専門家「松木 英敏」プロフィール

ワイヤレス給電応用を核とした電磁エネルギー変換工学から生体電磁工学、医 工学分野など幅広い分野に長年携わっております。
松木 英敏
専門家S まつき ひでとし / 宮城県 / 東北大学
保有資格 | 工学博士 |
対応エリア | 全国 |
対応分野
固有技術
電気・電子技術 医薬品・医療機器・化粧品等技術経歴
昭和55年東北大学大学院工学研究科後期3年の課程修了後、東北大学工学部電気工学科助手、助教授を経て、平成10年工学研究科生体電磁工学分野教授、平成20年4月から大学院医工学研究科生体電磁波医工学分野教授。医工学研究科長併任(3年間)。
平成28年定年退職後、東北大学未来科学技術共同研究センター教授。
現在に至る
【所属団体・役職】
東北大学未来科学技術共同研究センター 教授
業務実績
一貫して磁気工学を基本とした電磁エネルギー変換による電力相互変換利用の開発研究に従事、高効率非接触給電方式の開発や様々な医療機器に対するワイヤレス給電法などに関する研究にも強い関心を持ち、幅広い研究を積極的に推進。これまでに、電気学会業績賞(平成25年)、日本磁気学会学会賞(平成25年)などを受賞し、日本磁気学会会長、照明学会会長、電気学会基礎・材料・共通部門長として当該学会等の発展に貢献。
【主な研究成果】
(1)低磁気結合型電力伝送技術に関する研究従来の電磁誘導に基づく変圧器型の電力伝送は高結合型と呼ばれる方式であり、100パーセントに近い「高結合」は必須条件とされてきた。本研究は、その伝送原理から見直すことで「ワイヤレス給電」と称される方式の指導原理を明らかにし、伝送方式を体系化し、送受電間の結合度合いが数パーセントであっても高結合型と遜色ない効率で電力伝送が可能であることを明らかにした。本技術により、走行中の電気自動車に対する給電実用化すらも可能となり、我が国の社会インフラを構築する上での具体的指針を与えたことになる。
(2)埋込電磁型医療機器への非接触給電に関する研究体内に埋め込まれる医療機器への給電を非接触かつ高効率で行う方式を提案し、完全埋込人工心臓を想定した場合でも2度以内の温度上昇に抑制できることを実証した。このことはほぼあらゆる埋込医療機器に対して非接触給電が可能となることを意味し、医療機器開発の選択肢を広げる重要な成果である。
(3)磁気ハイパーサーミア方式の開発に関する研究温熱療法(ハイパーサーミア)は、がんの種類に依らず有効と考えられている方法であるが、その有効性が十分活かされていない。本研究では、原理的に温度計測が不要となる発熱体を用いて安全性を高め、低侵襲で局所加温を可能とする方式を提案、開発している。メラノーマに対する著効性も確認するなど、有望な方式となり得ることを示した。
(4)電子部品の小型化に関する研究主要な電子部品でありながらインダクタの小型薄形化には限界があるとの定説を覆し、電気回路と磁気回路の構成法を見直すことにより、チップ部品よりも少なくとも一桁の小型薄形化が可能であることを理論的に示した。さらに、新しい提案構造のインダクタを実際に試作し、提唱理論の有効性を実証した。
【著書】
・生体電磁工学概論
・電磁エネルギー変換工学
・ワイヤレス給電技術がわかる本
・感温磁気応用工学
・ワイヤレス給電技術の最前線 他