“施策”と“方策”の違いを考える

 
 前回の記事では、技術士第二次試験での問題(技術的体験論文)に関する内容を書きました。今回も、技術士第二次試験での問題に関する内容を書きます。
 

1. 技術士第二次試験での問題の中にあった“施策”と“方策”

 技術士第二次試験での建設部門の問題を調べるため、ここ数年間を対象として、建設部門の11の選択科目の問題をすべて読みました。選択科目とは、建設部門を専門分野によって細分化したものです。例えば、道路、トンネル、鋼構造及びコンクリート、土質及び基礎などです。
 
 平成28年度での「施工計画、施工設備及び積算」という選択科目での「課題解決能力の問題注)」の中に以下のような設問がありました。
 
  (1)・・・・・
 
 (2)ユーザーの満足度と信頼を獲得するため、(1)に挙げた要因の対策として、あなたが建設工事において具体的に実施できる施策と期待される成果を、発注者、設計者、元請、下請け等の立場を明確にした上で記述しなさい。
 
   (3)(2)を踏まえ、建設部門全体で取り組むべきとあなたが考える方策を記述しなさい。
 
 なお、アンダーラインは、筆者が付けました。
 
 注):技術士第二次試験の筆記試験では、「専門知識」、「応用能力」、「課題解決能力」という3種類の問題が出題されます。ただし、前回の記事でも書きましたが、平成31年度から技術士第二次試験の試験方法の一部が変わります。
 
 
 
 この問題を読んだとき「この問題の解答を考えるのは難しい」と感じました。理由は、解答するうえで、“施策”と“方策”をどのように使い分けるのかがわからなかったからです。
 

2. 施策と方策の意味の違い

 施策と方策の意味を辞典(辞書)で調べると,それぞれ以下のような意味が記載されていました。
 

◆ 広辞苑(第5版)

 *施策:ほどこすべき対策。
 *方策:はかりごと。策略。
 

◆ 岩波国語辞典(第5版)

 *施策:(世の出来事に対し政治家や役人が)ほどこすべき対策。
 *方策:物事を処理するための手立て。はかりごと。
 

◆ goo辞書

 *施策:政策・対策を立てて、それを実地に行うこと。政治などを行うに際して実地にとる策。
 *方策:はかりごと。計略。また、手段。方法。
 
 ここで、どの辞典(辞書)でも“方策”に対して“はかりごと”という意味が記載されていたので、この“はかりごと”も調べてみました。
 
 *はかりごと:うまくいくように前もって考えておく手段。計略。もくろみ。
出典:岩波国語辞典(第5版)
 
 調べてみると、このように施策と方策では意味の違いがあることがわかります。しかし、どのようにこの2つの単語を使い分けるのかがわかりにくいです...
 
 
 
 「国の施策」のようなキーワードを新聞などで見るので“施策”の方が大きな概念のように感じます。これに対して、“方策”は施策を実施するための手段や方法のように感じます。
 
 「施策と方策」の関係は、例えば、「戦略と戦術」の関係のように思います。
 
 ところで、上記の問題に対して、日本技術士会では、施策と方策との意味の違いを踏まえたうえで答案を採点したのでしょうか? 例えば、「(2)の解答として,施策の中に書いてある内容は採点基準では方策の内容なので、この解答は減点する」などということがあったのでしょうか?
 
 やはり、技術士第二次試験は難しいです・・・
 

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