますので、やみくもにデータ数を増やせばよいということではありません。効率的なデータのとり方や、データの料理の仕方、生かし方については、別の機会に解説いたします。
 

この記事の著者

鶴田 明三

独自の設計品質評価・改善メソッド“超実践品質工学”で、技術者の 成長を重視して徹底支援。大手電機メーカで23年間培った豊富な指導経験 で、御社製品と仕事の進め方の品質・生産性向上をお手伝いします。

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