国立国会図書館オンラインNDL-OPACとは 技術情報を調べる(その2)

 

 今回のテーマは、「技術情報を検索する」です。特許にかかわる方だけではなく、技術情報やビジネスの情報を調べたい方、研究開発に携わっている方へも対応できるように解説します。特許の先行技術調査、技術動向の調査、無効資料調査では、非特許文献(公開公報、特許公報、実用新案公報など、特許や実用新案以外の文献)を調べる必要がある場合が多々あります。研究開発では、技術の動向や特定の技術の詳細な情報や文献を調査することがあります。日本国内でデジタル化資料の調査をする場合、どのようにすればいいのでしょうか?前半ではGoogleを使った検索の基本的な考え方と検索式を解説しました。今回の後半では技術や学術情報の調査に提供されている利用可能なデータベースを解説します。

 

【目次】

1. 技術情報を調べる(その1)検索の基礎とデータベース
2. 技術情報を調べる(その2) 国立国会図書館オンラインNDL-OPACとは←今回の記事

 

 特許の先行技術調査、技術動向の調査、無効資料調査では、非特許文献(公開公報、特許公報、実用新案公報など、特許や実用新案以外の文献)を調べる必要がある場合が多々あります。研究開発では、技術の動向や特定の技術の詳細な情報や文献を調査することがあります。これらの調査をする場合、どのようにすればいいのでしょうか?今回のテーマは、技術情報を調べる(その1)に続いて「技術情報を検索する」です。特許にかかわる方だけではなく、技術情報やビジネスの情報を調べたい方、研究開発に携わっている方へも対応できるように案内します。今回は、技術や学術情報の調査に利用できるオンラインサービス、国立国会図書館オンラインNDL-OPACを案内します。 

 
 国立国会図書館で2012年1月から運用が開始された、新しいNDL-OPACを使って資料を探す方法を紹介します。
 

1. NDL-OPACとは

 

 国立国会図書館サーチは、国立国会図書館や他の機関が保有する、蔵書目録、デジタル資料、立法情報、レファレンス事例や出版情報など、多様な情報を統合的に検索できるサービスです。国立国会図書館をはじめとして、全国の公共・大学・専門図書館や学術研究機関などのデータベースから収集したメタデータを検索できます。また、検索対象には、刊行前の図書や、点字・録音図書、デイジー資料などの障害者向け資料も含まれています。検索結果からは、所蔵機関のデータべースへ直接アクセスすることができます。

<国会図書館を利用する理由>

 
 私が技術調査、公知例調査などで国会図書館を頻繁に利用する理由は、資料の量が多いことです。納本制度により国内で流通されたすべての出版物が国会図書館へ納入されるため、国会図書館で国内の全ての出版物を閲覧することができます。そのため、図書や電子資料に掲載されていることが明らかな資料を閲覧する場合、国会図書館を利用すれば確実に資料を閲覧することができます。
 

<NDL-OPACを利用する理由>

 
 NDL-OPACは、国立国会図書館にある蔵書の検索と閲覧の申し込みができるシステムです。
 

<登録利用者IDについて>

 
 検索機能のみを利用(ゲストログイン)する場合は登録する必要がありませんが、登録IDを持っていると、国会図書館で手続きが楽で、事前にインターネットで図書の予約ができ、NDL-OPACに検索履歴の保存もできます。郵送による複写資料の取り寄せができるなどといったメリットがあります。登録は国会図書館ででき、郵送による登録も可能です。
 

<NDL-OPACの検索で検索式を使う>

 
 検索式を使った検索方法を紹介します。国立国会図書館のトップページにある、「資料の検索」から「NDL-OPAC」を選び、NDL-OPACにアクセスします。IDを持っている方はIDとパスワードを入力してログインします。「検索式」のタブをクリックします。
 

2. NDL-OPAC:入力画面の解説

 
・ソフトキーボード:クリックすると、マウスで操作するひらがなのキーボードが表示されます。
・検索式の入力:検索式を入力する場所です。
・広範囲に検索:ここにチェックを入れるとキーワードの文字の断片を含めた検索結果が表示されます。
・フレーズ検索:ここにチェックを入れるとスペースで区切られた2つの単語でフレーズ検索します。  
 

3. NDL-OPAC:検索コード(特許データベースのコマンドのようなもの)の解説

 
 検索コードの一覧は検索画面の「検索のヒント」の右にある「コード一覧」の文字をクリックすると表示される他、ヘルプ画面(「?」をクリック)の6-2に記載されています。「コード一覧」に記載されている通り、NDL-OPACの検索コードには部分一致で検索できるものと、完全一致と前方一致で検索できるものがあるので、使い分けに注意が必要です。完全一致と前方一致で検索できる検索コードは、キーワードの後に半角の「*」をつけると前方一致で検索できます。たとえば、図書のタイトルを検索する場合は、部分一致で検索したいときには「WTI」、「WMTI」、または「WSRS」を使います。タイトルを完全一致または前方一致で検索したいときには、「TIT」、「SRS」、または「UTI」を使います。また、部分一致でタイトルを検索できる検索コード、「WRD」、「WTI」、「WMTI」、および「WSRS」は階層構造になっているので、検索式の作成の際に目的の資料を効率的に探せるように、工夫して使って下さい。検索コードは、「検索コード=キーワード」のように入力します。
 

4. NDL-OPAC:演算子の解説

 
 利用できる演算子は、以下の通りです。
 
・AND
・OR
・NOT
・ワイルドカード"?"および"*"(欧文のみで利用可)
 
 AND、OR、およびNOTの前後には、半角スペースを入れます。
 

5. NDL-OPAC:検索式の入力

 
 検索コードを使用した検索式では、ORでキーワードを足す場合に半角小カッコが利用できます(実証済み)。文字の前に検索コードが記載されていないキーワードは、そのままキーワードとして扱われて検索します。ORで足したキーワードにANDで別のキーワードをかける場合は、ANDの キーワードの前に「検索コード=」をつける必要があります。
 
 例:リンゴジュースまたはミカンジュースがタイトルに含まれる資料を検索する場合
 
・検索式「WTI=(りんご OR みかん) AND WTI=ジュース」を入力
 → 検索条件 タイトル= りんご or みかん AND タイトル= ジュースで検索されます。
 
・検索式「WTI=(りんご OR みかん) AND ジュース」を入力
 → 「タイトル= りんご or みかん AND キーワード= ジュース」と表示
 
・検索式「WTI=((りんご OR みかん) AND ジュース)を入力
 → 「タイトル= りんご or みかん and ジュース」で検索されます。
    (りんご or みかん)のカッコが無視される?
 
 なお、検索条件は「検索結果一覧」の文字の下に表示されます。
 

6. NDL-OPAC:検索条件の管理

 
 画面の上にある「検索履歴」をクリックすると、自分が検索したときの検索条件と検索結果のリストが表示されます。検索条件を保存する場合には、保存したい検索条件にチェックを入れて、「保存」をクリックします。保存した検索条件は、画面の上にある「保存履歴」をクリックすると一覧が表示されます。
 

7. NDL-OPAC...

:検索結果のかけあわせ
 
 画面の上にある「検索履歴」をクリックして、複数の検索条件を選択し、「かけあわせ」をクリックすると、入力した検索条件を組み合わせた検索ができます。検索のかけあわせは、次のいずれかひとつを選ぶことができます。
 
・すべての条件に一致する
・いずれかの条件に一致する
・No.1の条件には一致するが、No.2の条件には一致しない
    ※3つ以上を選択している場合は使用できません。
・No.2の条件には一致するが、No.1の条件には一致しない
  ※3つ以上を選択している場合は使用できません。
   

8. NDL-OPAC:検索結果のダウンロードとマイリストへの追加

 
 これらの機能は、事前に資料を検索し、後日図書館で閲覧の申請をする場合などに便利です。
 
・検索結果から資料を選択し、リストの一番上にある「ダウンロードする」をクリックすると、資料の情
 報をdat形式でダウンロードすることができます。
 
・検索結果から資料を選択し、リストの一番上にある「マイリストに追加する」をクリックすると、メモ
 を付けてマイリストに追加することができます。
 
・マイリストに保存された資料の情報は画面の上にある「マイリスト」をクリックすると表示されます。
 
  

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